個人情報不正取得の抑止へ…本人告知制度始まる

11月1日から本人告知制度が開始されることになりました。
7日の市議会会派合同会議で説明がありました。

被害告知型の本人告知制度は、第三者による住民票の写しや戸籍謄本などの不正取得が行われたことが明らかになった場合に、本人にその旨を通知する制度です。

3月市議会の提案、一部実る

司法書士や行政書士が職務で戸籍謄本や住民票の写しの交付を受ける際に使われる「職務上請求書」が偽造され、戸籍情報などの個人情報が不正に取得された事態が発覚し、長野市でも31件が不正取得された事実が明らかになったことから、過ぐる3月市議会定例会で、市民の個人情報の不正取得を抑止し人権を擁護するため、「本人通知制度」の導入を提案し、市側からは「被害告知については準備する」との答弁がされていたものです。

「本人通知」と「本人被害告知」

「本人通知制度」には、事前に登録した市民に通知する「事前登録型」や、委任状によって戸籍等を交付した場合に委任した本人宛に交付したことを通知する「全市民対象型」の二通りの制度があります。全国では380近い自治体で導入され、県内では、「事前登録型」で東御市・上田市が、また「全市民対象型」で松本市・塩尻市・駒ケ根市・佐久市・山形村など、7自治体で導入されています。

全市民対象型の松本市では、司法書士や行政書士からの職務上請求は対象外で、委任状による交付申請の場合を対象としています。
佐久市も同様ですが、佐久市本人通知制度・本人告知制度の要項がホームページにアップされていましたので、参考に掲載します。
【参考】佐久市本人通知制度の概要

そして、これらとは別に、戸籍等の不正取得が判明した場合に、取得された市民全員に不正に取得されたことを連絡告知する「被害告知制度」があります。
長野市が実施するのは、この被害告知です。

対象が死亡している場合の対応、検討へ

不正取得の対象者本人が死亡している場合は告知から除くと説明されましたが、戸籍謄本の不正取得の場合は、本人以外の個人情報が記載されていますから、対応が必要です。

説明の折には、「今後、検討する」とされていましたが、その後の確認で、「配偶者等」に通知するよう要項で整理されているとのことです。

「遡及しない」ことに対し、再検討を要望

市は、11月1日から施行するにあたって、過去に遡及して告知対象としないことにしたそうです。
因みに、この4月から実施している佐久市では2年間さかのぼって被害告知する経過措置を盛り込んでいます。

長野市における不正取得31件は、H23年~H24年度に集中していたと記憶しています。市は本庁における調査のみで支所における交付を調査していないこと、被害対象者に不安をあおることになりはしないかとの配慮があるとしていますが、万が一のことを考え、告知しようと思えばできることです。

遡及させることで被害を免れるようなケースが一件でもあれば、意義のある取り組みとなるはずです。

一歩前進、さらに制度の拡充へ

今日、身元情報をはじめ不正取得された個人情報は、売買されるとともに、脅迫やストーカーなどの犯罪に悪用されるケースも発生し、深刻な社会問題となっています。

市民の権利利益を擁護し、個人情報の不正取得を抑止するとともに、犯罪に悪用されることへの注意喚起を促す観点から、「被害告知」の導入実施は、不十分ながらも一歩前進です。

今後、不正取得が判明した場合に、被害告知の対象者に対する丁寧な説明・対応、その方法、相談態勢の確立など、要項・マニュアルとして整備することが必要です。

引き続き、遡及措置を含め、「本人通知制度」の完全実施に向けて取り組んでいきたいと思います。