屋代線廃止決定から粛々と進む「バス代替」

バス代替の運行計画を協議する「第14回長野電鉄屋代線活性化協議会」

 28日、「廃止」を決めた長野電鉄屋代線活性化協議会の14回会議が開かれ、傍聴しました。今日の協議会では、来年3月末に廃止されることになっている長野電鉄の屋代線について、11月をメドに代替交通のバスの運行計画をまとめることを決めました。

 屋代線の活性化をめざし作成された「長野電鉄屋代線総合連携計画」は、「長野電鉄屋代線沿線地域総合連携計画」に計画名称が変更され、基本方針として「従来の屋代線利用者の移動手段を確保することはもちろんのこと、沿線地域住民の交通ニーズに即した公共交通サービスの提供を目指して調査・研究を行い…バスのメリットを最大限に生かしつつ、乗合タクシー等の導入も視野に入れ、地域交通を支える持続可能な公共交通体系の構築に取り組む」としています。

 今年度は「代替交通の運行に向けた検討」を主たる事業とし、➊沿線交通の現状の再整理 ➋地域ニーズの把握 ➌代替交通路線網編成方針の検討 ➍代替交通路線網の具体的検討 ➎サービス水準及び事業性の検討 ➏代替交通運行計画(仮称)の決定及び評価の指標の策定を内容としました。

 代替バスの運行について活性化協議会は今後、松代・若穂・須坂市・千曲市の4つの作業部会が中心となり、来月から地域住民のニーズの把握を始めます。7月にはバス路線網の具体的な検討に入り、11月には運行計画を決定する方針が確認されたようです。

 また、H24年度以降は3市それぞれの生活バス路線の活性化を目的とする協議会に移行させていく考えも示されました。

 今年度の事業費は100万円で、コンサルタント会社に委託はせず、交通政策課が対応し沿線住民との協議により計画をまとめていきたいとする一方、長野工業高等専門学校(長野工専)の協力を得たいとする考えを示しました。

 ところで、今回示された計画変更案では事務局が作成した第一次素案から変わった事項がいくつかあります。

 一つは計画の名称です。私は協議会の検討経過を踏まえ「屋代線廃止決定に伴うバス代替による公共交通整備総合連携計画」とでもすべきであると考えていましたが、「長野電鉄屋代線沿線地域総合連携計画」とされました。地域公共交通の再生・活性化を目的とする計画名称として「沿線地域の計画」としている点は、焦点をぼかしているといえます。

 二つは、「計画の目標」等において、「地域が一体となった公共交通を支える体制づくり」が「地域に支えてもらえるような公共交通の確立」に変わり、「バス代替の本格運行」が「代替交通の運行」に変更された点です。沿線住民の廃止に対する根強い反対意見に配慮したものと思われますが、こうした変更を余儀なくされる経過を真摯に踏まえているのか、その本気度が問われます。

 三つは「バス代替の実施主体」で、「長野電鉄、バス事業者、長野市、須坂市、千曲市」が「旅客自動車運送事業者、長野電鉄活性化協議会」に変わりました。鉄道事業者が既に廃止届を提出している以上、代替交通整備に電鉄が前面に出なければならない必然性はないことから、妥当な変更だとは思いますが、長野電鉄のグループ企業である長電バスが当たり前のように委託事業者となることには、より透明性のある委託決定システムが必要だと考えます。

  既に廃止を決めた協議会においては、粛々とバス代替の運行計画づくりが進むことになり、沿線住民にとっても否応なしに「廃止」を受け入れざるを得ないような外堀が埋まっていくことになるのでしょうが、釈然としない想いが募ります。

 《今日的な課題》は、屋代線の廃止を巡り、地域住民に根強い反対があり、今も尚くすぶり続けている状況にあって、今後のバス代替計画づくりに際し、いかに住民との合意形成を図るのか。沿線住民とのワーキンググループの拡充や住民懇談会の取り組みなど溝を埋める姿勢を明確にすることが必要ではないのか。同時に、廃止決定を踏まえてもなおかつ、H23年度における利用者数が50万人を超えることが予想される中、屋代線を「必ずしも経済効率性だけで評価するのは適切ではない」との位置付けのもとに、「貴重な社会資本である屋代線を持続可能な鉄道として、次世代に継承できるような方策を検討する」余地は本当にないのか。この二つが問われていると考えます。

 

 今日の協議会は、地元で「安茂里甚句保存会」の総会があって、途中で退席しました。新年度から安茂里甚句の練習にも参加することを約束していたのですが、練習には間に合わず…、初っ端から躓いてしまいました。でも、保存会の皆さんからは「気持ちだけでもうれしいですよ」と声をかけていただき安堵しています。5月の練習日は参加する予定です。議会関連日程が入らなければ、ですが…。

 連休明け5月6日には市議会の公共交通対策特別委員会を開きます。屋代線沿線住民にとってベストな公共交通網の整備は何なのか、長野市全域、さらには北信地域における望まれる地域公共交通の活性化をしっかり考えながら、問題点を整理していきたいと思います。