9月議会が閉会【最終2日間の顛末より】

9月市議会定例会は26日、新しい委員会所属などの議会人事を行い、閉会しました。

市提出のすべての議案を可決

25日には、18億5,800万円余を追加するH30年度一般会計補正予算をはじめ、4カ所の市立公民館を交流センターに移行させる条例など、市側から提出されたすべての議案を可決しました。

改革ネットでは、市側提出の議案には、「交流センターの設置及び管理に関する条例」を含め、すべて賛成しました。

LGBT=セクシュアル・マイノリティへの人権確立を求める請願、全員賛成で可決

「LGBTなど性の多様性を認め尊重する人権施策の実施を求める請願」は全員賛成で可決。請願は市長に送付され、その処理経過及び結果の報告を求めることになります。

従って、12月議会に報告される結果等を踏まえ、議会側のさらなる取り組みが求められることになります。

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9月市議会定例会に提出されていた「LGBTなど性の多様性を認め尊重する人権施策の実施に関する請願」は18日、議案として付託された総務委員会で...

米軍基地負担軽減を求める意見書を全員賛成で可決

長野地区護憲連合から提出された「全国知事会の『米軍基地負担に関する提言』の実現を求める請願も、全員賛成で、意見書を国に提出することになりました。

全国知事会の「米軍基地負担に関する提言」の実現を求める意見書

 請願は、7月に全国知事会が決定した「米軍基地負担に関する提言」を踏まえ、47都道府県の知事が、「各自治体住民の生活に直結する重要な問題」として、米軍基地負担の現状や改善すべき課題について共通理解を深め、米軍基地の負担軽減や日米地位協定の抜本的な見直し等に関する提言を決定したことを極めて重く受け止め、提言の実現を後押ししようとするものです。

米軍機による低空飛行訓練等について、国の責任で必要な実態調査を行うとともに、訓練ルートや訓練が行われる時期について速やかな事前情報提供を必ず行い、関係自治体や地域住民の不安を払拭した上で実施されるよう、十分な配慮を行うことや、日米地位協定を抜本的に見直し、航空法や環境法令などの国内法を原則として米軍にも適用させることなどを求める内容です。

紹介議員として全会一致での可決を呼びかけてきた案件の一つです。

実は、保守系最大会派=新友会の「全国知事会が既に決定いている事項だから、あえて市議会として意見書を出す必要はない」といった抵抗(?)を予想していたのですが(失礼!)、理解いただき、全会一致となりました。ありがとうございました。

また、「法曹人口政策の早期見直しに関する意見書」(賛成多数・公明反対)も可決しました。所属する改革ネットは賛成しました。

「厚生年金への地方議会議員の加入を求める意見書」に反対

25日に、新友会と公明党の議員有志が提案者となる「厚生年金への地方議会議員の加入を求める意見書(案)」が本会議に提出され、質疑・討論を経て、新友会(17人)と公明(5人)の賛成多数で可決してしまいました。

厚生年金への地方議会議員の加入を求める意見書

改革ネット(7人)、共産党(6人)、無所属(2人)が反対しました。反対15、賛成22です。

私は、提案者に対し、議員の厚生年金加入は議員の身分・処遇に関する問題で、真摯な議員間討議・会派間討議が不可欠であるが、一部有志議員の提案で全会一致を必要としないと判断した理由は何か、公費・税金を投入することについて市民の理解が得られると判断する根拠・理由は何かなどを質問しました。

提案者は「議員特権には当たらない」と強調しましたが、まさに「議員特権」でしょう。

5人の議員が反対討論に立ち、「議員のお手盛り」「税金が投入されることについて十分な市民理解が得られていない」「多くの議員が加入する国民年金制度の拡充こそ必要」「議員のなりて不足の解消にはつながらない」などと問題点を指摘しました。

賛成討論は無しです。市民に対する説明責任を果たさず、誠意さに欠ける対応といわなければなりません。

議員の厚生年金加入問題は、全国市議会議長会が各市議会に意見書の提出を働きかけているものですが、納得できるものではありません。 改めて問題点を整理し報告します。

公共品種を守るため種子法に代わる新たな立法を求める請願は否決に

生活クラブ生協から提出された「主要農作物種子法に代わる公共品種を守る新たな法律を作ることを求める意見書の提出を求める請願」及び「主要農作物種子条例の制定を求める意見書の提出を求める請願」はいずれも賛成少数で否決となってしまいました。

