12月議会代表質問より➑…放課後子ども総合プランの充実を質す

小学生を対象に放課後の安全・安心な居場所を確保するため、児童館・児童センター、学校施設を利用する子どもプラザが運営されています。施設運営は市社会福祉協議会や企業組合労協ながのなどに事業委託され、地域ごとに設置されている運営委員会との連携のもと、54全小学校区に設置されています。

H30年4月から、児童センター・子どもプラザの質の向上、サービス内容の均質化・平準化を図る目的で、児童1人あたり月額2,000円の利用者負担が導入され、今日に至っています。

児童センター・子どもプラザの運営…新たな法人設立の検討に

しかしながら、地域が主体となって受託事業者と連携し放課後の児童を見守ってきた事業の規模が拡大し、支援員の専門性も増す中、地域福祉を担うボランティア的関りを主軸とする事業スキームには限界があり、また主たる受託者である市社協としての対応が困難になりつつあることから、放課後子ども総合プラン事業の運営体制を見直す検討が進んでいます。

運営体制の在り方を検討するため、放課後子ども総合プラン推進委員会のもとに検討小委員会がつくられ、昨年10月には中間報告書がまとめられ、今年度中に最終報告される段階を迎えています。

中間報告では、長野市版放課後子ども総合プランを市として持続可能な事業として充実させること、福祉的意義と教育的意義を両立させることを基本姿勢とし、安全・安心な居場所であることを大前提に、➊個々の児童に応じた支援、➋多様な体験・学びの提供、➌小学校・関係機関とのさらなる連携、➍サービスを維持・向上できる運営体制を目指す姿とする考えを再整理し、市がより積極的に事業全体をマネジメントできる運営体制として新たな専門の事業主体=法人を設立し、人材確保を図ることが必要であるとします。人材確保の重要なポイントは、優秀な人材を確保できる雇用条件と勤務体制の柔軟さ・多様な働き方にあると強調します。

新たな専門法人設立は是とするが、人材確保が最大の課題

私は、共働き世帯の増加等で需要が高まる放課後の子どもの安全・安心な居場所を確保し続けるために、市が主体的かつ包括的に関与できる新たな事業体を設置する方向性は是としたいと考えています。

放課後の居場所として、子どもの多様な発達に応じ見守り、育ちを支援していくには、より専門的な人材確保が欠かせません。支援員を職業にできる人材確保のためには処遇改善が抜本的に行われなければなりません。

また、中間報告では、事業コストと利用者負担の適正化も強調されているのですが、子育て支援を充実させ、子育て世帯の経済的負担を軽減する観点から、利用者負担の無償化の大胆な投資も必要であると考えています。

人材確保の考えや、事業の無償化、狭隘な児童センターの施設改善などを質しました。答弁はこども未来部長です。

子育て支援を最重視する荻原市長の新たな政策判断に期待しつつ再提案を含め質問しましたが、答弁はコスト論、負担の公平論に終始する感が否めません。

専門的人材確保へ、抜本的な雇用改善を

放課後子ども総合プラン事業の運営体制の見直しの最大の課題は、子どもファーストで運営できる人材の確保であり、質の向上にある。中間報告では明石市の事例から職業的職員の配置などは見習いたいとしつつも、時給1,200円、本市の1.4倍(長野市は880円)となる雇用条件は困難として簡単に退けている。しかし、こうした発想では、求められる質の確保はできない。福祉的な意義と教育的な意義を両立させようとするのであれば、より職員の多様な専門性が求められることになる。子ども第一で居場所の環境の充実を図るために、発想の転換を求めたい。見解を問う。

こども未来部長…運営体制の在り方検討小委員会において明石市と本市との比較を行った。明石市とは登録児童数や支援員数、利用者負担など条件が大きく違っており、そのまま同様の体制を整備することは難しいと考えている。運営体制の見直しにあたり、どのように人材を確保できる体制を構築するかが最も重要な課題であると考えている。雇用条件の検討には、単に時給単価のみではなく様々な要素がある。例えば、職業的職員の採用や、扶養の範囲内でパート的な働き方を保障する柔軟な勤務体系のほか、経験年数に応じた賃金などが考えられる。これらについて小委員会で議論いただき、今後の人材確保に向け参考にしていく。

利用者負担…無償化を改めて提案

運営体制の在り方検討の中間報告の『付帯意見』では「利用者負担額の検討が必要」とされ、利用料金の引き上げが示唆されている。プランの有料化に反対してきているが、この際、無償化とし、放課後の居場所に投資することを改めて提案する。いかがか。

こども未来部長…本事業を持続的、安定的に運営していくためには、適正な利用者負担をお願いしていく必要がある。公的支援により保護者負担を軽減することは、対象が全体に及ぶ場合においては有効な施策となることもあるが、本事業のように一部の人に受益がもたらされる事業では、受益者に一定の負担をしてもらい、持続可能な事業として成り立たせていくことも、公平な税負担に基づく健全な社会の1つの姿であると考えている。市としては、一定の利用者負担をお願いする中で、持続的、安定的な運営に向け運営体制の見直しの検討を進めるとともに、利用者負担に理解いただけるよう、ソフト・ハード両面からの充実に努めていく。

設置基準満たさぬ施設…増改築で環境整備を

支援員の皆さんの処遇改善と増員も重要な課題。少なくとも最低賃金の引き上げを勘案した処遇改善が必要だ。また、設置基準を満たしていない篠ノ井中央、古牧、古里の児童センターについては、すし詰め状態が続き、学校施設等の活用にも限界があることから、児童数の推移を見極めつつも、5年、10年スパンで隣接する仮設施設による環境整備を図るべき。いかがか。

篠ノ井中央児童センター

遊戯室でおやつ

こども未来部長…議員の指摘のとおり、今年の10月から長野県の最低賃金が時間額877円に引き上げられた。現在、受託事業者である長野市社会福祉協議会の補助員の時給単価が880円で、ほぼ最低賃金と変わらない状況となっている。こうした状況を十分に勘案し、人材の維持確保に向け、職員の処遇改善について受託事業者と十分に連携し対応を協議していく。

基準面積を満たしていない施設については、早急に、教室、居室の確保に向けた取組が必要であると考えている。まずは、小学校施設を利用した子どもプラザへの児童の移動による過密解消に取り組んでいるところ。篠ノ井中央児童センターについては来年度から2年生の半分を、通年、子どもプラザに移し、過密状況の緩和を図る予定としている。また、古里児童センターについても、学校及び施設と調整を始めている。引き続き教室の確保についての協議や確保した教室の環境整備を進めていく。あわせて、児童数の減少が見込めず新たな教室の利用も見込めない場合については、将来的な児童数を見込みながら、最低限の増改築も含めて対策を検討していきたい。