3月議会質問より➌…放課後子ども総合プラン有料化に反対

3月議会の焦点の一つであった「放課後子ども総合プラン」の有料化は、残念ながら賛成多数で可決しました。H30年度から導入されます。

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子育て支援先進都市を目指す観点からも、質問で、無料で実施するよう強く迫りました。
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子どもの放課後の生活環境…親の労働環境や経済格差に左右されてはならない

放課後子ども総合プランの一番大きな問題は、利用する人と利用しない人との公平性を確保するという税負担の公平論で、親の経済状況により利用できなくなる児童の発生を容認し、放課後の安全で安心な居場所を奪ってしまうことです。

保護者アンケートでは、13.4%の保護者が「有料化すれば利用しない、利用できない」と答えているからです。

子育てと仕事の両立が求められ、子どもの貧困が社会問題となっている今日、有料化は時代の求めに逆行する施策だといわなければなりません。

審議会の答申を尊重し、減免制度が拡大されていますが、そもそも減免という仕組みによらず、無償で事業を継続すべきと質しました。

子ども未来部長は、親の生活環境に左右されないよう、児童扶養手当や就学援助を受けている方も対象に、経済的な面からも幅広く減免を運用するとした答申を踏まえ、利用者負担の導入を決めた」「減免制度を十分に生かしていきたい」と答弁しました。

しかし、減免制度による減免対象者は推計されているに過ぎず、減免の隙間で利用できなくなる子どもにどう対応するのかというセーフティネットにはなっていません

小さく産んで大きく育てる利用者負担に…2,000円から4,000円に

利用料金は3年ごとに見直されます。審議会でも「最初はできるだけ負担額が小さいほうがいい。激変緩和策をとるべき」との意見に象徴されるように、負担導入時は2,000円ですが、利用者負担額の上限である4160円に計画的・段階的に引き上げていくことになります。

これでは、保護者の世代間の公平性を歪めると考えます。地域社会の宝である子どもたちが減少していくことを考えると、子どもを大切にする行政の施策としては一貫性がありません。

部長は、「行政サービスの利用者負担に関する基準を適用したもので、プランを持続的・安定的に実施し充実をはかるために利用者負担を導入するもの。激変緩和を図ることで、見直しの前後での公平性を、一定程度保つ効果を有する。同じ基準を将来にわたり運用することで世代間の公平性は確保できる」と答弁しました。

私が言いたかったことは、例えば、2,000円を恒常的な負担額として位置づけるのであれば、世代間の公平性は担保できるというものです。

「利用者負担に関する基準」について、一定の基準の必要性は認めますが、その運用にはより柔軟な姿勢が問われるものと考えます。

“おやつ”の存続を求める

社会福祉審議会の答申は、『附帯意見』で「ガイドライン作成等により、保育実費が校区や施設で異なる状況の改善に努めること」を求めました。

市では、食物アレルギー児童への対応もあり、おやつを段階的に無くしていく考えに立っています。

食物アレルギー児童への安全なおやつの提供は可能です。生活の場でもある児童センターでおやつを無くしていくことは、生活習慣上、問題を残すと考えます。

おやつの継続を求めました。

部長は、「市では、安全面の配慮からおやつを提供しないことを基本にしてきているが、保護者の意見が分かれていることから、運営委員会の決定事項にしている。低学年の多い児童センターでは6割、高学年が多い子どもプラザでは2割、全体では約4割の施設でおやつを提供している」と現状を述べた上で、「今後、(施設や保護者の)意見を聞く中で、作成を予定するガイドラインでおやつ提供についても新たに示していきたい」と述べました。

世田谷区では、放課後子ども総合プランを「新BOP事業(遊びの基地事業)」として展開しています。

児童センターに相当する学童クラブは小学校3年生までに限定し、月額5,000円の有料で実施していますが、内2,000円はおやつ代で、全員に提供しています。

こうした事例も参考にしながら、ガイドラインが作成されるよう引き続き求めていきたいと考えます。

税負担の公平論では、プランの充実は二の次にならないか

答申の『附帯意見』でも、「職員の能力向上や施設整備など事業の質の確保と向上に努め、プランの充実が利用者に実感されるよう努めること」が強調されています。

しかし、私は税負担の公平論による利用者負担の導入では、増収ありきが最優先とされ、プランの充実に100%充当されず、二の次になってしまうのではないかということを極めて危惧しています。

プランの有料化で約1億7,000万円の収入が見込まれます。

児童センターの施設整備、子どもプラザで使用する教室のエアコン整備、支援員・アドバイザーの処遇改善、研修の無償化と研修機会の拡大など、プランの充実が問われています。

しかしながら、有料化にあたり今後求められるプランの具体は十分に示されていません。

プランの充実をどのように考えているのか、約1億7,000万円が確実にプランの充実に投入されるのかを質しました。
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これに対し部長は、「今後、子どもたちが実感できるようなプラン充実の取り組みを加速せたい」とし、ハード面では、学校の教室確保を進めエアコンを計画的に整備する、教材や遊具、保育備品などの導入を積極的に進める、ソフト面では、保育士や教員OBなど資格を有する人材の確保、職員の処遇改善、研修への派遣、特別な配慮を要する子どもへの職員加配などに努めたいとしました。

新たな財源の使い方については、「収入を1億7,000万円と見込んでいるが、全額をプラン事業そのもの全体に充当させていく予定」と答弁しました。

子ども未来部長の答弁で財政当局はいいのかを財政部長に質問したところ、「同様の意見で、全体の中で考えていく」と答弁しました。

財政部長の「全体の中で考える」というくだりは、「税負担公平論に基づく増収は、全体的な一般財源として考える」という風にも聞こえます。

しかし、「全額をプランの充実に充当する」との子ども未来部長の答弁を信じ、これからの成り行きを注視したいと考えます。

今年度に作成されることになるプラン運用の「ガイドライン」、そしてプラン充実のための実施計画が課題となります。

「利用したくても利用できない」…この声に如何に応えられるのか

有料化は決まってしまいました。

有料化を前提とした問題は、「利用したくても利用できない」という声に如何に応えるか、プランの充実を如何に加速させるかにあります。

「長野市版」とされる放課後子ども総合プラン。児童センターとこどもプラザを一体的に運用することを特徴としていますが、有料化することにより、「長野市版」故の制度設計の矛盾が出てくるように思います。

「希望するすべての児童を受け入れる」という長野市版放課後子どもプランは、希望する全ての子どもに門戸が開かれないことになってしまうからです。

文科省が進める「放課後子ども教室」の趣旨を全うできなくなるおそれもあります。

決まったとはいえ、有料化の是非を問い続けたいと思います。また、制度設計の在り方を全国の先進事例を参考に再検討したいと思います。

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