新型コロナ「県外需要拡大期」段階における感染拡大を踏まえ、社民党で県知事に要望

社民党長野県連合は7月15日、阿部守一県知事に対し、新型コロナ感染症対策について要望書を提出、意見交換しました。

社民党県連・中川博司代表から阿部県知事に要望種を提出

長野県独自の「新型コロナウイルス感染症等対策条例」が付帯決議付きで成立したこと、また『社会経済活動再開に向けたロードマップ』における7月10日から7月31日までの「県外需要拡大期」とされる第三段階に入り「新しい生活様式の定着と経済活動の両立」を打ち出していること、しかし、一方で首都圏を中心に感染者が急増していること等を踏まえ、緊急に取り組んだものです。

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要望は、新しい生活様式の定着を推進するための取り組み、医療・検査体制の整備など第2波への備えを進めるための取り組み、県民の生活を支え経済の再生を図るための取り組みに加え、集中豪雨等への新型コロナ対策など20項目です。

特措法や県条例及び付帯決議に基づき、休業協力の求めに応じた事業者への支援について県として責任ある対応を図るとともに財政措置を講じることなども盛り込みましたが、時間に限りがあるため、重要な4点について提起し、意見交換しました。以下、県知事や担当課長の答弁を簡単に報告します。

県知事は冒頭、「コロナから県民の命を守る、そしてコロナの影響から県民の命と暮らしを守る、この二本立てで取り組む」姿勢を強調、「非常時との認識に立ち、要望を踏まえつつしっかり取り組みたい」と述べました。

PCR検査、一日1,000人体制の早期実現を

PCR検査一日1,000人体制の根拠、見通しについては、「6/19の厚労省通達による患者推計により、重傷者の発生数を33人から48人と推計し、1040件(感染の疑いがある人740件、濃厚接触者300件)の検査体制を目指すこととした。この水準を上回らない体制をしっかりとつくっていきたい」とし、「現在の最大検査能力は、県や長野市、県内11病院、佐久市の民間検査機関1社で計309検体。各機関が検査にかかる時間を短縮させるとともに、県内医療機関や民間検査機関での検査を拡充する」ことで、7月・月内に約700検体分を増強する考えを示しました。

【出典】信濃毎日新聞7月10日付より

一方、県内10圏域ごとの入院病床数、PCR検査数の目標を明示するよう求めましたが「圏域ごとの数値は時間をかけて検討する」と述べるにとどまりました。

また、5月に厚労相で承認された抗原検査キットを活用した抗原検査の活用も提案。これに対しては「目的・用途を十分に検討し、PCR検査、抗原検査などの組み合わせで最適の体制を目指したい」としました。

➡希望するすべての県民にPCR検査を可能とする体制作りを目標にすべきであると考えます。希望する妊婦のPCR検査も始まることから、実効性のある一日1,000人検査体制の早期実現が問われます。

➡また、医療圏域ごとの医療・検査体制の数値目標が早期に示され、保健所を持つ長野市における目標を明確にした医療・検査体制づくりが必要です。

失業者への就労支援を万全に

派遣労働者の雇止めや製造業を中心に失業者が顕在化している中、県機関等における失業者の緊急雇用の拡充等を求めました。

これに対し、「緊急就労支援事業として、人手不足の地域振興局などにおいて3カ月から半年の期間で33人の非常勤職員を採用(因みに長野市は5人)。また県職員について社会人枠採用を春・秋2回募集している。さらに引き続き検討したい」と述べました。

また、民間事業者に対する就労の働きかけについては「就業訓練実施機関と人事不足企業の橋渡しを行うとともに、経済団体に対し雇用維持や新たな雇用確保を要請している。また、高卒の新規採用枠も厳しいため、教育長とともに経済団体への要請行動もおこなっている」と現状を説明しました。

さらに、外国人労働者の解雇が増えている問題について、「外国人労働者に関して在留資格が永住者や定住者の場合、日本人とほぼ同等の就労が可能だと認識している。製造業を中心に派遣労働をしている外国人労働者が解雇されていることは認識しており、対応策の必要性は認識している。また、技能実習生については就労先が固定されているが、出入国在留管理庁で、帰国が困難な実習生に対して半年間の特定活動を許可しているので、その制度を使って欲しい」と述べるにとどまりまた。

➡深刻な雇用危機に直面することは間違いありません。既に直面しているのですが…。県において市町村と連携し、行政機関をはじめ民間事業者における雇用の受け皿を作り上げていくことが重要です。

ひとり親世帯等で親が感染・入院した場合の子ども保護を万全に

3月から4月の第一波時に、保護者から子どもの一時保護について相談があったが、実際に対応したケースはないとしたうえで、「県としては、まずは市町村、保健所と連携し親戚や知人宅などの保護養育先を調整する。親戚・知人宅がない場合は、県内2カ所(長野・松本)の児童相談所の関連施設で6人の受け入れ、さらに岡谷市内での施設で4人の受け入れ態勢を作っている」とし、PCR検査を実施したうえで対応する方針で、受け入れ施設には児童相談所から職員を派遣するとともに看護師協会の協力を得て看護師の派遣を行う計画であることを明らかにしました。

➡市町村レベルで、ファミリーサポートセンターの活用も検討することが必要ではないかと考えます。新型コロナによる一時保護の条件に適うかどうかを含め検証したいと思います。

Go toキャンペーンは全国一律ではなく、近隣県の誘客から段階的に

7月22日から始めるとされるGo toキャンペーンについて、既に多くの自治体の長から異論の声が強まっています。全国知事会では7月10日、「Go To トラベル事業の実施に当たっては、全国一律の実施ではなく、新型コロナウイルスの感染状況や被災状況を踏まえ、まずは近隣地域の誘客から始め、段階的に誘客範囲を広げていくなど、地域の実情に応じて実施することを強く求める」とする緊急提言をまとめています。

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全く同感の趣旨です。

こうした方向性を観光県である長野県からもしっかり声を上げ、国に方針転換を迫る必要があることを強く求めました。

県知事は、「県として人の移動・往来について特段に意を用いてきた。観光県でありながら『信州の観光はお休み中です』キャンペーンも行ってきた。6月段階では近隣7県との往来を中心に検討・対応してきたところであるが、今日、全面的・全国的に往来を可能とするフェーズにはない。アクセル全開という状況ではないと考える。国が明確に示すべき」と応えました。

このままでは、コロナ第2波は確実に「人災」となります。国の方針転換は不可避・不可欠です。