75回目の憲法記念日…平和憲法を未来へ

5月3日は75回目の憲法記念日。国連憲章や国際法を無視したロシアのウクライナ侵攻により、安全と安定を保持する国際秩序が根底から覆される中、また岸田政権がこうしたウクライナ危機に乗じ、「専守防衛」の国是をかなぐり捨てる敵基地攻撃能力の保有や防衛費GDP比2%(10兆円)への膨張をはじめ、憲法改正に前のめりな姿勢を強める中で迎えた憲法記念日です。平和憲法は大きな岐路に立たされています。

力による国際秩序は殺戮と破壊しか生み出しません。無益な戦争の道ではなく、非戦を高らかに掲げ、対話と協調、共存による国際秩序を再構築するときです。

事務局長を務める長野県憲法擁護連合で、「ウクライナ戦争の即時停戦!9条改憲NO! 平和憲法を未来へ!」をアピールする街頭宣伝を長野駅前で行いました。駅前では右翼団体の自主憲法制定を訴える街宣と対峙しながら…となりました。

市長選に挑戦した土屋隆一郎。久々に再開。ウクライナ支援カンパをいただきました。

また、午後からは信州護憲ネットの主催で「市民の憲法講座」が催され、オンライン併用で70人が参加。チェルノブイリ原発事故の被災者支援を続ける「チェルノブイリ救援・中部」の原富夫さん(南箕輪村在住)から、ウクライナ支援を続ける活動報告に耳を傾けました。

原さんは、「ロシアの侵攻で30年以上続けてきた支援活動が破壊されてしまった」とし、「ロシアの蛮行は許されない。親戚・兄弟が自由に行き来してきたウクライナ、ロシア、ベラルーシの人々のつながりを引き裂いている」と強調、即時停戦を訴えました。

憲法記念日にあたりマスコミの世論調査が行われました。設問は一様ではありませんが、全般的に「憲法改正を必要」とする世論が「必要としない」世論を上回ってきていることが特徴で、とても危機感が募ります。

一方で、憲法9条の改憲では、朝日調査で「変えない方がよい」が59%で過半数を超える結果に、共同通信調査ではほぼ拮抗となっています。

憲法改正発議に必要な衆参3分の2の議席は既に超えています。7月に予定される参議院議員選挙で、改憲派に3分の2議席を許さないたたかいが問われます。

NHK…「改正する必要があると思う」が35%、「改正する必要はないと思う」が19%。一方、戦争の放棄を定めた憲法9条を改正する必要があると思うかどうかでは、「改正する必要があると思う」が31%、「改正する必要はないと思う」が30%と拮抗。

朝日新聞…いまの憲法を変える必要があるかとの設問に、「変える必要がある」が56%(昨年調査は45%)で、「変える必要はない」37%(同44%)を上回る。2013年に郵送調査を始めて以降、改憲必要派は最多。憲法第9条については「変えないほうがよい」59%(同61%)で、「変えるほうがよい」33%(同30%)を上回る。

共同通信…九条改正の必要性は「ある」50%、「ない」48%と賛否が拮抗。岸田文雄首相が自民党総裁任期中に目指す改憲の機運は、国民の間で「高まっていない」が「どちらかといえば」を含め計70%に上る。大規模災害や感染症の爆発的まん延時の緊急事態条項として国会議員任期を延長できるようにする改憲は賛成76%、反対23%。

毎日新聞…岸田文雄首相の在任中に憲法改正を行うことについて、「賛成」は44%で「反対」の31%を上回る。

読売新聞…憲法を「改正する方がよい」は60%(前回昨年3~4月調査56%)と、2015年以降で最も高く。「改正しない方がよい」は38%(同40%)。

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