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第一庁舎・芸術館建設工事の工期延長と市民負担の増大を質す

9月市議会定例会の論点・焦点シリーズとして、私の質問からまとめました。

8カ月遅れで159億8千万円の事業費に…160億円超は必至

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全国的に深刻な労務不足を大きな要因として、約8カ月も遅延することになった新庁舎・芸術館建設工事。
総事業費は現時点で6億3千万増加し159億8千万円となる見通しが示されました。
労務単価の再引き上げが検討されていることから、最終的には160億円を突破することが確実視される状況にあります。【写真は10月1日現在・市のページより】

受注者側に損害金を請求しない法令根拠を明らかに

市は労務不足は「不測の事態」であり、大幅な工期延長は受注者の責に帰する事由にあたらないとして、顧問弁護士とも相談し「損害金の請求は行わない」としています。代表JVだけでなく地元企業への影響等も鑑み、慎重に検討されたものと推察しますが、釈然としません。
契約通りの工事履行は第一義的に受注者に責任があります。
芸術館と地下工事部分を担当する第一工区の契約締結以降、昨秋段階で「労務不足」は十分に予見されていた問題です。発注者側にも受注者側にも契約履行に対する「甘え」があったのではないかと質しました。

市は「各種統計や調査を後から振り返れば施工増と労務不足が急激に進行しているが、着工時や工事初期には予測できなかった。全国的にも労務不足を理由に工期延長する自治体、また事業そのものを見合わせる自治体が多くなっている」と述べ、「工事の遅れに対する損害金は契約約款の規定で受注者の責に帰すべき場合には請求できる。また損害賠償は民法で故意または過失のあることが請求要件とされている。今回のような予見のではない不測の事態においては、損害金の請求はできないと判断した」と答弁しました。

私は、安全第一、品質確保に集中した態勢を強化するとともに、市民に説明責任を果たすよう強く求めました。

適正な労務費の確保を強く求める

工期延長に伴う経費負担増について、第一工区の前田建設・飯島建設JVは、その請求を辞退しました。その増額分は約7500万円とされます。前田・飯島建設JVは、その増額分を契約金額の中に飲み込んだことになります。
入札不調を経由した第一工区はギリギリの金額で落札されただけに、飲み込み分が下請け企業の人件費等にしわ寄せされないことが重要です。
適正な労務費の維持確保に向けた対策の強化を質しました。

市は、「国では建設業団体に対し労働者への適切な賃金水準の確保につい通知しており、建設業界や個々の企業においても、労務不足を踏まえ十分理解されていると考える」と述べるにとどまりました。国が指導しているから十分との考えには直ちに同意することはできません。

建設労連の調べによれば「下請け段階では労務単価の引き上げはほとんど反映されていない。サンプル調査で日額5,900円の差がある」との指摘がされています。

また、県では建設工事に係る「契約後確認調査」という方法で、労務費の適正な支払いを県行政でチェックする仕組みを強化しようとしています。
少なくとも「性善説」でお願いするだけではなく、しっかりチェックする仕組みの構築が求められます。

事業費増大を理由に福祉や教育にしわ寄せしない宣言を

増額分6億3千万円の財源は、合併特例債(借金)で6億、庁舎及び文化施設建設基金3,000万円で調達するとのことです。
合併特例債は7割が交付税措置されるとはいえ、約2億1千万円が新たな市民負担として生じることになり、結果、借金の返済とは別に、約14億6千万円を一般財源から投入することになります。

監査委員からは「大規模プロジェクトの進捗に伴い、将来負担の増加の影響が懸念される」と指摘されたところです。
この間、税負担の公平性という観点から受益者負担が相次いで増やされています。一方、福祉の分野では難病患者等への支援手当てが削減・廃止されてきています。これから先が極めて心配です。

私は、「大規模プロジェクト事業の進捗によって、福祉や教育など市民生活に直結する領域の施策にしわ寄せすることはないと宣言してもらいたい」と市長に迫りました。

市長は、「宣言してもいいですか」と“幻の市長宣言”を念頭において茶化しましたが(不規則発言で議事録には残っていません)、「公債費の増大が見込まれるが、市民生活に大きな影響が生じない財政運営を行っていく」と答弁。
「小さな影響は避けられないということか!」と考えつつも、「市民生活には影響させない」市長宣言として、その確実な履行を市長に強く注文しました。

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