6月議会の質問より➊ 青木島遊園地廃止問題…何を教訓とするのか、第三者委員を交え検証を

住民を巻き込み、住民の期待を裏切る顛末となった青木島遊園地の廃止問題。

住民本位の市政運営、こども真ん中社会の実現の観点からの当事者である子どもが主体となった子ども本位の市政運営、市行政の意思決定と説明責任、市民との合意形成に極めて大きな禍根を残しました。何よりも子どもたちに寄り添えなかったことが心底悔やまれます。

なぜ、市は迷走し住民の期待に応えられなかったのか、何を教訓とするのか、真摯な反省と今後の対応が求められるところです。

3つの視点で検証を

副市長をトップとする検証委員会を立ち上げ、検証を進める考えが示されていますが、何をどのように検証していくのかが重要です。これまでに市長は、反省点として「区長会に任せすぎた」「住民自治が課題」とし、「行政が仕事を進めていく手順の明確化」などに言及していますが、私は三つの視点で検証することが必要であると指摘し考えを質しました。

一つに、行政内部の意思決定プロセスに何が欠けていたのかといった視点で検証すること、

二つに、「住民自治」を深め広げていく観点から、十分な説明責任が果たせのか、区長会や住民自治協議会における十分な住民合意形成の在り方と市行政のサポートの在り方を検証すること、

三つに、子どもに関わる施策決定において、当事者である子どもの意見を反映していくプロセスをいかに保障していくのか、の3点です。

また、検証委員会においては、専門的知見を有する第三者の外部委員を交え検証を進めていく必要性を質しました。

市長…「庁内の意思決定に加え、子ども達の考えを受け止めるための体制も検証」

市長は、「検証を進める上で、意思決定にあたり庁内の進め方に一部至らぬ点があったことや地区の役員に任せ過ぎたことなどについて検証が必要である。また、子どもたちの考え方や視点を受け止めるための体制も必要ではないかと感じている」と答弁しました。

「感じている」ではなく、しっかり取り組んでもらいたいものです。

検証委員会…弁護士や大学等の学識経験者、行政経験者らを外部委員に登用

また市長は、「副市長をトップとした検証委員会では、一連の事案について、検証そのものの中立性をしっかりと確保するために、外部の方の意見を聞いていくことが必要であると考える」としたうえで、外部の人材については、「例えば行政手続や政策形成プロセスに関わることから、法的知識を持つ弁護士や住民の合意形成や政策の在り方に見識のある大学等の学識経験者、あるいは行政事務の視点から国であるとか、県の行政経験者などを想定している」と述べました。

私が提案した3つの視点に対する明確で具体的な答弁には及ばなかったものの、行政の意思決定の在り方等に加え、「子どもたちの考え方や視点を受け止めるための体制」を課題とした点は評価しよう。今後、まずは外部委員にどんな人材が登用されるのかを注視しつつ、検証のプロセスをそれこそ厳しく検証していくことが大事です。

気がかりな点は、市長が反省点として「地区の役員に任せ過ぎた」ことを挙げていることです。穿った見方かもしれませんが「住民の意思決定に市の関与を強める」とも受け取れます。質問では深めることができなかったのですが、「住民自治への市の介入になってはならない」ことを強調したいと考えます。自主的かつ自律的な住民自治を如何に広げていくのか。住民自治協議会や区長会の意思決定にあたり、住民が主体となってどのように住民合意を積み上げていくのか、そして、このプロセスにおいて、市行政がどのようにサポートしていくのかという問題整理が欠かせないでしょう。市民の立場からは「住民自治の尊重を」、市行政からは「住民本位の市政運営を」ということです。真の住民自治を育むために!です。

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