水道料金大幅改定の予告か!?

 本論に入る前に、石原・東京都知事の辞任~石原新党結成にはビックリですね。齢80の「気骨」ある挑戦は、それなりにインパクトはありますが、都政を放り出すことへの責任も問われるでしょう。「維新の会」の動向を含め、第3極論がかまびすしくなっていますが右傾化を増長させる第3極論は、日本の政治にとって、そして国民にとって、望まれるものではありません。
 憲法廃棄は論外ですが、「自助・自立」が強調されるところに、強者の論理の危うさを感じます。

 さて、本論です。

 水道料金の改定について8月、上下水道管理者から上下水道事業経営審議会に諮問されています。年明けには答申が出される予定です。因みに下水道料金はH24年度から26年度までの3カ年は「据え置き」となっています。

★老朽管解消と耐震化に1,415億円
 25日に開かれた市議会建設企業委員会(新委員会の構成による概況勉強会)で、上下水道局から事業の現状と課題について説明を受けました。
 この中で、老朽管の解消と耐震化にH23年度末段階で1,415億円必要となり、水道管の健全度の調査を実施しながら30年から40年に亘る長期計画を策定し、対策を講じる方針が示されました。
 1,415億円は長野市の年間予算に相当する金額です。
 水道事業の経営計画では、老朽管の解消を建設管理費に見込んでいるものの、水重要の低迷による使用料収入の減から、利用者負担である水道料金への跳ね返りは避けられないとの考えを滲ませました。経営審議会からの答申になるとはいえ、大幅値上げを予告されたように受け止めざるを得ません。

上下水道経営審議会の資料より。こんな状態でも水の安全は確保されているとのことです。でも、早急なる対策が必要です。

★経年化率(老朽管の割合)は9.4%、耐震化率では6.4%
 市内の水道管は、幹線延長が水源から浄水場までの導水管=31㎞、浄水場から配水池への送水管=106㎞、配水池から市内各地への配水本管=80㎞の計217㎞、各家庭に行き渡る配水支管が1,618㎞で水道管の総延長は1,835㎞になるそうです。
 水道管の耐用年数は40年間で、H23年度末現在で、この耐用年数を超えたS46年以前の水道管=172㎞分が老朽管となり、更新が必要とされるわけです。
 耐震化率に至っては6.4%で、重度の高い幹線を中心に耐震化改修を行うとされます。
 H26年度からは1年間に約50㎞ずつ増加していく老朽管を解消するには年間約60億円の事業費が必要であり、また耐震化率を1%上昇させるためには13億円が必要であると試算されています。1年間の水道料金収入が約58億円ですから、いかに大変なことかが容易に推察されます。
 17年後であるH40年までを考えると、老朽管解消に約650億円、耐震化率100%達成で約1,250億円、合計で約1,900億円かかる試算となります。

★簡易水道の老朽化・耐震化対策に112億円
 合併地区の簡易水道は570㎞で、接着剤ビニール管である280㎞分で対策が必要とされるそうで、改修費に112億円必要と試算されています。

★下水道でも199億円
 下水道の老朽管解消と耐震化にはH23年度末現在で199億円必要と試算されています。下水道管は耐用年数が50年でH44年度以降に老朽管改修事業費が集中増大することになるとのことです。

★維持管理の時代における負担は誰が負うのか
上下水道は「建設の時代」から「維持管理の時代」に入っています。安全でおいしい水を安定的に供給し続けること、公共下水道を維持し安心で清潔な生活を支えることは、市民生活にとって不可欠な課題です。
 だからと言って、莫大な維持管理費を使用料で賄うこと、市民負担で対応することには限界があります。企業会計である上下水道事業には一般会計からの繰出金がありますが、この繰出金を増やせばよいとも言えません。最後はバランスということになるのかもしれません。
 とにかく、H25年度からの水道料金は、大幅改定案が提案されそうな雲行きです。

★2年前は水道料金値上げを議会が下方修正
 H22年度の水道料金の値上げでは、原案9.73%の引き上げに対し、「1割近い値上げは市民負担が重過ぎる」との建設企業委員会からの意見により平均7.71%の引き上げに下方修正されました。当時、私は建設企業委員会に所属しており、原案に対し強く抵抗し、原案修正に結びつけることができたことを思い起こします。
 また水道事業では犀川南部の県営水道区域の問題もあります。県水道の市水道への移管を早期に図り、市民間の負担の公平性を図るべきでしょう。

 今回も水道料金の値上げ問題を審議する時期に、同じ委員会所属となったことは奇遇と言えば奇遇なのですが、経営審議会での検討をチェックし、上下水道事業の将来的な制度設計を見極め、過度な市民負担とならないよう審議に臨んでいきたいと考えます。

 上下水道をはじめ道路や橋梁を含めた『公共施設白書』が作製されることになっています。自治体の経営と質の高い市民サービスが問われてきます。
 難問ですが、心して取り組んでいきたいと思います。