「共謀罪」法案は廃案に!

「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織的犯罪処罰法改正案を審議する参院法務委員会は、野党から秋野公造委員長(公明党)の解任決議案が参院に提出されたことで中止となりました。

しかし、安倍政権は早期の可決を画策しています。

6月18日の国会会期末を見据え、あらゆる手段を講じて、廃案に追い込みたいものです。


衆院での審議では、これまでの政府の説明と明らかに矛盾する答弁がいくつも飛び出しました。

◆「一般人は捜査対象にならない」と繰り返す金田法相に対し、盛山正仁法務副大臣は「対象にならないことはない」と打ち消し。

◆「『一般の方々』とは組織的犯罪集団と関わりがない人々」との法相の答弁、「一般人」の範囲が極めて限定的・恣意的で、単に「組織的犯罪集団に所属していない人」程度の意味しか持っていないことが明らかに。

◆過去の「共謀罪」法案との比較に関して林刑事局長が「限定した適用対象の範囲は同じ」と明言し、一般市民も対象になることを認め、批判を浴び3度も廃案になった過去の法案と実態は何ら変わらないことを容認。

◆さらに「準備行為」がなくても任意捜査は可能と明言。恣意的な捜査の歯止めは何もないことも明らかに。

すなわち、一億総監視社会に道を開き民主主義を窒息させかねない「共謀罪」法案の危険な本質が改めて浮き彫りになっているということでしょう。

世論調査では、政府による「共謀罪」への説明が不十分とする国民が8割近くに上っています。

実行された犯罪を処罰する日本の刑法原則を根本から覆し、国民の思想・信条の自由や表現の自由を侵害する恐れが強いことに、国民の不安や懸念が増大していることの反映です。

また、国連のプライバシー権に関する特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏からも、今回の法案について、「計画」や「準備行為」の文言が抽象的であり恣意的な適用のおそれがあること、対象となる犯罪が幅広くテロリズムや組織犯罪と無関係のものを含んでいること、いかなる行為が処罰の対象となるかが不明確であり刑罰法規の明確性の原則に照らして問題があることなどの指摘があり、プライバシーや表現の自由を制約するおそれがあるとの懸念を示す書簡が安倍首相宛てに送付されています。


日弁連は、衆院での強行可決に対する会長声明の中で次のように述べています。

「計画(共謀)よりも前の段階から尾行や監視が可能となることが明らかになった。また、対象となる277の罪の中には、例えば、楽譜のコピー(著作権法違反)等の組織犯罪やテロ犯罪とは無関係の犯罪が含まれている。さらに、組織的威力業務妨害罪が対象犯罪とされていることにより、マンション建設反対の座込みが処罰対象となる可能性がある。これらの場合には、「組織的犯罪集団」がテロ組織や暴力団等に限定されず、市民団体等も対象となり、したがって、一般市民も捜査の対象となり得るという懸念は払拭できず、問題点は解消されるに至っていない」

そして、「監視社会化を招き、市民の人権や自由を広く侵害するおそれが強い本法案が廃案となることを求める」としています。

日弁連作成のチラシより

日弁連作成のチラシより


「ストップ!共謀罪」6月10日(土)13:30から南千歳公園で集会とデモを計画しています。

また、参院法務委員会が予定される13日と15日の夕方、JR長野駅前で街頭宣伝・デモ行進も行います。

息が詰まる「監視国家」としないために、一緒に声をあげましょう!

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