持続可能な公共交通ネットワークの構築に向け、私鉄協力議員団会議で研修会

7月26日午後、私鉄長野県連の協力議員団会議を開き、長野県の交通政策の現状と課題をはじめ、松本市のノーマイカーデーの取り組み、佐久市における運転手不足による路線バスの減便や廃止の動向と対策等について研修しあいました。

私が挨拶してるところです。参院選で「もりやたかし」組織内国会議員が実現しました。私鉄総連の私鉄政策推進国会議員懇談会のメンバーでもある杉尾秀哉参議院議員から連帯の挨拶をいただきました。

私鉄協力議員団会議は、県内の私鉄労働組合の推薦を受け、それぞれの地域事情に応じ公共交通政策の課題解決に向け尽力をいただく議員の集まりで、7人の県議、16人の市町村議で構成されています。

私は、私鉄組織内議員として団長を務めています。

この日はまず、県企画振興部交通政策課の企画幹兼課長補佐の丸山幸一さんから「長野県の地域公共交通の現状と課題」について報告を受けました。

県では、「持続可能な公共交通ネットワークの構築」を課題とし、今年度から「地域公共交通最適化サポート事業」を始めています。この事業は、既存施策と新たな交通手段を組み合わせて、交通の最適化を図るためのカルテを作成するもので、北信、南信州、木曽の3地域振興局単位で進めるものです。来年度以降、地域を拡大する予定とされています。

作成したカルテに基づき、バス路線の再編補助も人口減少に対応した公共交通への転換、新たなモビリティ導入補助を検討するとしています。

公共交通は一自治体単独で解決できるものでありません。特に市町村を跨ぐ高速・特急バスや地域間幹線系統バスなどが交通ネットワークの重要なカギの一つになっていることから、広域で公共交通の在り方を再検討・再構築しようとする問題意識は評価しますし、共有したいと思います。

広域交通拠点、病院や高校、商業施設等との接続、タクシーの活用、貨客混載の導入などをカルテ作成の視点とするとされているものですが、中山間地域・過疎地域・公共交通空白地域における公共交通ネットワークの再構築の視点も欠かせないと考えます。

成果に注視したいと考えます。

また、Suicaなどの全国共通の交通系ICカードの導入については、JR東日本がSuicaと地域交通ICカード(例えば「くるる」)の機能を併せ持つ「地域連携ICカード」の導入を2021年春の提供開始に向け検討していることを踏まえながら、県内への導入を考えていきたいとしました。

JR東日本では、岩田県盛岡市の中心市街地循環バス「でんでんむし」で、気仙沼線BRTと大船渡線BRTで導入している「odeca」カードを導入し「Suica」との共通利用を図る実証実験を今年の夏から2021年3月までの期間で行うようです。地域連携交通ICカードの実用化に向けた実証実験となるもので、注目です。できれば視察に行きたいものです。

さらに、丸山企画幹からは、ICTを活用した交通ネットワークづくりに向け、「MaaS=Mobility as a Service」の活用による南佐久地域での実証事業や、統一QR「JPQR」の普及事業などが紹介されました。

➡MaaS は、ICT を活用して交通をクラウド化し、公共交通か否か、またその運営主体にかかわらず、マイカー以外のすべての交通手段によるモビリティ(移動)を 1つのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ 新たな「移動」の概念である。利用者はスマートフォンのアプリを用いて、交通手段やルートを検索、利用し、運賃等の決済を行う例が多いとされる。

今年、伊豆で、東急電鉄とJR東日本が連携し、観光型MaaSの実証実験が行われています。

国交省が進める交通分野のICT化は、インバウンド・外国観光客向けのサービスにウェイトがおかれているものです。県でも観光インバウンドの面から交通のICT化を重点化してきています。

長野市・松本市におけるスマホを使ったバスロケーションシステムの導入もICT化の一環といえますが、生活交通における利便性の確保が重点です。

モビリティ全体のICT化は、時代の流れとしては理解するものの、基本的にスマホを活用することから、地方都市における高齢者のスマホ保有率などの現状も踏まえ、課題解決の道筋を図るべきと考えます。

また、事例報告では、松本市の田口輝子市議から「松本市におけるノーマイカーでの取り組み」、佐久市の小林貴幸市議と千曲バス労組から「運転手不足による路線バスの減便・休止・廃止の問題」が指摘されました。

千曲バスでは、運転手不足から、収益性の高い貸し切りバスの運転手を路線バスに回すことで路線バスの維持を図ってきているが、収支が悪化する悪循環となり、経営的には限界とされる中で、路線バス44路線について、減便・休止・廃止の案が関係自治体に投げかけられています。

この問題は、千曲バスだけの問題ではありません。運転手不足の解決する国の政策誘導、財政支援がない限り、問題を解決することはできないと考えます。

地域公共交通絵をめぐる課題は山積しています。

私鉄協力議員の皆さんと連携を図りながら、県内の持続可能な公共交通ネットワークの構築に向け、尽力したいと思います。