道理とおらぬ…市民農園サラダパーク蚊里田の廃止に反対討論

14日の市議会最終日、議案採決にあたり、市民農園サラダパーク蚊里田を廃止する条例案の可決に反対討論を行いました。

内容は、既にブログに掲載した内容をベースにしていますが…。

12月市議会定例会に提出されている、若槻地区の市民農園「サラダパーク蚊里田(かりた)」を本年度末で廃止する議案について、審査を付託された経済...

閉会後、議案に賛成した最大会派の議員からは「指摘はもっともなのですが…」との声が。道理のあるもっともなことを行う…これが議会の責任だと思うのですが…。誰に忖度しているのでしょうか…。


31番 改革ながの市民ネット 布目裕喜雄です。

議案第108号「長野市市民農園の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例」を可決すべきものとした経済文教委員会委員長報告に反対の立場で討論します。

議案第108号は、若槻地区所在の市民農園「サラダパーク蚊里田(かりた)」を本年度末で廃止する議案です。

サラダパーク蚊里田は、「農業に対する市民の理解を深め、都市との交流の機会を創造する」事業目的で展開されている市民農園事業の一つです。約9,240㎡の農地で、内7,350㎡の私所有の農地を賃借するとともに1,880㎡の市有地で構成され、駐車場や、管理棟、トイレが整備されています。現在76区画のすべてが利用されている好評の市民農園です。

今回の廃止議案は、農園の内、駐車場や管理棟を含む約5,300㎡について地権者が高齢のため土地を整理、処分したいとして返還を求めていることを理由に、本年度末で廃止し、施設等を撤去、原状復帰の上、地権者に返還しようとするものです。

現在の地権者は農地の売却に向け検討を進めているとされ、市からは、農地の権利移動後も農地として活用され、当分の間は開発行為に及ばないであろうとの認識が示されているところです。

土地の賃貸借期間は2022年度末(R5年3月末)で、期間に定めのある賃貸借契約における途中契約解除となるもので、公の市民サービスの継続に関わる契約解除には相当の理由が存在しなければなりません。

市では現在、12月18日までを期間として、公共施設再編のため「サラダパーク蚊里田」を含む市民農園の今後の在り方についてまとめられた公共施設個別施設計画案のパブリックコメントを実施中です。

個別施設計画案では当該事業について「賃借地の返還に合わせ廃止し解体する」とされている施設案件です。パブコメ=市民意見募集中の案件にもかかわらず、ハブコメが完了していない段階で当該施設の廃止を決めてしまう行為は、市の提案を追認するだけに繋がり、議会としての責任、議決責任が問われる重大な問題をはらんでいます。

そして、市行政にとっては、自らパブコメを形骸化させるものであり、市民の市政参画への権利を侵害するものといわなければなりません。

私は経済文教委員会で、3つの観点から問題点を提起し継続審査を提案しました。

一つは、市民の意見を傾聴し議会としての責任を果たすべきということです。

パブコメの途中における事業廃止の決定は、市民の意見に背を向けることとなり、議決責任を形骸化させることに繋がることです。議会には市民の意見をしっかり傾聴し、議決責任に真摯に向き合う姿勢こそが問われると考えるからです。

委員会では、急遽、委員長の判断で個別施設計画案のパブコメを所管する公共施設マネジメント推進課を招き、「同農園に関するパブコメ意見は12月6日現在で寄せられていない」旨の説明を受けることになりましたが、このことをもって市民意見はなく利用者等に理解されていると判断することにはなりません。

既に、指定管理者を通じ、閉園に向け耕作を継続しない旨、案内周知されていることから(このこと自体イレギュラーですが)、「事情はよく分からないが、廃止になるのなら仕方がない」との諦めの受け止めが広がっていることも意見提出のない背景の一つの要因かもしれません。だからと言って、パブコメ最中での施設廃止決定に道理があることにはなりません。

二つは、契約解除のプロセスの不透明性です。

公契約であるがゆえになおのこと、契約解除には相当の理由がなければならず、市曰く「つなぎ役」とされる第三者との協議に正当性があるのかという疑念です。地権者の親族と協議あるいは本人と郵送物により意思確認してきたとされていますが、実質的な協議は、公式な委任状のない第三者が代理人的行為を行っていること、第三者が土地の購入予定者であり利益相反の取引になりはしないかということ、少なくとも善意の第三者とならない問題が内包していると指摘せざるを得ません。

また、期間に定めのある賃貸借契約において、例えば「契約満了日の6カ月以前までに書面をもって申し出る」等の中途解約に関する条項が明確に規定されていない点も課題として残ります。

公契約であることに鑑み、より厳格な運用が問われるということです。行政行為には市民に対する説得力が不可欠でしょう。

三つは、市民から好評を得、事業目的が達成されている事業の継続にあたり、手を尽くしたのかということです。

私は、地権者の意向に沿い土地の返還がやむを得ないとしても、市が農地を所有する方法、新たな地権者と賃貸借契約を結ぶ、あるいは段階的な返還により事業を継続する方法の検討など、行政として市民サービスの継続に向け手を尽くしたのかといった問題が残っているのではないかということです。農地法の制限を踏まえつつ、農地として保全されることを大前提に、農業委員会を交え様々な方法が検討・熟考されることが重要だということです。

市ではこれまでにサラダパーク蚊里田の市民農園事業に、駐車場や管理棟、トイレの整備に3,900万円投入してきています。そして、これらの施設を解体し農地に復旧すたるためには約2,000万円の経費を必要としています。これまでの設備投資をゼロにするのではなく活かす手法がとことん考え尽くされるべきではないでしょうか。

以上のような三つの問題を指摘しつつ、少なくともパブコメの結果を見極める必要があることから、議案の継続審査を提案しました。

また、継続審査とすることで生まれる時間を、事業継続に向け、地権者及び契約解除の協議を担う第三者(土地の購入予定者で協議を委任された代理人ではありません。新たな予定地権者に過ぎません)との間で協議をさらに尽くすことも考えるべきと指摘してきたところです。

しかしながら、委員会では、「高齢である地権者の意向を重く受け止めざるを得ない。やむを得ない」とし、市行政の姿勢を追認する意見が出され、結果、委員長を除く9人の賛否は継続審査に賛成4人、反対が5人と賛成少数で否決され、条例議案も同数で可決すべきものとされました。

いわば、賛否両論が明白となった議案です。行政手続き・行政行為の重要なファクターである市民意見の募集中であるにもかかわらず、市民の意見の如何を見極めることなく当該施設の廃止を決めてしまう、議決責任を形骸化させてしまいかねない禍根を残したくはありません。

長きにわたり市民農園事業に協力をいただいてきた地権者の方には感謝の意を表したいと思います。地権者の意向を重く受け止めつつも、公のサービスに資する契約行為について、中途解約に関しては貸付人、借請人双方のより真摯で誠実な協議、オールオアナッシングではなく次善の策等の協議が求められていることを強調したいと考えます。

なお、残念ながら議案が可決された場合において、利用者の皆さんに代替地の提供等丁寧に行われるべきであることは言うまでもありません。

農業の担い手不足が深刻化する中、荒廃地を解消し、農と食への市民への関心を高めていく事業として市民農園事業が拡充されることを願いつつ反対討論といたします。

議案に賛成されようとしている議員の皆さん、もう一度、考え直しませんか。議決責任の重さを今一度問い直すことが重要です。

以上申し上げて討論を終わります。