9月定例会の質問

9月9日から始まった本会議における一般質問は今日11日で終了しました。

私を含め23人の議員が質問に立ちました。

マスクを着用しての質問です。演壇・質問席には飛沫防止のアクリル板が設置されました。

9月定例会での質問は、台風19号災害の復興の道筋、7月の豪雨で床下浸水被害を発生させた北八幡川の治水対策、再度災害への備え、新型コロナのPCR検査体制や事業者支援の拡充、(仮称)公契約等基本条例制定の意義と課題、太陽光発電設備の設置に関する条例制定の意義、イトーヨーカドー撤退に伴う中心市街地の活性化の課題、戦略マネージャーによってまとめられた「長期戦略2040」の意義と課題、デジタル行政の推進などが論点になった印象です。

週明け14日~15日は、補正予算案をはじめとする議案を審査する常任委員会となります。

9日に行った私の質問を掲載します。取り急ぎ、質問原稿の掲載となりますが、時間の調整で一部質問をカットしました。

なかなか満足できる答弁を引き出すには至りませんでした。答弁を踏まえた今後の課題と対策については、順次まとめて報告する予定です。

既に「長野市議会インターネット議会中継」で録画配信がアップされましたので、市側の答弁を含め、ご覧いただければと存じます。

台風19号災害対応の検証と課題解決の取り組みについて

31番、改革ながの市民ネット、布目裕喜雄です。

(1)今日、異常な気候変動による自然災害に加え新型コロナウイルスによる感染症リスク・ウイルス災害という二重の災害・リスクの被害を如何に制御するかが喫緊の課題となっています。

台風シーズンのもと、昨年の台風19号災害の教訓を生かし、改善すべき点を速やかに改善し万全な体制を準備することが問われています。

7月には、台風19号災害対応の課題や対応策をまとめた「検証報告書」が公表されました。41項目で検証し、避難情報の発令・伝達や避難所の開設・運営、避難所以外の避難者への対応など8項目について、改善策を具体的に示し、マニュアル等の見直しとともに市と地域住民が連携する仕組みづくりなどを進めるとしています。

(2)検証報告書を踏まえた改善策の進捗状況について、実践的な教訓にしていく観点から、4点質問します。

一つは、「今後の災害においても、専門チームを立ち上げることとし、平常時から専門チームによる話し合いを行い、迅速な災害対応につなげる」とされている点について。避難所開設、避難所運営をはじめ、避難所以外の避難者対応、要支援者避難、保健医療、土砂撤去などのチーム編成が例示されているが、チームの編成、話し合いなど、実践的な対応につながる取り組みとなっているのか。また、マニュアルの見直し等が如何に行われ、徹底が図られているのか。

二つは、「避難情報を正確かつ確実に伝達するため、本部・支所、地区が緊密に連携できる仕組みの構築を図る」とされる点について。趣旨は理解するがその具体は何か。

三つは、新型コロナ感染症と自然災害の複合災害時の避難について。感染拡大を防止するため、指定避難所の避難者受け入れが通常の3分の1くらいにまで減少する中、分散避難、垂直避難、安全な地域の親戚・知人宅避難、車中避難を呼びかけているところですが、垂直避難による在宅避難や車中避難は災害関連死につながる危険性をはらみます。指定避難所への集中は避けられないでしょう。問題は、災害態様によって異なる避難所を如何に充足させるかが緊要です。地域ごとに避難所を充足させるシミュレーションはどのように行われているのか。例えば犀川の氾濫による浸水被害を想定した場合、安茂里や更北地区ではどのようにシミュレートされているのか。2次避難所として13の民間宿泊施設等との事前協定が締結されていますが、収容人数の現状と、これら2次避難所と指定避難所とのバランスある収容力についてどのように考えられているのか。

四つに、市の内部的な検証報告にとどまらず、NGOやNPOなどのボランティア、医療保険チーム、ボランティアセンターを支えた社協や社事協など広く外部支援者の意見を取り入れ災害対応の教訓を引き出し共有化することについて。

