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無原則な使途拡大に歯止め…「政務活動費」への条例改定

公開日: 長野市政/市議会

 地方自治法の一部改正で、地方議員を対象に交付されている「政務調査費」が「政務活動費」に改称され、これまで「議員の調査研究に資するため必要な経費の一部」とされてきた使途に「調査研究その他の活動に資するため」と拡大されたことを受け、議会運営委員会で「長野市政務調査費の交付に関する条例」の改定について検討してきました。

 長野市議会の「政務調査費」は、議員一人当たり月額85,000円です。市民ネットでは3分の2位を活用し、残りは返納しています。

 16日の議会運営委員会では、「法改正の趣旨が曖昧であり、無原則な使途の拡大につながらないよう対応すべき」との認識で一致、名称は変更するものの、従来の政務調査費の使途基準をそのまま活用することを確認しました。
 限定的で、かつ自制的な対応を図ることになり、長野市議会の良識を示したものと考えます。

 地方自治法の一部改正は、弾力的な運用を求める全国都道府県議会議長会などの要請を受け、国会で民主、自民、公明などの議員提案によって修正可決されたもので、国会審議では、拡大される使途には国への陳情活動の交通費や住民相談活動などが該当し、政党活動や後援会活動の経費は従来通り対象外になると説明されたものの、「その他の活動」が何にあたるのか、不透明、不鮮明なまま推移しています。

 長野市議会では、この間、政務調査費の活用にあたっては、調査研究に資する経費の一部との立法趣旨に立ち、かなり厳格な使途基準を作成し、1円以上の全ての支出を公開し対応してきています。改善の余地はまだまだありますが、「第2の議員報酬」との批判に応えられるような使途と公開に努めてきた自負があります。

 法施行日の3月1日以前までに条例改正が必要なため、全国的に条例改正が進められています。モデルとして全国市議会議長会の『参考条例』が示されています。
 この『参考条例』により、条例改正を図っている議会が多い中、長野市議会としては『参考条例』を参考にしつつも「独自性」を示したものと思います。

★「長野市政務活動費の交付に関する条例改正案」のポイント
➊第1条(趣旨)
 この条例は、地方自治法第100条第14項から第16項までの規定に基づき、長野市議会議員の調査研究その他の活動に資するため必要な経費の一部として、長野市議会における会派に対し政務活動費を交付することに関し必要な事項を定めるものとする。【参考条例を適用】

➋第5条(政務活動費を充てることができる経費の範囲)
 1 政務活動費は、会派が行う研究研修、調査、広報、広聴等市政の課題及び市民の意思を把握し、市政に反映させる活動その他市民の福祉の増進を図るための活動に必要な経費に対して交付する。【参考条例の趣旨を適用】
 2 会派は、政務活動費を別表に定める経費の範囲で使用するものとし、市政に関する調査研究に資するため必要な経費以外のものに充ててはならない。【現行の条例規定を適用】

➌第5条関係の別表 下表の通りで、これまでの政務調査費の使途基準をそのまま条例に規定することにしたもの。【現行の使途基準を適用】

➍第9条(透明性の確保)…新設
 議長は、第7条第1稿の規定により提出された収支報告書について必要に応じて調査を行う等の政務活動費の適正な運用を期すとともに、使途の透明性の確保に努めるものとする。【参考条例を適用】

★「その他の活動」の削除を提案、しかし実らず…
 私は、条例に曖昧さを残さないために、第1条に関しても「その他の活動」を盛り込まず、「議員の調査研究に資するため必要な経費の一部」と規定する案を提案しました。地方自治法の趣旨・規定を拡大・逸脱するような条例制定は上位法との関係で法制度上できませんが、法の趣旨・規定を限定的に抽出し条例化することは可能だからです。
 因みに大分市議会では、第1条を「議員に交付する政務活動費(議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として交付するものに限る。以下同じ)に関し必要な事項を定める」としています。

 しかし、「法は法」との議論もこれあり、全体的な合意に至りませんでした。私としては、第5条2項の規定の重要さも考慮し、条例改正の提案理由に『「その他の活動」というあいまいな立法趣旨で使途が無限定に拡大することがないよう、厳格な使途基準と透明性の確保に努める長野市議会の姿勢を市民に明らかにする旨盛り込むこと』を求め、上記の条例改正案に賛成しました。

 今後の課題としては、別表の使途基準で、従来から「その他の経費」を規定してきており、条例改正にあたりそのまま踏襲させたことです。私自身、検討の議論の俎上にあげなかったのですが、これも曖昧さを残しているといえなくもありません。これからの検証課題にしたいと考えます。

 いずれにしても、政務調査の原点に立ち、市民の批判にしっかりと応えられる使途の厳格さと透明性の確保に向け、襟を正して対応していきたいと思います。
 「政務調査費」=「政務活動費」について、議会活性化検討委員会における検討課題にも挙がっていることから、絶えず自制的な見直しと有効活用につなげていきたいと思います。

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