緊急事態宣言…国会の事前承認が不可欠である

新型コロナウイルスのさらなる感染拡大に備えて、首相の「緊急事態宣言」を可能にする新型インフルエンザ等対策特別措置法が成立しました。

安倍首相は14日の記者会見で、緊急事態宣言について、「現時点では宣言する状況にない」との認識を示し「万が一の備え」であることを強調したものの、「私権の制限」につながる懸念は払しょくされません。

首相が緊急事態を宣言すれば、都道府県知事が住民の外出自粛などの行動制限を要請できるもので、医療施設用に土地や建物の強制使用なども可能になります。

要請、指示できる措置は多様で、従わなかった場合には罰則が規定されています。

WHOが「パンデミック」と規定した新型コロナウイルス感染症に対する拡大予防措置は国境を越えて問われています。

しかしながら、私権を制限する「緊急事態宣言」の発動には、慎重な対応が求められることは言うまでもなく、首相の「濫用」を止める国会の権能が欠かせません。

それは、「国会の事前承認」を法律に盛り込み、厳しいハードルを課すことです。

「事前承認」を盛り込むことができても、今の与野党状況では意味がないみたいな議論がありますが、野党としての政権監視機能の放棄につながりかねない「危うい」発想だといわなければなりません。

付帯決議に盛り込まれた「国会への事前報告」では、首相の場当たり的・恣意的濫用を止めることはできません。

憲法に緊急事態条項を盛り込むことに執着し、かつ、臨時休校の要請など国民生活に直結する政策決定を科学的・疫学的な根拠が希薄なまま「政治判断」で決めてきた安倍首相故になおさらのこと「濫用」が憂慮されるのです。

確かに、与野党協議の中で、野党側が「国会での事前承認」を要件とするように修正を求めましたが、与党が応じなかった経過はあります。

であれば、「国会の事前承認」が盛り込まれないことをもって、法案に賛成しない姿勢が求められていたと考えます。

少なくとも、社民党は、この道を選択すべきでした。

社民党は「幹事長談話」の中で、『与野党党首会談で、安倍首相より改正法への協力依頼があり、「宣言」後の「私権の制限」について謙抑的であるべきとの社民党の主張に対しては、重く受け止める旨の回答があった』とし、「共同会派の一員」として賛成に回った理由を示していますが、納得できるものではありません。

➡3月12日 新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律案の衆院通過にあたって(談話)

➡3月14日 安倍首相の記者会見について(談話)

2012年の現行法の成立時には、社民党は、「緊急事態宣言」により国民の権利を制限する懸念があり、拙速な審議であったために反対しました。情況は変わっていません。「共同会派の一員」とはいえ、今回も筋を通すべきだったでしょう。「退席する」という判断も選択肢にすべきでした。

社民党の法案賛成の判断は、禍根を残すもので、間違いであると強く主張します。

コロナウイルス感染の一日も早い収束を願いつつも、強い憂慮を表明します。

いろんな受け止めがあろうかと思います。ご意見をいただければ幸いです。