9月市議会の質問より➋…市民とともにつくる公共施設見直しへ

 今頃ですが、9月市議会定例会で行った一般質問の続報です。
 市政直行便NO.42に概要を速報しましたが、若干補強しました。

 市は、公共施設白書を踏まえ、「将来世代に負担を先送りすることなく、よりよい資産を次世代に引き継ぐ」ことを基本理念とする「公共施設マネジメント指針」を策定し、今後20年間で公共施設の総延床面積で20%削減することを打ち出しました。
【参考】長野市公共施設マネジメント指針
    長野市公共施設マネジメント指針・概要版

聖域なき20%削減…質の高い住民サービス維持が課題

 
 聖域なき20%縮減とされながら、1割を占める五輪施設が先送りとされている点や、施設分類ごとの見直しの優先度・重要度の考え方が希薄な点等、課題は残されていますが、公共施設の見直しは避けられない重要な問題です。
 
 しかし、大事なことは、公共施設を縮減・見直してもなお、市民・住民の理解と合意のもとに質の高い住民サービスが如何に維持されるのかということにあります。

市民とともにつくる再配置計画を

 来年度中を目途に、「公共施設再配置計画」、「長寿命化計画」など個々の施設の見直し計画を策定することになります。
 公共施設の見直しは、市民生活に直結する問題であるだけに、市民の共通認識と理解が不可欠です。

「公共施設見直し市民委員会」を提案

 施設の複合化・多機能化・集約化など、地域コミュニティの核となる施設の再構築に向けては、地域ごとに市民参画による「(仮称)公共施設見直し市民委員会」を設置するなど、市民参画と市民が協議し決定できる仕組みづくりを提案、市長に質しました。

市長…「最終的な意思決定は行政の責任、市民参加の手法はさらに検討」

 市長は、「公共施設の現状と課題を市民と共通認識とし、一緒に議論していくことは重要だが、最終的な意思決定は行政の責任」と述べ、「例えば、住民自治協議会との協議など、地域の特色や課題に応じた市民参加の手法を検討する」と答弁するに止まりました。
 

篠ノ井市民会館の廃止、北部市民プールの廃止を質す

 公共施設マネジメント指針では、「最初の10年間の第1次計画は、推進力となる戦略的かつモデル的な再配置を検討する」とされています。戦略的、モデル的再配置の対象施設は、何を基準にどのように絞り込まれるかを質しました。

 既に、指針に基づき、公共施設の見直し・再配置が進められています。例えば、篠ノ井市民会館の廃止を伴う支所・公民館の複合化、北部市民プールの廃止を伴う皐月保育園の幼保連携型認定こども園化などが、れにあたります。二つの施設の廃止はモデル事業という位置づけなのか、篠ノ井市民会館の廃止、市民プールの廃止という大きな問題について、十分に地域住民の合意形成が図られているのかを質問しました。

 二つの施設の廃止がモデル事業であるのであれば、住民合意のあり方、住民意見の反映という点でもモデルにされることになるからです。

「第1次再配置計画は試金石」と総務部長

 総務部長は、「第1次再配置計画は、本市の公共施設マネジメントの推進が試される試金石になる」と強調、「新たな街づくりの視点から部局横断的に柔軟な発想により再配置を検討する」と述べ、「二つの施設は第1次再配置計画に位置付けられる」「当該の住民自治協議会などに説明、地域の意見や要望を可能な範囲で取り入れ対応を検討していく」としました。

 市民会館、市民プールといった当該地域を超えて市民的な利用に供されている公共施設は、施設所在地の自治協との協議で十分なのでしょうか。全市民的な説明責任、合意形成゛図られる必要があります。

 個々の施設の統廃合について、市民の声が十分に反映されるよう、さらに提案を続けたいと思います。

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