長野県私鉄協力議員団会議…公共交通の利用促進策を考える

8月も既に後半に…。不安定な気象が続きますがご自愛ください。

1週間ぶりのブログ更新は、3週間以上前の話題となります。
テークノートしておきたいため、まとめました。

市政を巡る課題、市長選挙の動向、会派視察の報告、9月議会のポイントと質問準備など、なかなかブログ更新できずにいます。ご容赦ください。


7月31日、私鉄協力議員団会議を長野市内で開き、公共交通政策の課題等について研修、意見交換を行いました。

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私鉄協力議員団会議は県下の地域における交通政策の推進を図るため、県内の民間交通事業者8社の労働組合でつくる私鉄県連の各単組が推薦・支持する自治体議員を中心に組織する会で、県議5人、市議11人、町村議2人が登録されています。超党派です。

私が私鉄組織内議員として団長を務めています。

この日は、自治体議員13人、単組の代表23人が集まりました。

メインは、特定非営利活動法人SCOP(松本市)の主任研究員・富樫慎氏の「地域公共交通を取り巻く状況と利用促進の実践」をテーマにした講演です。

SCOPは、長野県や松本市の交通政策をはじめ、長野市の地域公共交通網形成計画の策定も担当しているコンサルタントです。

県の交通政策課からは、丸山幸一課長補佐に出席いただき、「県の交通政策の今」を報告提起してもらいました。

SCOP富樫氏の問題提起より

パワーポイント資料からの抜粋を交えてポイントを報告。

富樫氏は、「長野県民は極めて強くマイカーに依存している」ことを共通認識とした上で、「公共交通の利用促進は必ずできる!(条件によって効果は大きく異なるが)」と強調しました。

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まずは、交通政策基本法、改正・地域公共交通活性化再生法、地域公共交通確保維持改善事業(国交省)など国の政策・業界の動向を知ることが重要と指摘します。

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そのうえで、➊強制力(≒マイカー利用の抑止力)、➋経済性(公共交通の方がマイカーより安い)、➌利便性、➍公共交通への理解・意識、4つの条件から公共交通への利用転換・利用促進を考えることが必要としました。

★マイカー所有・維持にかかる費用と公共交通
1500CCの普通車と軽自動車1台を所有する平均的な世帯で、車両本体購入から下取りまで(5年間分)にかかる費用として燃料、保険、税金、消耗品(タイヤ・オイルなど)をすべて合計して月平均費用(勤務先から支給される通勤手当も加味)は世帯当たりで月額約9万円、年額で約110万円と試算。
公共交通を利用した生活というのは、経済的な面からも十二分に成り立つのではないかと指摘。

さらに、「長野県という“器”で考える」ことが有効とし、公共交通の利用促進は大きな働きかけが大きなリターンを生む、県という組織力を活かすこと、裏返して、県が果たすべき役割も強調しました。

また、公共交通のサービス水準に基づき、3つの地域区分が考えられるとし、

A=マイカー利用者層を無理なく転換させられる地域
B=マイカー利用者層をどうにか転換させられる地域
C=マイカー利用者層は諦め、交通不便者層限定で転換させられる地域

の区分と、利用促進の方向性を示し、モビリティ・マネジメントの重要性を指摘します。

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★モビリティ・マネジメント
一人ひとりのモビリティ(移動)や個々の組織・地域のモビリティ(移動状況)が、社会にも湖心にも望ましい方向に自派差的に変化することを促すコミュニケーションを中心とした多様な交通施策を活用した持続的な一連の取り組み【日本モビリティ・マネジメント会議による定義】
「過度に自動車に頼る状態」から「公共交通や徒歩などを含めた多様な交通手段を適度利用する状態」へ少しずつ変えていく取り組み【国交省モビリティ・マネジメントのパンフ】

高校生と高齢者をターゲットとした実践事例は興味深いものでした。

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県からの報告と地域レポート

また、県からは、今年度からスタートした「地域における移動手段の確保・補完に関する検討会」における「生活交通部会」と「観光交通部会」の検討の方向性と、地域公共交通に関する市町村アンケート調査での特徴的な意見(速報版)などを報告してもらいました。

研修会では、広域連携を考える視点から「南信州広域連合の取り組み」(信南交通労組)、ライドシェアの問題点と貨客混載の動向(私鉄県連)についてもレポートしてもらい、私からは「長野市地域公共交通網形成計画と利用促進について」を簡単にレポートしました。

貨客混載では、宮崎県の宮崎交通のヤマト運輸と連携した取り組みを概観し、長電が検討する飯綱線におけるヤマト運輸との連携による貨客混載の課題を考えました。交通と運輸の連携はWINWINの関係になれば効果を挙げられると思います。これからの交通政策の課題の一つです。

➡「長野市地域公共交通網形成計画と利用促進について」(PDF版)

生活の社会基盤として公共交通の維持・活性化は待ったなしの課題です。
私自身はまちづくりの最重要課題の一つと位置付けています。公共交通を軸としたまちづくりです。

国や県の動向を押さえつつ、それぞれの地域の特性を踏まえながら、交通政策の全体的な前進に資することができればと考えます。

なお、この日の協力議員団会議では、私鉄総連が呼びかけている「自治体議員懇談会」(交通政策の実現に向けた組織外議員を含めた全国懇談会で地連ごとに組織化)への参加について、県議・市議から代表者を登録することを確認しました。