73回目の憲法記念日・共同アピール

5月3日、73回目の憲法記念日は、新型コロナウイルス感染症「緊急事態宣言」の下で迎えることになりました。

5月3日正午過ぎの善光寺表参道【車中から撮影】。例年ですと、歩行者天国で「花回廊」や「獅子舞フェスティバル」などで賑わうメインストリートです。来年は善光寺御開帳の年、賑わいの復活が待ち望まれます。

県護憲連合では毎年、市内繁華街での街頭宣伝活動等に取り組んできましたが、今年は、感染拡大防止の観点から、外出自粛・スティホーム要請を踏まえ、街頭行動や憲法集会などを中止し、290の県内市民団体・各種団体と連携し「共同アピール」【後掲】を発出しました。

「同調圧力」に屈したくないな!との想いがないわけではありませんが、県護憲連合の事務局長を務める私自身は、議員という公的立場で市民の皆さんに感染拡大防止を呼びかけていることもあり、街頭行動の自粛も受け入れた次第です。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で、国による外出自粛の要請が長引き、不安が増幅し、「自粛」に従わない人を責めるような風潮が強まっていること、感染者や濃厚接触者に対する人権侵害、偏見が強まっていることを「良し」とはしません。

感染者は見えざるウイルスの被害者です。被害者を温かく見守り、ともにコロナ危機を克服する寛容さを発揮する時だと思います。

緊急事態宣言下の憲法記念日、安倍首相の憲法に緊急事態条項を新設する憲法改悪にコロナ対策を利用しようとする動き、そして人権尊重の在り方について、しっかりと見つめ直したいものだと思います。

➡「共同アピール」は、信州市民アクションが呼びかけたもので、290の県内市民団体・各種団体が賛同しました。5月1日に県庁で記者会見し発表したものです。

新型コロナウイルス感染症「緊急事態宣言」の下での憲法記念日
共同アピール

5月3日、日本国憲法が施行されて73周年を迎えます。

いま、新型コロナウイルス感染症が日本と世界中に広がっています。ワクチンや治療薬がない未知のウイルスに対し、人々の間に恐怖感と自粛、委縮が極端に広がる社会状況となっています。

世界中のすべての政府や自治体、公共機関が感染症拡大防止の対策をすすめています。日本ではPCR検査と医療体制の充実に政府が十分な資金や人を投入していないため、医療・介護従事者が大変困難な状況に置かれ、感染拡大の防止対策が不十分になっています。

政府や自治体の実効性ある対策と、人々の自覚と行動により一日も早くウイルス感染症を終息させ、日常の社会を取り戻すため、私たちも最大限の努力を惜しまないことをまず表明します。

日本国内においては、安倍政権が4月7日、「緊急事態宣言」を発令し、同月16日に対象地域が全国に拡大され、国民や企業などに対し、生活や仕事の減少に十分な補償がないまま、外出や営業の自粛、移動の制限などを要請しています。

ウイルス感染症対策は、何よりも人々の命と暮らしを最優先にして、あらゆる政策や財政を集中しなければなりません。しかし、安倍政権は、経済や大企業に配慮するあまり、人々の命と暮らしを守るという視点に立った対策は徹底されず、後手後手に回って感染拡大を食い止めることができていません。

私たちは安倍政権に対し、経済や大企業の利益よりも、人々の命と健康、暮らしと仕事を最優先する感染症対策を強く求めます。

「緊急事態宣言」が発令された日本の状況の下で、あらゆる集会や会議、イベントなどが自粛され、中止・延期になっています。国からの一方的な自粛要請に反発する団体や個人は、インターネットや報道などで取り上げられ、自粛しない行為に対し言葉を失うほどの激しいバッシングが行われています。また、感染者の治療に関わる人々や不運にもウイルスに感染してしまった人々、その家族に対し、人権侵害ともいえる罵詈雑言が投げかけられています。

安倍政権は、権利や自由を主張する言動に対する攻撃を十分に規制せず、逆に、この“同調圧力”や“空気感”を利用しているかのように見えます。

私たちは、このような事態においても、人々の自由や権利、人権や民主主義を制限したり、侵害したりするようなあらゆる動きに反対します。

安倍政権は、国会の質疑において、「緊急時に国家や国民がどのような役割を果たし、国難を乗り越えるか。憲法にどう位置付けるかは極めて重く大切な課題だ」と述べ、「国会の憲法審査会の場で与野党の枠を超えた活発な議論を期待したい」と強調しました。

自民党は2018年3月にまとめた4項目の改憲案で、緊急事態条項の新設を掲げています。緊急事態が宣言されると、内閣(行政府)が国会を通さず「政令」だけで、基本的人権を制限・抑圧する強権を発動できるようになってしまいます。ウイルス感染症が拡大し、人々が不安と困難を抱えている状況の中で、憲法改定を持ち出す安倍首相の見識にはあきれるしかありません。

私たちは、感染症の拡大状況を逆手に取った安倍首相の憲法改定発言に強く抗議します。

◆新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぎ、コロナ禍を早期に終息させましょう。

◆安倍政権に対し「経済」よりも「人々の命と暮らし」を優先する感染症対策を求めます。

◆自由や権利、人権や民主主義を抑制するあらゆる動きに反対します。

◆「緊急事態宣言」発令を利用した安倍首相の憲法改定発言に抗議します。

2020年5月1日