12月議会の代表質問より【その1】…就任1年、荻原市長の基本姿勢を質す

昨年12月議会における改革ネットを代表しての質問の報告です。

施策のアップデート、受益者負担の考えを問う

荻原市政1年、市長の基本姿勢に関し、施策・事業のアップデートと今後の課題について質しました。

市政の継続・アップデートを掲げる荻原市長就任から1年余、市長自らが知名度を生かしフットワーク軽く地元農産物のトップセールスに動き、副市長2名体制、子ども総合支援センター「あのえっと」の開設をはじめ、子どもの医療費助成の高校生までの拡大の検討、「新産業創造推進局」の設置、同性パートナーシップ宣誓制度のスタートなどに取り組み、公約の8割を予算に反映してきたと強調します。

荻原市政に是々非々で臨む私としては、これらの実績を率直に評価する一方、予算化した事業、施策のアップデートの具体が真に市民益に適い、市民が幸せを実感できる効果を生み出すことができるのかは、これからの市長自身の手腕にかかっていることを指摘しました。

二元代表制のもと、市民の声に基づき、私たち議会・議員の監視・検証・提案が求められることを深く自覚しながらですが…。

市民が求める施策優先度に真摯に応えられているのか

定番としている質問ですが、まちづくりアンケート等の結果を重要視する姿勢と実現に関してです。

R3年度まちづくりアンケートでは、市民が求める施策の優先度において、「防災・減災対策の推進」、「介護などの高齢者福祉サービスの充実」、「バス・鉄道など利用しやすい公共交通の構築」が上位を占めています。年代別20代・30代では「結婚、妊娠、出産、育児への継続的支援」が最も高く、また「市民ニーズを踏まえた行政サービスの提供」が8.8ポイント増加し10位から5位に上がったことに特段の留意と対策が必要です。

アンケートで示される上位の施策は順位に違いがあっても、毎年ほぼ同じ傾向にあります。市民が求める施策が十分ではないとの評価の表れでしょう。

令和3年度まちづくりアンケートの概要です。

市長就任1年を振り返りつつ、市長の課題認識、問題意識を問いました。

市長…アンケート意見・市民ニーズに沿った市政をめざす

まちづくりアンケートの重要視について市長は「今後も引き続きまちづくりアンケートなどで市民意見を把握しながら、市民に寄り添った市政を目指していく」と答弁しました。有言実行を強く求めるところです。

そのうえで、「多岐にわたる行政ニーズに応え本市独自の施策を実施するためには、その裏づけとなる独自の財源を確保できる強い財政力が課題である」とし、「そのために新産業の創造などによる経済の活性化を図ることにより税収を確保し、市民サービスのさらなる向上につなげられるような持続可能な行財政運営を実現したい」と答弁したうえで、市政運営にあたっては、「中・長期的な視点を持って取組を進めるとともに、まちづくりアンケートにおける行政政策の優先順位では、子どもが安心して遊べる支援体制の充実や、結婚、妊娠、出産、育児への継続的な支援なども上位にあることから、子育て支援や不登校の児童・生徒の居場所や学びの場の確保を図るための取組など、市民ニーズに沿った行政サービスを市民の声を丁寧に聞きながら進めていく」と述べました。

また、行政施策の優先順位で市民ニーズを踏まえた行政サービスの提供が5位となった点については、「市民ニーズを反映した市政運営となるよう、さらなる取組が期待されているものと受け止めている」と述べるにとどまりました。

アンケート実施の時期から、市民評価は加藤前市長時代となるのですが、加藤市政の継続を掲げる荻原市長だけに、市民ニーズに応える市政運営は肝に銘じてもらいたい命題です。

