参院選から3カ月の政治空白の末、衆参両院本会議で高市早苗首相が指名選出され、自民・維新の会の連立政権が発足しました。憲政史上初の女性首相とはいえ、「政治とカネ」をめぐる問題に蓋をし、維新サイドからの唐突な「連立の絶対条件」とされた国会議員定数の削減をはじめ、改憲・軍拡により舵を切ることを連立の条件とした高市・自維政権は強硬反動保守の極めて危険な政権にほかなりません。政治の信頼の回復は遠くになりにけり…、全面的に対峙していくことが問われます。
さて、10月19日に告示された長野市長選挙及び市議補欠選挙(定数2)は既に終盤戦を迎えます。社民党長野総支部としては幹事会で市長選挙及び市議補選について「自主投票」としています。
ただし、市議補選については選挙直前で篠原孝衆議院議員から社民党及び市議会会派「改革ネット」への協力要請を踏まえ、関ゆりか候補を応援する旨、党内、支持者の皆さんに周知を図っています。
長野市長選挙…荻原市政の継続ではなく転換を求めつつ「自主投票」
現職・荻原健司市長に対し、概ね「市政の転換」を訴える対立候補4人が立候補し5候補で争う構図です。すでに荻原候補の先行・優勢が報じられてはいますが、現荻原市政に批判的な候補の健闘を願っているところです。
社民党総支部は、前回2021年の市長選挙では、加藤市政を継承する荻原候補に対し、市政の転換・改革が必要であるとの認識に立ち、「自主投票」としたものの、事実上、対立候補の土屋氏を応援してきました。
荻原市長1期4年間の市政運営は、子どもの医療費の無料化をはじめ、子ども総合支援センター「あのえっと」の開設、不登校児童支援の「ササランド」の開設、子ども権利条例の制定など子育て支援策については一定の評価ができる一方、青木島遊園地の廃止問題に象徴されるように「住民本位の市政、市民が主役のまちづくり」という基本的視点が欠落した運営が大きな課題として指摘しなければなりません。市として18億円を投入支援する長野駅前の再開発ビルには、文化的拠点、公共空間の創設など、市民の声にこたえる柔軟な見直しが必要であると考えますし、地域の公共インフラである地域公共交通の維持・存続についても対処療法的な施策にとどまり、公設民営を含めた公共交通存続の抜本的な施策展開に後ろ向きと言わざるを得ません。物価高騰対策をはじめとする生活支援策や深刻化する気候変動に伴う災害対策の抜本的拡充が求められるところです。
余談ですが、地元安茂里小市の防災訓練で安茂里体育館で避難所開設訓練等を行ったのですが、避難所となる体育館のトイレは和式のまま。エアコン整備とともにトイレの洋式化は、被災者の権利と被災者支援の最低基準を定めた国際基準であるスフィア基準に照らして早急な対応が求められています。「スポーツを軸にした街づくり」を掲げる荻原市政の下で飯綱高原スキー場跡に天然芝サッカー場を新たに整備することになりましたが、億単位の税金は災害対策・被災者支援対策にこそ優先して使うべきだと考えます。
現荻原市政に対し、住民本位の市政、市民が主役のまちづくりへの転換が必要であるとの認識を共有しつつも、対立する陣営から推薦・支援の要請がないこと等から、市長選挙は「自主投票」としたものです。
因みに原ようこ市議が所属する会派「改革ながの市民ネット」も自主投票としています。なんだか足並みが揃ってはいないようですが…。
社民党としては自主投票なのですが、個人的には、ベテラン市議の経験を活かしバランス感覚を持ちながら市民が主役となる市政への転換を期して、野々村博美候補に頑張ってもらいたいと願うところです。あくまでも個人的所感としてですが。
市議補選…篠原孝衆議からの支援要請を受け「関ゆりか」さんを応援
市議補選には定数2に対し6人が立候補しています。自民・新友会系で2人(前回落選組)、共産1人(新)、維新1人(前回落選)、立民系無所属1人(新)、その他1人です。
選挙直前の17日に、篠原孝衆議院議員が白羽の矢を立て働きかけてきた「関ゆりか」さん(無所属・35歳・篠ノ井)の擁立がまとまり、社民党及び改革ながの市民ネットに支援要請がありました。「35歳、働く母、未来へ誇れる長野市へ」「小さな声を町の力に変えていく」を掲げての挑戦で、当選の暁には改革ネットに所属し活動を共にすることが確認されています。
こうした経過を踏まえ、党二役及び原市議と協議し、推薦・支持といった方針は示さず「自主投票」とするもの、長野市議会に女性を押し出し、会派「改革ネット」の影響力を強めていく観点から、「関ゆりか」さんを自主的に応援する方針を確認しました。すでに原市議は応援態勢に入っています。
関候補のfacebookのリンクは下記。旧姓の「小泉ゆりか」のページになります。お間違えなく…「関ゆりか」さんです。
関候補は神奈川県から長野市に移り住んで10年目。理学療法士として病院等に勤めながら、2人の子どもを育ててきました。今回の選挙では子育て世代への支援や医療福祉介護の充実などを訴えています。
市議補選は激戦です。布目として「関ゆりか」候補への支援・投票を呼びかけます。よろしくお願いいたします。