総務委員会…球技場改修で財政見通しや市民合意を質す

 19日に開かれた市議会総務委員会で、所管する財政部や企画政策部の審査において、サッカースタジアム改修事業費の80億円の圧縮、今後の財政の見通し、さらに市民の合意形成について質しました。

◆80億円は適正な積算に基づくものか
 新斎場の建設を巡り、財政推計で見込まれた事業費が本体工事費分だけで1.5倍にも膨れ上がってきたことを改めて指摘、また、サッカースタジアム改修費の積算等を調査した(株)KRCの “手抜き”報告の経験から、80億円の事業費見積もりは本当に適正なのか、設計・施工一体のプロポーザル契約で事業費が増大することはないのか、事業費積算への信頼度を質しました。
 財政部長は、担当課において事業費積算に甘さがあったことを反省するとともに、財政部として適正な積算を行うよう内部指導を強めるとした上で、サッカースタジアム改修事業費は「80億円を限度してプロポーザル方式で工事契約を進めることから、さらに拡大するとは考えていない。事業費の圧縮にさらに努める」としました。
しかしながら、逆にそもそも80億円が過大に見積もられているのではとの疑念を晴らす答弁とはなっていません。積算根拠は行政側から提示された資料や情報から、読み取ることができないからです。
 事業計画書は国に提出され認められていることから、積算に甘さがないと信じたいのですが…。

◆今後の新規事業や、福祉や教育へのしわ寄せはないのか
 一般質問でも取り上げた問題点です。新交通システムの導入や公共施設白書で明らかとなる施設の膨大な維持管理費を見据えたとき、新規の事業展開や福祉・教育への投資が抑制されることはないのかを改めて質しました。
 財政部長は、「今後の新規事業はスクラップ・アンド・ビルドが必要。事業の見直しを通じて必要な事業展開を考えることになる」と述べるとともに、「『社会保障や教育環境の充実は、特に重要な課題であると認識、今後とも一定のサービス水準を確保しつつ必要な投資を行う』との市長答弁の通り」と答弁。
 これに対し私は、「例えば、新交通システムの導入など公共交通網の整備はスクラップ・アンド・ビルドといった発想で単純に進められるものではない。少子高齢化の進展のもと、市民の足を確保するサービスの低下につながってはならない」と強調するとともに、本会議で財政部長が「社会保障経費について見直すべきところは見直す」と答弁していることにに触れ、「厳しい財政が福祉や教育にしわ寄せとならないよう」クギを刺しました。

◆「パルセイロと共催の意見交換・情報交換会を10月中に開く」と答弁
 本会議で示されたパルセイロとの共催による市民との意見・情報交換会については、「10月中に市内で開催できるようパルセイロ側と調整中」としました。時間や場所は未定ですが、市側が事業費の財源や市の財政への影響を説明し、パルセイロ側が経営の見通しなどを説明する場にしたいとの考えです。
 さらに、「今後もスタジアム改修の内容が固まった場合などに随時、意見交換の場を設ける」方向性を示しました。
 私からは、パルセイロとの共催の意見交換会はより充実させて開催することを求めるとともに、市民に対しスタジアム改修に関する情報開示と説明を尽くし、市民合意の形成に資することを強く求めました。

◆「80億円の費用対効果を検証したのか」との厳しい意見も…
 市民の方からメールをいただきました。「80億円という改修費の費用対効果を検証したのですか?そこから、スタートするべきではないですか?なぜ、市民の多くに情報が提供されない中で、議論のみが先行しているのですか?改修要望の署名が8万人集まったそうですが、なら、その人達に80億円を按分して、負担してもらったください。パルセイロの選手に、長野市出身者が何人いるのですか?市民の血税を拠出することに、大儀がありません。 野球やバレーボール、水泳、柔道etc、それらに一生懸命取り組んでいる彼・彼女らには支援がどの程度あるのですか?なぜ、サッカーだけなのですか?市民会館以上に、理解できません」といった内容です。
 もっともな指摘が含まれていることは事実です。

 議会としての議決責任・説明責任が鋭く問われます。

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