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「フタバから遠く離れて」

公開日: 憲法/平和/非核

 2日、安茂里地区の第38回囲碁将棋大会に出席した後、ドキュメント映画「フタバから遠く離れて」を観てきました。「子どもたちを放射能から守る信州ネットワーク・北信」が主催したもので、吉田公民館(ノルテながの)で開かれました。
 2011年3月11日の東日本大震災で被害に遭い、福島第一原子力発電所のある故郷から町ごと移住した福島県双葉町の人たちの避難生活を取材したドキュメンタリー。放射能の汚染で故郷に近づくこともできず、将来の生活も見えずに埼玉県の避難所から動くに動けない避難民の暮らしに入り込み、原発依存の生活や原発政策の問題点をあぶりだしています。ドキュメントならではの「生の声と姿」がそこにはあります。
 あの3.11から、3年を迎えようとする今日…避難を余儀なくされている現実、忘れてはならない現実を突きつけられました。
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【公式ホームページのイントロダクションから】
 2011年3月12日、双葉町民は1号機の水素爆発を耳にし『死の灰』を被った。町は全面立入禁止の警戒区域となり、1400人が250㎞離れた埼玉県の高校へ避難。地域社会丸ごと移転したこの高校は、まさに現代のノアの方舟と化した…
 双葉町長井戸川克隆は、財政破綻した町を救うため7・8号機を誘致した原発推進派だった。しかし、町民が被爆に遭い、事故が長期化するにつれ、その信念が変化してゆく。
 建築作業員・中井祐一さんは津波により家を流され、母を失った。農地全てを流された父とともに避難所暮らしを続けながら、震災翌日に予定された救助活動がベント・水素爆発により中止となったことを悔やんでいる。原発事故により助からなかった命は少なくない、そう訴えつつ、次の人生を模索してゆく。避難から3ヶ月後初めて一時帰宅が許され、無人地帯となった故郷へ帰還する彼が見たものとは…?
 原発により1960年代以降経済的繁栄が約束されてきた場所・双葉町。町民は、いまだ奪われた家・土地・財産の補償を受けずに、5年以上とも言われる避難生活を続けている。
 高校の教室に畳を敷き、10~20人で寝食を共にする共同生活。毎日のお弁当で命をつなぐも、肝心の原発事故は収束したのかどうか定かではない。時間が経つにつれ東北の復興が加速してきても、取り残されていく避難所の日々。
 先進国日本の片隅で忘れ去られて行く人々。先の見えない待つだけの避難所の時間をカメラは9ヶ月にわたり記録した。日本の原子力政策の成れの果てがここに凝縮されている。
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監督:舩橋淳(ふなはしあつし)の「ノート」から
「私たちも原発事故の当事者である。」
 何も見えない。311後の日本は、何も見えないことにフラストレーションを抱えてきた。
 あの原発で何が起こっているのか?原子炉の中はどうなっているのか?放射能はどこへいったのか?自分は被爆したのか?被爆したとしたら、どうなってしまうのか?
 今回の事故で日本政府と東電の対応はとても似通っていた。事実の公表をさけ、「健康にただちの被害はない」という文言に終始する。肥大する政府不信と東電不信・・・日本国民だけでなく、世界中からも不信を買ってしまった・・・国が推進してきた原子力政策。それが破綻を来し、危険だという理由から、警戒区域の中を見ることはできなくなった。大手メディアも国の命令に従い、僕たちの「知る権利」は宙吊り。何も見えない、知らされない恐怖と闘い続けるのが、ポスト311の日本の日常となった。
そんなとき、もっとも割を食う、もっとも無視され放置されるのが、避難所の人たちだ。自分たちの家に帰られるのか、仕事はどうなるのか?基本的な質問に対する解答が永遠に引き伸ばされ続ける。その宙ぶらりの時間を記録しなければいけない。忘れ去られてはいけない。そんな強い衝動に駆られて、僕はキャメラを手にした。まだ地震・津波の被害状況ばかりがニュースで、その甚大さばかりが強調された2011年3月末のことである。
 この映画は、避難民の時間を描いている。1日や1週間のことではない、延々とつづく原発避難。今回の原発事故で失われたのは、土地、不動産、仕事・・・金で賠償できる物ばかりでない。人の繋がり、風土、郷土と歴史、という無形の財産も吹き飛んでしまった。それに対する償いは、あいにく誰も用意していない。用意できるものでもない。
 そして、僕たちはその福島で作られた電気を使いつづけてきた。無意識に、加害者の側に立ってしまっていた。いや我々は東電じゃないんだから、加害者じゃない、というかもしれない。本当にそうなのか。地方に危険な原発を背負わせる政府を支えてきたのは、誰なのか。そんな犠牲のシステムに依存して、電気を使ってきたのは誰なのか。
 いま、僕たちの当事者意識が問われている。

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