9月議会…新たに正副議長を選出し閉会

安倍首相が28日招集の臨時国会冒頭の解散・総選挙を宣言、その直前には小池都知事が「希望の党」設立を宣言するなど、いよいよ総選挙モードとなる26日、長野市議会9月定例会が閉会しました。

ポイントの報告です。

議案はすべて可決

長野市議会9月定例会は25日、市側から提出された24億2,900万円を追加するH29年度一般会計補正予算案や、複数のいじめ重大事態事案に対応するため第三者委員会の臨時委員を委嘱し部会を設置できるようにするいじめ問題対策連絡協議会等条例の一部改正案など22の議案をすべて原案通り可決、26日には正副議長をはじめとする新たな議会人事を行いました。

私は、市提出の議案には賛成しました。

マイナンバーカードによる証明書コンビニ交付の効果は要チェック

しかし、要チェックの事柄があります。

補正予算案に、証明書等コンビニ交付サービスに住民票や戸籍証明書や税証明書を加えるために必要なシステム構築経費3,300万円余が追加計上されていることです。
確かに証明書等のコンビニ交付は、本庁や支所にでかける手間がなく便利ですが、マイナンバーカードが必須となります。
マイナンバーカードの交付率は未だ8%未満で、この低い交付率はマイナンバーカードへの信頼度が確立されていないことに要因があります。マイナンバー制度には疑問を持っている一人です。

証明書等のコンビニ交付には約1億円かけることになりますが(既に5000万円を投資)、市民サービスの向上・利便性と費用対効果の視点から今後の成り行きをしっかりチェックすることが必要だと考えます。

経済文教委員長として、小中学校へのエアコン早期完備を強く要望

今議会で教育委員会は、小中学校へのエアコン整備に40億円超の経費が必要との試算を初めて示しました。

委員長を務める経済文教委員会では、市教委からPFI事業(民間資金の活用)等でエアコン整備を進めた京都市や神戸市、松山市など7市の事例から、一台当たり約270万円(電気施設工事等を含む)、小中学校全室1600室分で試算したもので、単純計算で約43億円という数字が示されました。

40億円を超える経費がかかろうとも、児童生徒の体調管理や学習環境の整備を考えると「実施が急がれる事業」であり、「小中学校へのエアコンの完全設置に向けて早期に検討を進めるよう」要望したものです。

経費を圧縮できる事業手法など広く検討することは必要ですが、間を置かず、少なくとも2年間くらいのスパンで完全設置できるような計画をまとめるよう、引き続き実現に向けて取り組みたいと思います。

核兵器禁止条約への参加を求める請願は否決に

長野地区原水禁から提出され、紹介議員になった「核兵器禁止条約への参加を求める請願」は賛成少数で否決となりました。

核兵器禁止条約は国連で122ヵ国の圧倒的な賛成により7月7日採択された国際条約で、核兵器は非人道的で違法なものであると明示し、加盟国に核兵器の開発、保有、実験、使用だけでなく、核兵器を使用すると威嚇する行為も禁じるものです。

国連の場でこの条約が出来るまで70年以上の時間がかかったという事実が、核廃絶の難しさを現しています。9月20日から署名が開始され、発効基準の50ヵ国の参加を経て、核兵器時代を終わらせるための原則、約束、仕組みをこの条約が提供することになります。

広島・長崎の被爆者の訴えが成立を後押ししたもので、条約の前文には「ヒバクシャの苦難に留意する」との文言が盛り込まれました。

県内で、被爆者の会の皆さんが取り組んでいる「核兵器廃絶国際署名」には、県知事をはじめ、長野市長を含む全77市町村長が署名しています。

署名の趣旨は「被爆者は、速やかな核兵器廃絶を願い、核兵器を禁止し廃絶する条約を結ぶことを、すべての国に求めます。

しかし、唯一の戦争被爆国である日本は、この条約の交渉会議にすら参加していません。人道的見地から核兵器の開発・使用を禁じる条約に参加することは、被爆国としての責務です。アメリカの核の傘における核抑止論に立つ日本の姿勢は、認められません。

長野市議会として、人道性に基づく良心を示したいと願いましたが、叶いませんでした。
否決に対する反対討論は、改革ネットとして鈴木洋一議員が行いました。

また、共謀罪を新設した組織犯罪処罰法の即時廃止を求める請願や安保法制の廃止を求める請願などは、いずれも賛成少数で否決となりました。残念な結果です。

「健康長寿をめざし、市行政、市議会が食に対する意識啓発に積極的に取り組むことを求める請願」には賛同せず

健康長寿を目指し食に対する意識啓発を進めることには全く異論はありませんが、公明系の団体から提出された、この請願は、「サキベジ」[先(サキ)に野菜(ベジタブル)を食べる]の推進を趣旨とするもので、サキベジの医療的効果が科学的に確立されていないことから、賛同しかねるという立場で反対しました。

「サキベジ」は「食前野菜療法」とされる長野市発祥の運動です。全国的にも注目されてはいます。市長も推進役を買って出ています。
私自身もダイエットを考え野菜を先に食べることに心掛けている一人ですが、まず野菜を10分間食べるとされるサキベジの効果は科学的に立証されていません。

確かに、食物繊維が豊富な野菜を摂取することで血糖値の改善が期待されるとされていますが、食物繊維は人間の体にとって栄養源として利用されることがないことからデメリットも指摘されています。

「穀物由来の食物繊維を中心に摂取を促すことは妥当と思われるが、食物繊維と病態の改善については、なお、研究・検討が必要」とされています。

長野市保健所では、低栄養になりがちな高齢者の健康増進のためには、たんぱく質の摂取を推奨しています。

要はバランスが大事ということです。

改革ネットとしては、市民の健康に関わることから、総合的にさらに検討が必要との立場で「継続審査」を提案・主張しましたが叶わず、新友会と公明の賛成多数で採択されました。

請願採択により、市としての対応結果が議会に報告されることになります。12月議会の市の対応報告に注目したいと考えます。

正副議長選挙

慣例の任期により、正副議長選挙が行われました。長野市議会では、議会活性化の観点から、選挙に先立ち「所信表明会」を催し、市議会の在り方や議会活性化に向けた候補者の所信を聴いたうえで選挙する方法を取り入れています。

議長選挙には改革ネットから松木茂盛議員が立候補し、新友会の小林治春議員(戸隠)と争いましたが、14票(改革ネット6・共産6・無所属2):22票(新友会17・公明5)で小林議員が選ばれました。

小林議長の所信からは、議会活性化の具体案を聴くことはできませんでした。

副議長選挙には、共産の阿部孝二議員と公明の小林秀子議員が立候補、13票(共産6・改革ネット6・無所属1):23票(新友会17・公明5・無所属1)で、小林議員が選ばれました。

タッグを組む新友会と公明の数の壁を打ち破ることは容易ではありません。

私としては、中立・公正な議会運営を図る観点から、県議会のように議長は第一会派、副議長は第二会派から選出する新たなルールを作りたいのですが、ハードルは高いです。

新たな委員会所属

議会人事により、私は常任委員会では福祉環境委員会と議会運営委員会に所属するとともに、特別委員会は新たに設置された「小中学校の在り方調査研究特別委員会」に所属することになりました。

また、引き続き、都市計画審議会委員、議会活性化検討委員会委員などを務めます。

特に、“まとめ役”となる正副委員長のポストには就かず(就けず?)、自由に発言・提言できるスタンスでこれから1年間に臨みたいと思います。