9月市議会…一般質問の論点と私の質問

 7日から始まっていた本会議における一般質問が今日9日で終わりました。
 週明け、常任委員会での付託議案の審査に移ります。

9月市議会・一般質問での論点

 一般質問では、多くの課題が取り上げられましたが、人口減少対策、台風豪雨災害を受けての防災対策の強化、公共施設マネジメント、国交付金の申請漏れや建設工事における積算誤り、地域公共交通の活性化、子育て支援、子どもの貧困対策、放課後子ども総合プランの利用者負担の導入、合併の検証と今後の対応、ふるさと納税のあり方と活用、中山間地域の振興、農業振興計画の現状と課題、新学習指導要領で打ち出されるアクティブ・ラーニングの手法の活かし方、鬼無里地区における小中一貫教育をはじめ活力ある学校づくりの課題、参院選における18歳選挙権の状況と主権者教育、上下水道施設の老朽化と今後の対応、そして談合した富士通との随意契約・専決処分問題などが論点となりました。

 急浮上した談合・富士通との随意契約、市長専決処分問題について、私は、市長の専決処分に至る経過において、行政・公務員の社会的不正に対する倫理観・緊張感が問われる問題であると受け止め重要視しているのですが、市長をはじめ市側の対応は極めてお粗末と言わなければなりません。
 改めて別稿で中間報告します。

私の質問…原稿より

 7日に行った私の質問の原稿を掲載します。長いですがご容赦を。
 あくまでも質問原稿で、原稿通りの質問にはなっていません。放課後子ども総合プランの利用者負担の導入の項目では、アンケート結果や他市の状況について、質問形式を変えましたし、時間が足らず、最後の地域公共個通の利用促進策について、かなりポイントを絞った質問となってしまいました。

 臨むべき答弁を引き出しえた質問は少ないのですが、課題は多少なりとも明らかにできたのではないかと思います。自己満足ですが…。
 ➡市議会のホームページに中継録画がアップされています。6番目です。

 市側の答弁を踏まえた今後の課題等については、随時まとめて報告します。
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1.市長が目指す子育て支援先進都市について

 市長は就任以来、「子育て支援先進都市長野」を標榜し、時には勢い余ってか「日本一の子育て支援先進都市」と述べたこともあります。
 こども未来部の創設、子ども相談室の充実に始まり、子どもの医療費助成の拡大、病児・病後児保育の拡大、ながの版ネウボラのモデル事業、貧困の連鎖を断ち切るため、生活困窮世帯や一人親家庭の児童への学習支援の開始など、特筆していい施策展開が図られています。

 しかしながら、市長もこれで十分とは考えていないと推察します。

 まちづくりアンケートでの「行政施策の優先度」では「子育て支援の充実」が26.5%で5位。子育て世代の30歳代では55.0%にのぼります。
また、「満足度調査」では、子育てに関する3つの設問、①「安心して子どもを産み育てることができる環境が整っている」、②「子どもたちがいきいきと学ぶ環境が整っている」、③「地域ぐるみで子どもを育てていく環境がある」などがありますが、いずれも満足度より不満足度の割合が高く、課題があることを浮き彫りにしてます。

 さらに、子育て世帯が求める公的支援の第1位は「金銭的支援」、長野市の人口分析調査のアンケートでも、「経済的負担の軽減」を求める声が多数となっています。

 そこで4点、質問します。
 1点目、アンケートの結果をどう評価するのか。市長がめざす子育て支援先進都市のあるべき姿は何か。

 2点目、子育て世代が求める経済的負担の軽減にどのように応えていくのか、何を充実させるのか。

 3点目、第五次総合計画において子育て支援策の指標・目標をどのように設定するのか。

 4点目、子ども・子育て支援事業計画の策定後に検討したいとしてきた「ながの版子どもの権利条例の制定」をどのように具体化するのか。

 以上、4点質問します。

2.放課後子ども総合プランの利用者負担の導入について

(1)すべての就学児童が放課後を安全・安心に過ごすことができる居場所づくりとして、厚労省・放課後児童健全育成事業である児童館・児童センター、そして文科省・放課後子ども教室に位置付ける学校内施設を活用したこどもプラザを一体化して展開している事業が長野市版の放課後子ども総合プラン事業です。

 利用者負担の導入の是非を含めて社会福祉審議会に諮問されていますが、児童福祉専門分科会では、①既にH21年に有料化答申が出されていること、②保護者アンケートで61.8%の保護者が負担は「必要・やむを得ない」と答えていること、③無料で実施している自治体は中核市・県内市において少数派であるとされる他市の状況調査などから、「有料化を前提」とするような議論が支配的になっている印象を否めません。

