神戸市の住宅政策…高齢者の居住確保がカギ

 市議会建設企業委員会の行政視察より…5月24日に訪問した神戸市は、市の住宅政策として策定している計画=神戸市住生活基本計画、第2次市営住宅マネジメント計画、神戸市高齢者居住安定確保計画などのポイントが視察テーマでした。

神戸市都市計画総局・住宅部・住宅政策課から説明をいただきました。

神戸市都市計画総局・住宅部・住宅政策課から説明をいただきました。


 阪神淡路大震災から18年、震災復興計画に基づく復興が成し遂げられている。先にほとんどが消滅した長田地区の再開発事業を視察したが、復興は目を見張るものがあった。東日本大震災の復興の進捗状況とは明らかに異なる。
 神戸市は共同住宅率6割、持ち家率6割。市営住宅では、震災後に約1万5千戸を建設、現在は約5万3千戸を管理するが、老朽化が進行している大量の住宅があり、耐震性に問題のある住宅を約1万戸を抱える。

 「神戸市住生活基本計画」は、2006年の住生活基本法の制定により策定された計画であるが、長野市の第2次住宅マスタープラン後期計画(H23年~H28年)に相当するものである。
 「住まいは市民の安心で豊かな生活にとって不可欠な基盤」との基本認識のもとに、「誰もが安全、安心に住まうことができる」「自分にあった住まい・住まい方を選択できる」「活力のある地域を住まいから創り出す」ことができることをめざし、成果指標と目標値を定め、施策の方向性をまとめたものである。
 「住まう主体(住まい手)」「住まいの供給に関わる主体」「住まい手を支援する主体」「行政」の役割分担を整理し、「安心して住まう」「大切に住まう」「共に住まう」をキーワードとする。
 住まい手を総合支援する「住まいの安心支援センター=すまいるネット」を住まいに関するプラットホームとして整備されていることがポイント。 

 「第2次市営住宅マネジメント計画」は、老朽住宅は将来の必要性を考え建て替え・廃止するとともに、厚生年金住宅など当初の役割を終えた住宅を見直すことを基本にして、53000戸から4600戸程度に縮減する内容。建て替えが順次進めてられているが、新しい市営住宅は「マンション並み」の快適さを感じられるものである。
 また、バリアフリー化では、4~5階建ての中高層住宅では外付けのエレベーター設置が進められている。
 長野市では「公営住宅等ストック総合活用計画」に相当する計画である。現在の3590戸から10年後に3240戸まで縮小させるとともに、耐用年限を超えた木造・簡平・簡二は原則建て替え、中耐は築40年を目安に全面改善し長期間使用を図る(エレベーター設置)、利便性が低い団地は廃止を検討するというもの。
 建て替え等にあたり、住み替えが必要となることから、神戸市の建て替え事例は参考となろう。

 「神戸市高齢者居住安定確保計画」は、高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づくもので、「神戸市住生活基本計画」と「神戸市高齢者保健福計画」の実施計画との位置づけで、介護保険事業計画との連携・整合を図るものとされる。
 長野市では、高齢者の居住の安定閣は、住宅マスタープラン後期計画の中の一施策として位置づけられていて、神戸市の場合、高齢者の居住に関し特化した計画となっている点がポイントと思われる。
 高齢単身世帯、高齢夫婦世帯が増加する中での高齢者向け住宅の確保、民間賃貸住宅では約4割の家主が高齢者世帯を受け入れないとする実態から、民間への高齢者入居促進支援、介護保険施設等での居住系サービスの充実、高齢者世帯住宅のバリアフリー性能の整備、高齢者の住み続け・住み替えのための支援の充実、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるための慰留・福祉、生活支援の充実、相談体制の充実などを課題としている。
 具体的な施策としては、サービス付き高齢者向け住宅登録制度の普及(現在1000戸程度)、サービス付き高齢者向け住宅整備への国の補助制度を活用しつつ、高齢者のための居住支援協議会(民間事業者と)による支援、民間共同住宅バリアフリー改修への補助、親と子の近居支援(引っ越し補助10万円)、ハウジングアドバイザー制度による支援、市営住宅での住み替え支援、市営住宅における「安心すこやかルーム」の開設、スマイルネットによる相談対応菜とが展開されている。

 所感として…
 神戸市は大都市で共同住宅の割合が高く、長野市のように中山間地域を多く抱える中での住宅状況とは条件が異なるのだが、➊中山間地域で住み続けるための住宅の安定的な確保策、➋中山間地域から市街地への移住を考える市民への支援策(親と子の近居支援策を含め)、➌まちなか居住を進めるうえで高齢者住宅の整備促進、➍市営住宅の再編・統廃合における高齢単身世帯、高齢夫婦世帯の居住確保策の拡充、➎民間住宅への高齢者の入居促進支援策など、視点の据え方として、参考となる施策であると思う。
 特に高齢者福祉計画・介護保険計画と連動する高齢者の居住安定確保を特別に「計画」としている点は、長野市の現況を点検し、学びたいところである。

 因みに、神戸市議会事務局はFaceBookを開設しています。チラシをもらいました。トップページには何と議会事務局職員全員の写真が掲載されています。事務局としては運営・更新が大変だと思われるのですが、「いよいよ、そんな時代なんだ!!」というのが率直な感想です。時代遅れなのでしょうが…。議会事務局としての独立した権能を発揮しているものです。なかなか面白いです。「神戸市会事務局」で検索できます。
 私自身は、FaceBookに登録していますが、情報発信はブログ中心で、FaceBookは活用しきれていません。これからです!!
 SNS活用は、自分を含め議員側の対応を考えると、「長野市の議会事務局でも」とは、即座に提案できないですね…。後ろ向きですかね?…。