劇団”空素”(カラス)の結成30周年公演

 

フィナーレより。劇団”空素”のフルキャスト。ステージ向こうが客席です。

 知人である安茂里のNさんが主宰する劇団“空素”の結成30周年記念作品のファイナルステージを夫婦で観劇してきました。「響きつないで」長野市民会館フェスティバル「演劇の祭典」のプログラムの一つ。「今度の空素はダークです…」がうたい文句となった作品で、久しぶりに演劇を堪能しました。

 公演作品は「R(アール)」。近未来の管理社会とロボット社会をテーマにしたもので、主役である介護専用ロボットとして開発・実用化され、愛用された「CS2800R(通称アール)」は、「欠陥」が発見され国は法律を改正し解体を命じます。その欠陥とは…?そしてロボットと人間の絆は…?ドキドキしながら見入りました。

素晴らしい公演をありがとう!!

 厳しい法律と規制で社会から犯罪や争いが無くなった時代…抑圧された地上の生活を嫌い地下街で自由に暮らすホームレスや占い師、ミュージシャン、そしてヤクザが登場します。そんな人間たちと回収解体業者から追われる「R」との人間模様がドラマとして展開します。「R」の欠陥とは、人間に愛されることで感情が育まれるという設定。

 現代社会の管理と抑圧、介護といった社会問題を背景に、希薄になっている人間の絆の大切さを浮き彫りにしたものと言えるでしょう。笑いあり、そして涙ありの素晴らしい2時間15分でした。

 ところで、公演は市民会館の客席を使わず、ステージに舞台と観客席を一体で作り、緞帳を下ろしたステージそのものが芝居小屋に。息遣いが聞こえる親近感が魅力でした。

50年の歴史を刻み、閉館へのカウントダウンが始まっている市民会館

 新しい市民会館が、市民劇団の活動・発表の拠点の一つになればと思いを新たにしたひと時でした。劇団“空素”の皆さん、ありがとうござました。