 現場からは、「苦渋の決断で有料化やむなしとせざるを得ないのか」と「本当は無料で事業継続を求めたいのだが」との本音に苦渋を募らせる声が聞こえてきます。

 私は、保護者アンケートにおいて、利用者のうち39.5%、約4割が「無料で実施」を望んでいること、「有料化されれば利用をやめる」と答える保護者が13.4%も存在すること、さらに「負担金額次第で考える」と答えている保護者を考えると利用をやめる割合が高まることに着目すべきだと考えます。
 すべての希望児童に門戸を広げていくとしている放課後の安全で安心な居場所が1割を超える子どもたちが利用できなくなるという制度設計は間違っていると思いませんか。
 中山間地域ではより深刻な問題となることは必至です。
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(2)そこで、まず2点質問します。
 一点目です。
 子育て世代の強い要望が経済的支援にあることを忘れてはなりません。
 利用者が限られていることをもって、税負担の不公平さを強調するよりも、限られている利用者への支援があってこそ、子育て世帯全体の底上げが図られる意義、税金を優先的に使う政策的判断について、広く理解と合意を求めていくことが求められています。

 放課後の子どもの「遊びの場」、「生活の場」を、無料で提供している稀有な自治体として長野市の名を残そうではありませんか。子育て支援先進都市として誇りうる政策判断を市長に求めたいと思います。
 子どもの最善の利益を守る、10億円かかるとしても、将来を担う子どもへの投資だとする市長の決断を求めたいと思います。
 見解を伺います。

 二点目です。
 長野市のプランは、放課後児童健全育成事業と放課後子ども教室推進事業を一体的に運営し、上乗せ・横出しのサービスを提供しているとします。
 留守家庭の児童を対象とする学童保育は小学6年生まで拡大されています。受け皿の整備は十分ではありません。
 
 国の施策に沿って学童保育と全児童対策を一体化させるよりも、留守家庭児童に重きを置き、小学6年生までの希望児童すべてに十分な施設・設備を整備し、支援員・アドバイザーなど処遇を改善し十分な支援体制を再構築すべきと考えます。
 見解を伺います。

< 再質問>

(3)3点目です。
 アンケート結果を利用者と未利用者、利用者のうち館・センターとプラザの利用者を分けて集計すると、違った傾向が見えてくるのではないでしょうか。
 「利用料の負担金額」では3000円未満が86.4%とされていますが、母数には未利用者が含まれています。未利用者を除くと、館・センター利用者では90.8%、プラザでは92.9%と割合が高まります。2000円未満で見ると、館・センターは70.5%、プラザは76.9%、7割強が2000円未満は仕方がないと考えていることになります。
 また、「利用をやめる」と答えた人を利用頻度で見ると「週3日以上」が55.8%です。部長は審議会の中で、「利用頻度の低い人たちが利用をやめると答えていると推察する」と述べていましたが、ミスリードとなる間違ったアナウンスとなるのではないでしょうか。

 更に他市の状況調査においては、利用者負担が5,000円から20,000円とされている秋田市は、民設民営の学童保育36施設、1,367人の利用者に対する負担額で、放課後子ども教室として運営する「児童館・児童センター」は、44施設、延べ利用児童数は56万7,619人。1施設平日の平均利用者数は50.6人にのぼるのです。これは無料で実施されています。

 県内市でも、有料化されている自治体として示された佐久市では、民設民営の二つの児童クラブの現状であり、小学校区単位にある児童館19は公設公営、平均40.6人の利用、無料で自由参加方式。松本市も放課後子ども教室推進事業は無料で実施されています。同じような傾向が有料化実施自治体にあるのではないですか。

 また、政令市である「川崎市」は、すべての児童を対象に、学童保育を包摂した「わくわくプラザ」事業を無料で実施しています。おやつ代1日110円の実費負担。保険加入ありといった制度設計です。

 審議会における判断材料として、適正な資料となっているのかということを指摘したいのです。10月18日の次回の審議会分科会では方向性を出し、2月の答申というスケジュール。果たして十分な審議といえるのか、疑問を禁じえません。

 現場であるセンターやプラザの運営委員会の意見もしっかり聞き、他市の状況も精査しなおし、審議会における検討を有料化の是非からゼロベースで仕切りなおすべきだと考えます。
 見解を伺います。

3.ひとり親家庭の子どもの学習支援について

(1)貧困の連鎖を断ち切る施策の一つとして期待を寄せていましたが、286名の希望者を抽選で99人に絞り込むことになりました。支援を受けられる子どもは希望者の35%に留まります。
 予想を超える応募に、ひとり親家庭の相対的貧困率が56.4%といった背景があることを忘れてはなりません。

(2)市長は、初日の議案説明で「今後、できるだけ要望に応えられるよう方策を検討していく」と述べました。
 子育てと生計維持のための就労の負担が重くのしかかっているひとり親家庭の子どもたちに必要とされる支援を多面的に行っていくことが不可欠となっている中、早急に希望者を100%受け入れられる事業にしていくことが重要です。