避難所運営の中でも、外部支援者の皆さんから「行政となかなか連携が取れない。上から目線の対応」といった苦言をお聴きしてきました。現場では目詰まり状態があったのではないか。大規模な災害対応は市職員のみで対応できるものではなく、発災直後から外部支援力、民間力に大きく依拠することになります。行政主導ではなく、対等平等な連携関係に基づく総合力の発揮が求められます。こうした観点からの課題の洗い出しが希薄なのではないか。今後の対応を含め見解を伺います。

次に、被災者支援の角度から1点質問します。

被災者の医療費の減免について、現在、9月末までとされているが、国民健康保険者、後期高齢者医療者等について、支援の継続が必要。さらに延長することを求めるがいかがか。

Withコロナ時代におけるPCR検査の抜本的な拡充について

(1)新型コロナウイルス感染症の感染拡大が止まらず、感染第2波の真っただ中といえます。

国は、PCR検査能力の確保を繰り返し言明するものの、感染した可能性のある患者が検査を希望してもなかなか受けられず、「検査難民」とも言える事態が国民の不安を拡大させている現状にあるのではないでしょうか。本来、PCR検査等を拡充し、感染者を把握し、隔離することで感染拡大を防止することによって、はじめて、社会経済活動と両立することができるようになります。

無症状者による市中感染が拡大しているとの指摘もある中、PCR検査等の体制を大幅に向上させることが問われています。

市長は議案説明で「感染者の早期発見が市民の安心感の醸成につながるよう一層の検査体制の充実を図る」と強調しました。

withコロナの時代にあって、感染の不安を抱え検査を希望するすべての市民に検査を実施し、安心感を醸成することが重要です。

(2)まず、現状の評価について伺います。

8月末までの相談件数は13,010件、それに対しPCR検査件数は1,902件(保健所で1323件、PCRセンターで579件)で約15%の検査実施率です。

市民からは、「検査を希望してもなかなか検査が受けられない」との声が届きます。保健所やかかりつけ医で相談しても、相談から必要なPCR検査に結びつかない現実にあるのではないでしょうか。「医師が必要と判断すること」が要件とされ、PCR検査について抑制的に対応されているということはないのでしょうか、現状の相談状況及びPCR検査状況に照らして、見解、問題意識を伺います。

(2)検査体制の抜本的拡充について、4点質問します。

一点目。市民の安心と安全のために感染リスクに向き合いながら仕事を続けるエッセンシャルワーカーを対象としたPCR検査の一斉実施・定期的実施が必要であると考えるがいかがか。

二点目。世田谷区では、東京大学名誉教授で同大学先端科学技術研究センターがん・代謝プロジェクトリーダーを務める児玉龍彦氏からの提案をうけ、「世田谷モデル」として、「いつでも、だれでも、何度でも」検査が受けられる目標を掲げ、「プール方式」による社会的検査の拡大に取り組んでいます。「プール方式」とは、例えば5人分をまとめて試験管に入れて検査する方法で、陽性反応があれば、改めて1人ずつの検体を調べるもの、反応がなければ5人分が一度に陰性と判断でき、検査時間や費用を抑えることができるとされています。米国や中国、韓国でも採用され、大規模な検査につながったとされます。

唾液検査の導入等により検査の拡充が図られているものの、一点目の質問と併せて、「プール方式」による検査の拡充を図り、エッセンシャルワーカーに対する定期的検査につなげられないか、見解を伺います。

三点目。かかりつけ医での検査実施は前進であると認識しますが、医師会をはじめ開業医の皆さんの理解がなければ進みません。季節性インフルエンザの流行期を迎えようとする中、開業医には大きな負担となる側面もあります。

検査キットの確保をはじめ、マスクや防護服、独立した検査室の確保など十分な支援により、開業医の安全を担保することが必要不可欠であると考えます。市の対応方針を伺います。また、開業医検査を1日72検体と想定し10月実施に向け準備が進められているところですが、民間検査機関の検査受け入れが適わなければ実効性がないことから、72検体検査の実現度を伺います。

四点目。保健所の機能強化について。仕事量が限界を超えているのではないかと懸念します。臨床検査技師の増員をはじめ、専門的技能を持つOB等の活用を図り、抜本的に機能維持・拡大を図っていただきたいと考えますがいかがか。