改革ネットはもちろん賛成しました。

千曲衛生施設組合における公費飲食費の補填を求める請願を否決

一部事務組合である千曲衛生施設組合議会の懇親会で、議員と理事者の飲食費の一部を公費で賄っていた問題で、市民から、地方自治法施行令の「誤払金」規定により公費の補填などを検討し、結果を公表することを千曲衛生事務組合に求め提出された請願は、賛成少数で否決となりました。

正式な請願名は「議員等特別職の飲食に費消された公費の補填を求める千曲衛生施設組合あて意見書の提出を求める請願」です。

請願審査を付託された福祉環境委員会は、千曲衛生施設組合議会に所属し懇親会に参加していた5人の委員が利害関係者として除斥(議事に参与できない)され、残る5人の委員での審査という、ある意味「異常な事態」の中での審査となりました。

質疑・討論の結果、賛成者なしで「不採択とすべきもの」と決し、本会議でも賛成少数で否決となりました。

福祉環境委員会に所属し審査に参加した私は、この問題の発覚以来、「議員の公費による飲食は適切ではなく、市民の理解を得られるものではないことから、真摯に反省し、道義的義務として自主返納の道を模索すべき」と考えてきました。

千曲衛生施設組合では「自主返納が可能である」との判断を一旦は示しながらも、弁護士の交代等を経て、「公費の支出に違法性はなく、返還の法的義務はない」との見解とともに、自主返納が公職選挙法で禁止する寄附行為に当たるおそれがあるとの法解釈を示し、自主返納の道が暗礁に乗りあげ、組合議会としても自主返納を断念せざるを得ないと判断してきた経過にあります。

今回の請願では、地方自治法施行令の「誤払金及び過年度収入」の規定に基づき、債務を弁済することは寄附行為にあたらないとの考えを示された点がポイントであると思います。

しかしながら、委員会の審査では、会計局から「誤払金とする判断はできない」とされたことから、概ね次のような意見を申し上げ、請願採択に賛成しませんでした。

委員長報告」に盛り込まれた私の意見部分から転載します。

「法の解釈を巡り異なる見解が示された経過がある中で、本委員会の議決としてはなじまない性格の請願なのではないか。適正な懇親会の在り方ではなかったという意味で道義的な責任はあると思うが、法的に自主返納が難しく、誤払金に認定することも困難を伴う中で、二度とこのようなことが起こらないように、議員、理事者それぞれが襟を正していくことがベターなのではないか」

意見の趣旨がまとめられたものです。

ベストの道は自主返納できることにあります。しかし、自主返納が困難な状況に鑑み、事前の善の策としてベターな考え方として発言したものです。

請願の紹介議員となった小泉一真議員からは、委員長報告への質疑において、私の発言趣旨に相当する部分で、「道義的責任はどのような方法で果たされるのか」「誤払金に認定することも困難が伴うとの認識は、間違っているのではないか」といった問題提起がありました。

私なりの認識と判断を示したものと受け止めていただきたいと思います。

懲罰動議を全員賛成で可決し、懲罰特別委員会を設置

最終日、前述の請願の採決における小泉一真議員の反対討論を巡り、共産・新友会・改革ネット・公明の代表者の連名発議で、「小泉一真議員に懲罰を科すことを求める動議」が提出され、小泉議員を除斥したうえで、議場に残る議員の全員賛成で可決しました。

懲罰動議提出の理由は、請願18号「議員等特別職の飲食に費消された公費の補填を求める千曲衛生施設組合あて意見書の提出を求める請願」の委員長報告に対する反対討論において、小泉一真議員から議会の品位を汚し、議員個人の名前を繰り返し出して侮辱する発言を行ったため」とされます。

共産党・野々村議員をはじめ、私の名前も幾度となく持ち出されています。

一部発言取り消しが議長職権で行われましたが、事実に反する発言をはじめ、挑発的で不快感を与え、議員としての品位と節度に欠けると思われる姿勢は改められるべきでしょう。

議会運営員会の委員で構成される「懲罰特別委員会」が設置され、委員長に小林義直議員(新友会)、副委員長に近藤満里議員(公明)を選出、閉会中継続審査とすることを決めました。

議会運営委員である私も所属することになりました。

「懲罰特別委員会」の設置は、長野市議会として26年ぶりだそうです。

かかる委員会の設置は、極めて残念な顛末です。

長野市議会の正常化、規律と品位ある議会運営という観点から、真摯に検討に臨みたいと考えます。

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