 子育て支援課からは、会派説明の際に、「例えば」として「対象学年を狭める」とか「回数を減らす」ような検討を事例として挙げました。これでは、事業目的からすれば本末転倒となります。

 希望者のニーズに100%応えるために、補正予算を組んででも受け皿を増やすこと。中学校区単位で公民館などを利用する教室型、教員OBや学生による学習支援の仕組みを構築すること。あるいは生活困窮世帯の子どもの学習支援と一体的に再構築することなどを検討すべきだと考えます。
 高校への進学に特別に対応する仕組みも必要であると考えます。

 それぞれ見解を伺います。

4.地域公共交通の利用促進策の具体化について

(1)1点目は、県下一斉ノーマイカー通勤ウィークと連携した市独自の取り組みです。
 公共交通の利用促進、健康増進を目的に、県の「県下一斉ノーマイカー通勤ウィーク」が9月16日から始まります。
 3月議会での質問に対し、企画政策部長は、「もう2回バス乗車運動」は「具体的な仕組みを検討しているところ」であり、「県のノーマイカーウィークとの連携やくるるポイント付与の増加を含めて考える」と答弁しました。
 この秋の取り組みの具体化を期待しつつ見守ってきたところですが、特段のアナウンスがありません。地域公共交通網形成計画の策定に織り込むと先送りするのではなく、できるところから始める姿勢が問われます。
現状と今後の取り組みの方向性について伺います。

(2)2点目は交通ICカードくるるのポイント失効の解消についてです。
 くるるは、利用するごとにポイントが付き、チャージ料金に還元されますが、有効期限が2年間となっています。
 ポイントの失効状況について調べたところ、失効が始まったH26年11月から今年の7月までに3500万ポイントが失効しています。お金にして3500万円、月平均170万円、失効率は37.1%です。

 ポイント制は公共交通利用促進のインセンティブとなるものですが、本来、利用者が活用できる利益が消えてしまっていることになります。

 2年間で失効という制限を無効にし、確実に還元できる方法に変えることはできないのか。ポイントの失効状況を利用者に周知し、確実に還元できる仕組みにシステムアップできないのかを質問します。

(3)3点目は、住民自治協議会の利用促進策と通学費支援の取り組みについてです。
 若穂地区住民自治協議会では、路線バスの利用促進を目的に、ICカードくるる購入利用の補助と、地元の小学生から高校生までを対象に通学定期券の1割を補助する取り組みを始めます。
 屋代線が廃止され、路線バスも廃止代替バスに移行される中で、地域の公共交通網を何とか存続させたいとの切迫した危機感に裏打ちされた取り組みです。画期的だと思います。

 私は、「乗って残そう公共交通」を合言葉に地域を挙げての熱意ある英知に心からエールを送るものですが、その一方で、通学費補助について、行政として住民自治組織である住自協の取り組みに甘んじ、教育の機会均等、負担の軽減・緩和の観点から行政責任が放棄されかねないことを大変危惧します。

 鬼無里地区では、住民の定住促進の観点から高校生を対象に住自協が独自に通学費支援を行っています。

 中山間地域に居住する高校生等の通学費援助について、自治協の取り組みが先行する中、結果、地域間格差が生じてしまうことを行政としてどのように評価し、地域間格差を是正する対策をどのように講じるのか、質問します。

(4)4点目は、公共交通分野における障害者差別解消法の徹底と「車いす乗降可能なバス停マップの作製」についてです。
 4月から障害者差別解消法が施行される中で、電動車イスを使用する障がい者の希望するバス停での乗降利用の意思表示をめぐり、「差別的取り扱いの禁止」と「合理的配慮の提供」について、車いす障がい者の路線バス利用にいかに利便性と安全性を確保していくのか、真剣に考え直す機会を得、貴重な経験をしました。

 国土交通省は交通事業者に対し「対応指針」を示していますが、すべての事業者に法の趣旨が理解され徹底されている状況にはありません。

 交通政策課と障害福祉課で連携し、あるいは県とも連携し、交通事業者に対し「差別的取り扱いの禁止」、「合理的配慮の提供」について、徹底する機会を設け、個別案件にしっかり対応できるようにしてはいかがかと考えます。見解を伺います。

 また、「車いす乗降可能なバス停マップ」を作成し、障がい者の外出支援、社会参加を促すとともに、バリアフリーの現状と課題を明らかにしていくことも大切です。市の「バスガイドブック」を更新し、車いす利用の可否を落とし込むことができないか。障がい者用トイレ・多目的トイレの配置もわかるとより良いものになるのではと考えます。見解を伺います。

 以上、質問原稿からでした。