第四学校給食センター…新たな市民負担4億円で工事継続へ

 第四学校給食センターを巡る国補助金問題は、当面、市単独事業として継続することをもって一定の方向性を議会としても議決・承認しました。
 顛末を振り返りながら、今後の課題を探ります。

建設工事継続を決定

 今議会の焦点であった第四学校給食センター建設事業における国補助金申請漏れ問題への対応で、市教育委員会は、国に補助金の追加採択を要望し続けることを前提に、子どもたちや工事関係者への影響を考慮し、建設工事を中断することなく、市単独事業として事業を継続する判断をし、一旦は議案提出を見送っていた第四学校給食センターの厨房機器や食器等の財産取得議案を最終日に追加提案、経済文教委員会の審査を経て全会一致で可決されました。

 また、市単独事業で事業を継続する場合、新たな市の負担額は最大で4億円に上ることが明らかになりました。
 市は既決予算内(H28年度当初予算の範囲内でという意味)で対応するとし、財源は入札差金等を充てるとしました。

「これはこれで適正な判断」と評価

 私は6月14日のブログで、「第四学校給食センターの建設は、11月の建物部分の完成を見込み既に建物屋根部分の整備に入っており、工期延期に関わる違約金の発生等も考えると、工事を一旦止めて工期を先延ばしする選択肢はない」とし「早々に一定の決断が求められるものと考える」と記してきました。

 食物アレルギー対応食の開始をはじめ、安心な給食を安定して提供すること、工事関係者への悪影響、さらに厨房機器や食器の納入は発注から半年間かかることを考えると、工事中断による負担増との比較を考慮せざるを得ないとしても、適正な判断であると考えます。

 故に全会一致の賛成となったものと受け止めています。

他の事業にしわ寄せさせない財政運営求められる

 こうした決定により、第四学校給食センターの建設整備事業は、31億8700万円の事業費のうち、一般財源は11億2000万円となります。
借金は約21億円、20年間で返済することになります。

 国補助金の追加採択次第で変動することにはなりますから、国への働き掛けを強め、市の負担額が圧縮されるよう強く求めます。

 とはいえ、4億円です。
 当初予算の範囲内で対応するとしていますが、他の事業にしわ寄せさせない財政運営が求められることは明らかです。

 市民サービスに影響が出ないよう厳しくチェックしていきます。

一連の顛末を振り返る

 常任委員会での審査や最終日の議案可決に至るまでの顛末を振り返ります。

教育委員会作成の説明資料、訂正へ

 21日の経済文教委員会。教育委員会は、新たな市の負担について建設整備事業費で3億5千万円と説明。
 また、工事を6月末から来年の5月まで11カ月休止した場合、H29年度国交付金の減額1億1600万円、工事休止伴う建設現場の維持や再開準備にかかる費用1億7000万円、既存センターの修繕費2380万円、合計3億970万円の負担増となることも明らかにしたうえで、工事継続の場合は約5000万円負担が増加するが、国補助金が交付されれば減額すると説明しました。

総務委員会では

 ところが、私が所属している同日開催の総務委員会で、第四学校給食センター建設整備にかかる新たな負担を質問したところ、国補助金に伴う起債では100分の7.5分を後年度地方交付税で措置されるが、その分、約5000万円が新たな負担となり、合計で最大4億円の負担増となると財政部長が答弁。
 また、新たな負担分4億円は当初予算の範囲内で対応できるとの見通しも示しました。

 市単独事業として継続する場合の市の新たな負担額について、教育委員会と財政部で「同一見解」となっていないことを問題視し、教育委員会に対し正しい資料を作成し議会に提示市共通認識とすることを求めた結果、「4億円」との統一見解が示された次第です。

議案質疑で改めて質す…「市民サービスの影響ないように対応」

 事業継続に伴い最終日に追加提案された第四学校給食センターの厨房機器や初期等の財産取得議案について質問し、交付税措置分を含めた新たな市民負担はどれだけになるのか、今後の財政運営への影響はないのか。他の事業の縮小等の影響を余儀なくされることがないのかを質しました。

 教育次長は、「新たな負担は総額で最大4億円になる」とし、財政部長は「入札差金等を活用し当初予算の範囲内で対応する。市民サービスへの影響をできるだけ小さくしたい」と答弁。

 議案質疑は、2回までの質問しか許されず、かつ意見が言えませんから、問題点を浮き彫りにすることが狙いです。

財源確保の一方策…残業を減らす?

 他の議員も議案質疑を行う中で、財政部長から財源確保の手立てについて飛び出したのが「超過勤務(残業)を縮減」。
 これはいただけません。財政部長のフライイング発言、まじめに考えているとしたら問題です。

 サービス残業を強いることになりますし、職員の仕事へのモチベーションを低下させることにつながりますから…。

 財政調整基金(貯金)を活用する意見もありますが、今の段階では、国補助金のどれだけ交付されることになるのかを見極め、また様々な財源確保策をもってしても不足する場合に考えるべき問題です。

新規事業の学校施設改修への影響も…

 H28年度新規事業で、国補助金を当てにして計画していた通明小学校・信田中学校・若穂中学校・綿内小学校のエアコンやトイレ改修への影響もゼロではありません。
 5600万円余の事業費を見込んでいたものです。

 従来より、エアコンやトイレ改修等の小規模な改修整備事業の採択は、年度末段階にズレ込んでいるようですから、今後の推移を見守りたいと考えます。
 ただし、エアコンなんかは暑い夏を迎える前に整備できればベストなのですが…。

問い直したい、国と地方の関係

 今回の国補助金申請漏れ問題は、ケアレスミスによる重大な財政への影響を及ぼした問題です。
 しかし、正規に申請がされたとしても、国が自治体の補助金申請を満額認めない厳しい査定を行っていることも現実の一側面として押さえておく必要があります。
 これは文科省だけではありません。

 今回の学校施設や学校給食センターの国補所金も満額認められる可能性は低かったと推察します。これまでも満額認められるケースは少ないとも聞き及んでいます。

 国補助金が50%しか採択されなければ、残り50%分は市の新たな負担となります。

 教育委員会に免罪を与える趣旨ではありませんが、国交付金・補助金のあり方を通して「3割自治」と言われ続けている根本問題を問い直す契機にしていくアプローチも必要ではないかと考えます。

 「地方創生」の看板を掲げる一方で、東京五輪にはいろんな理由をつけて財政投資し、東京一極集中を煽る姿勢に基本的な問題があるのではないでしょうか。

 イギリスのEU離脱に伴う金融政策上の緊急財政出動等の可能性を見据えると、地方にはますます厳しい局面となりそうです。

 今後、国補助金の見通しが立った段階で、改めて説明責任が問われるとともに、結果責任=ケジメも問われることになります。
 
 私的には、市長と教育長の責任を明らかにするに止めるべきと考えるのですが…。
 正直、心穏やかではありませんが、展開を見守りたいと思います。