新産業創造…新たな産業団地の造成を

荻原市長の公約である新産業創造に関して、創設された新産業創造推進局の取り組みの見える化とともに、新しい産業用地の開発について質しました。

現在、地域未来投資促進法を活用し民間主体で、Mウェーブ南区域で産業用地開発が進んでいます。一方で、市内事業者が市外・県外で新たな工場を整備する動きが相次ぎ、課題となっています。「強い財政力」をつくるには、新たな産業団地の造成により既存事業者の市内での事業拡大、新規事業者の誘致を実らせ、固定資産税をはじめ自主財源を確保し拡大することが重要です。

大豆島地区(エムウェーブ南)で進む、民間主体の産業用地開発予定地

市長…新たな産業用地確保の検討を進める

市長は、「今回のMウェーブ南の計画地だけでは企業立地ニーズに応えられるだけの用地が確保できていないことが課題」とし、企業立地において、「まずは市内事業者の成長を支援するための環境整備を優先したうえで、新産業の創造につながる企業を誘致していくためにも新たな産業用地の確保に向けた検討を進めるべき」との考えを示しました。一歩前進です。

新たな産業団地は、雇用の拡大につながり、若者を引きつける魅力ともなります。今後の成り行きに注目です。

市民サービス有料化の拡大…慎重な検討を強く求める

市長はインタービューで「無料で使えた施設について、市民負担のバランスを考慮したうえで有料化を考える時期かもしれない」と述べ、既に社会体育館の有料化などの検討に着手しています。

市ではこれまでに「市民サービスの利用者負担に関する基準」を定め、放課後子ども総合プランの有料化をはじめ、市民に負担を求めてきた一方、有料化に伴うサービスの質の向上は十分に達成できていないと受け止めています。市政は健康で暮らし続けられる市民生活の砦としての役割をしっかり担うことが必要です。受益者負担の拡大には極めて慎重な対応が求められます。

市長の基本的な考えを問いただしました。

市長…「現在無料の施設利用、原則有料化へ」との考え示す

市長は、「行政サービスの利用者の負担に関する基準に基づいて、本来利用者に料金を負担いただくべきとしている施設については、現在無料としている施設であっても原則に立ち返って負担いただくべきであるとの考え」を強調し、施設の長寿命化改修、さらにはその先を見据えた更新、建て替えを進めていく上で相当の費用が見込まれていることを考慮すると、将来世代の負担を考え、現在の利用者にも負担をいただくことが必要」と答弁。

また、有料化施設の拡大について、「昨今のデジタル技術の急速な普及により、施設の予約から料金徴収まで対応できる仕組みも検討できる状況も踏まえ、有料化を検討できる対象施設を広げられる時期に来ている」との考えを明らかにしました。

全ての公共施設が有料化対象!?

再質問で、有料化対象施設の具体を追及したところ、市長は「すべての公共施設」と答弁。これでは、市立公民館の登録団体利用に利用料金を課していく考えを表明したことになります。

さらに、そんな遠くない時期に放課後子ども総合プランの利用者負担の引き上げが俎上に上ることも想定されます(新法人移行後でしょう)。一般論として、利用者負担を一概に否定するものではありませんが、こんな荒っぽい有料化を認めることはできません。

例えば、スポーツ推進審議会で検討が進む社会体育館の有料化について私は、日常生活におけるスポーツを通した健康維持は「健幸増進都市」の大きな支えとなるもので、お金で換算できない大きな効果があると考えています。社会体育館の有料化は、少なくとも、利用者ニーズに応え体育施設等の整備、利用しやすい環境づくりを最優先し、その後に慎重に検討されるべきでしょう。

施設維持費にお金がかかるから有料化という「有料化ありき」の姿勢には、厳しく対決したいと思います。市民の健康福祉の増進における「公」の責任をいかに全うするのかが問われます。

利用者負担の見直しにあたり市の基本的な考えをまとめた「行政サービスの利用者の負担に関する基準」について、今日的に改めて検証し、課題を整理する必要があると考えています。行政がつくる基準は”金科玉条”ではないですから。

スポーツ審議会の検討状況も含め、改めて考えをまとめたいと思います。【その2】に続く。

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