コロナ禍の憲法記念日

5月3日は74回目の憲法記念日。昨年に続きコロナ禍での憲法記念日です。

午前中には、信州護憲ネット主催の第30回憲法講座がZoom併用で催され、リアル参加しました。

憲法講座は、「コロナ禍と<女性不況>が照らし出した憲法の意味」と題して、和光大学名誉教授でジャーナリストの竹信三恵子さんがZoomで講演。

竹信さんは、女性のためのコロナ相談会の取り組みから、仕事や心とからだ、家庭・家族、ハラスメント・いじめや食事、住まいの相談が多く、「非正規労働者に対する公的セーフティーネットの不備」が課題と指摘。その背景には「『夫=セーフティーネット』という歪んだ認識があり、休業・時短によるシフト減らしで賃金が減少し、家に戻って節約主婦を選択する、『働き止め』が進んでいる」とコロナ禍における女性を取り巻く雇用環境の厳しさを強調しながら、「憲法9条は、戦争のために人々の生活を犠牲にさせない防壁。9条を生存と自由と平等から考えること、9条を守るには差別と格差、貧困をなくすほかの条文を活かす活動と合わせて行うことが必要。護憲から活憲の運動が重要」と訴えました。

昼には、県憲法擁護連合(護憲連合)で街頭宣伝をトィーゴ広場前で実施、9条改憲NO!憲法を平和と暮らしに活かそうとアピールしました。改憲手続法である国民投票法改正案の問題についても、CM規制や最低投票率の規定など抜本改正に向け審議・検討を尽くすべきと訴えました。

右翼団体の皆さんが、はるばる関東から来長。喧噪なる妨害に抗しながらの街頭行動となりました…。

憲法25条は「生存権、国の社会的使命」として「1.すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」「2.国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と定めています。

新型コロナウイルスの本格的な感染拡大から1年余り…PCR検査にしろワクチン接種にしろ、先進国といわれる国々のなかで最低のランクにある日本の現状は、憲法が求める「国の社会的使命」を果たしているとは到底いえません。

それだけではありません。自民党を中心に、コロナ禍に対する「緊急事態宣言」では法的強制に制約があるとして、それをを可能にする「緊急事態条項」導入の改憲論と結びつける主張が増幅しています。

我が国の最高法規である日本国憲法…守り活かしたいのは9条だけではありません。幸福追求権、生存権を活かすこと、国に憲法が定める使命を果たさせることが極めて重要な局面です。

憲法の理念と現実との乖離を直視し、現実を理念に向かって変えていくこと、憲法の在り方を「活憲」に向かって考え行動したいものです。

憲法第11条

国民は、すべての基本的人権の享有(きょうゆう)を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

憲法第13条

すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

憲法第14条

すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

華族その他の貴族の制度は、これを認めない。

憲法第25条

すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

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