(仮称)長野市公契約等基本条例制定の意義と課題について

(1)(仮称)「長野市公契約等基本条例」の制定に向けて、公契約条例検討員会の議論を経て、条例骨子案がまとめられ、現在、パブリックコメントが行われています。

市民に良好な公共サービスを提供し、公契約に従事する労働者の労働環境の向上を目的とする「公契約等基本条例・骨子案」は、いわゆる理念条例として作られています。

理念条例とはいえ、入札における最低制限価格の引き上げや低入札調査基準価格の設定範囲の見直し、総合評価落札方式の拡大などの取り組みと併せ、条例制定の意欲は大いに評価したいと思います。問題は、この条例が、元請け段階から下請け・孫請けの事業者のすべての労働者にまで適正な賃金の支払いが行き渡るか否かにあります。

全国的には、公契約を結ぶにあたり、最低賃金を上回る自治体独自の賃金下限額(例えば公共工事設計労務単価の90%)を設け、適正な賃金を確保しようとする条例が制定されています。建設現場の下請けでは、公共工事設計労務単価の63%の賃金しか支払われていない実態(県建設産業労働組合調べ)があるからです。

条例の理念・目的、仕組みなどの骨格について議論してきた「公契約検討委員会」では、賃金下限額の設定・導入について賛否両論があり、見送られることになりました。そもそも、市長は、理念条例の制定を意図してきており、「結論ありき」でまとめられたものともいえるでしょう。

(2)公契約条例の原点、意義に立ち返って、実効性のあるより良い条例に仕上げていく観点から、提案を含め4点質問します。

1点目。発注者責任において、公共工事設計労務単価等を基準とする市独自の賃金下限額を盛り込み、建設工事等における適正な賃金の支払い、労働環境の向上を図ることが重要であると考えるがいかがか。

2点目。賃金条項について、検討委員会の議論では賛否両論がある中で、委員長は「賃金型にするのであれば、下限額の設定など非常に精緻な議論が求められる。まずは理念型でスタートしながら、下限額の設定等について継続的に検討していく市としての責務の書き込み、さらなる公契約条例のステップアップの方向性を示すことができるのではないか」と意見集約、問題提起されてきました。ステップアップの方向性についてどのように考えるか、条例の見直し規定の明記を含め、見解を伺う。

3点目。労働環境報告書の提出義務の対象は、予定価格1億円以上の建設工事請負契約(H30年度で28件・3.5%)、1千万以上の業務委託契約では指定管理協定を含めて(H30年度で122件・13.3%)で、極めて限定的です。対象予定価格を引き下げ、より多くの契約で労働環境報告書が提出され、検証されることが必要であると考えるがいかがか。

4点目。条例の運用状況を検証するため、必要に応じ「協議の場」を設けるとされている点について。任意の委員会等で、果たして十分な検証となりうるのでしょうか。市の附属機関となる、例えば「公契約審議会」等を設置し、一定の拘束力を持ちながら、条例の運用や効果を継続的に検証することが必要であると考えるがいかがか。

交通崩壊の危機を乗り越えるために

(1)コロナ禍のもと、重要な都市インフラであり市民のライフラインである公共交通の崩壊の危機が懸念されます。バス事業者にあっては、高速バスや貸切バスの収入が激減し、今なお回復しない結果、路線バスの維持・継続が極めて困難となる局面を迎えているからです。

本市では、6月専決補正で、県バス協会やバス事業者からの支援要請を受け、公共交通を維持継続するための奨励支援策として自主路線の維持を目的に支援策が講じられ、県においても仕組みは異なるものの支援策が講じられてきたところであるが、交通事業者が公共交通を維持・継続できる十分な支援となっているのか。さらに継続的な支援が必要と考えるがいかがか。

(2)移動需要の回復がなかなか見通せない中、市内路線バスの運行について不採算路線の減便・廃止が協議対象となる事態を非常に危惧します。地域公共交通活性化再生法の改正(まだ施行されていないが)を見据え、市民の足を守り続ける観点から、対策を準備することが必要だと考えるがいかがか。

また、松本市では公共交通網の公設民営化が検討されています。本市では市内2事業者による自主路線の運行が公共交通網の基盤となっていることに鑑み、公設民営化という手法も考える局面なのではないか。併せて見解を伺います。