11日の一般質問(原稿より)

 11日に行った私の質問です。答弁を含めたまとめは後日となります。あしからず…。
 質問の様子は、長野市議会ホームページ・市議会中継録画のページ「インターネット市政放送」でご覧いただけます。5番目の質問者です。
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 32番、市民ネット 布目裕喜雄です。

1.市長の市民に対する責任と市民の幸せについて

(1)鷲沢市長はようやく進退を表明されました。「3期が限界」とされてきた鷲沢さん流の美学が全うできたということでしょう。ご苦労様でしたと労をねぎらいたいと思います。
 とはいえ、自らの進退にのらりくらりを続けた姿勢は決して評価されるものではありません。市長選挙は、出馬を予定する方それぞれが、市民の幸せを考え、自らの政治政策理念・長野市の将来像を議論することを通して、市民が長野市のリーダー・将来を選択する重要な市政参画の機会です。
この間、現職の進退を軸に選挙構図だけが先行することで、市民にとって長野市の将来設計、まちづくりについてじっくり自らの選択を考える時間が狭められてきたのではないでしょうか。市政と市民との距離感をより広げてしまうような状況を作ってしまったのではないでしょうか。
自ら限界としてきた3期の終わりの混乱・混迷を見るにつけ、現職市長としての市政を預かる責任、市民に対する責任について、どのように考えていらっしゃるのか、質問します。

(2)市長は市政3期12年を振り返り、自らの集大成をメルマガで公表してきました。興味深く読ませてもらいました。
 官主導とはいえ、都市内分権の発想から住民自治の重要性を指摘し、住民自治協議会という枠組みを作ったこと、公共交通網を都市インフラと位置づけ、交通不便地域・交通空白地域の解消に向けた整備を図ってきたことなどを率直に評価します。
 一方で、市民が優先して取り組んで欲しいと願う「安定した雇用の確保」、「医療・介護、福祉の充実」、「子育て支援の充実」などについて、国の施策の域を超えず、市民生活に安心が実感できる施策展開には大きな課題を残していると考えます。
 市民の関心が極めて高い福祉や子育て分野、社会保障政策において、市長は「ナショナルミニマムの重要性」「国の政策を所与のものとして施策展開を図る」ことを持論としてきました。しかし、格差が広がり貧困が大きな社会問題となっている今日、市民が求める施策優先度とのかい離にしっかりと目を向け、市独自の「横だし・上乗せ」施策の展開により、市民の不安を解消し、市民が幸せを実感できる市政の営みが求められると考えます。
 自治体の長は、国の施策を是とするだけでなく、市民に向き合い、市民生活の不安に着眼し、国施策の足らざる部分を補い、税金を優先的・有効的に活用する施策展開が必要です。転換が必要です。次に託すにあたり、所見を伺います。

2.施設建設・大規模プロジェクト事業について

(1)10の大規模プロジェクト事業は、建設請負工事の契約が順次進んでいます。同時に、事業者の協議申し入れにより、労務単価の引き上げの反映や、資材費高騰のスライド条項に照らした契約の見直し作業が進むことになります。
(2)そこで3点質問します。
 一つに、H25年度予算編成方針等で示されてきた10大プロジェクトのそれぞれの事業費見込みについて、どれだけの影響があるのか。予定事業費を超える事業はあるのか。ある場合は、財源はどうなるのか、市の持ち出し分への影響はどれだけなのか、合併特例債の活用に問題は生じないのか。今日段階の見通しを伺います。
 二つに、「事業費増大の可能性がある」としか答弁できないのであれば、どのような事柄について検討を要することになるのか、どの段階で市民に情報開示し、市民理解を得るつもりなのか、説明責任と市民理解について質問します。
 三つに、労務単価引き上げは、下請け事業者を含め適正に対応されることが重要です。事業者において適正に対応されるとの姿勢では、実効性は担保されません。設計労務単価引き上げの実効性についての監督・指導はどのように担保されるのか、伺います。

3.新交通システム導入可能性と長野市公共交通ビジョンについて

(1)長野電鉄屋代線の廃止に端を発した新交通システムの導入可能性調査は、「一部に可能性が見込めるものの、事業の難易度が高く、短期での整備・実施は困難」であるとした上で、「中期的にはBRTについて検討を進め、長期的にはLRTヘの移行を検討する」とまとめられました。長野市公共交通ビジョンの策定検討に引き継ぐ形で、現在、交通対策審議会での検討が始まっています。
(2)長野市の公共交通網の整備は、重要な都市インフラとの位置づけのもと、バス路線網再編基本計画に始まり、生活バス交通を柱とした地域公共交通総合連携計画、曰く「市民の暮らしを支える長野バス交通プラン」のもと、合併町村における市営バスの再編・維持、交通不便地域・交通空白地域における公共交通ネットワークの整備、そしてバス交通の利便性を高める「ICカードくるる」の導入が図られてきました。
 新交通システム導入の検討や公共交通ビジョン策定にあたり、バス交通を柱として展開してきた、これまでの公共交通網整備の総括がまず必要であると考えます。

 そこで質問します。
 バス交通プランにおける、H24年度・H25年度両年度に跨り設定された目標値は、市内バス路線の年間利用者1000万人、路線バス利用者の満足度50%、バスサービスの認知度・「知らなかった」割合を20%とするものでした。
 達成度はいかがか。合わせてICカードの定着度・満足度における中間評価はどのようにされているのか。「アンケート実施中で、そのまとめを待って」という答弁だけでなく、現状から判断される指標的なものを示されたいと思います。
 合わせて電動バス運行の社会実験の中間的評価を問います。

(3)策定される「公共交通ビジョン」が、公共交通利用促進施策の充実と合わせ、自動車利用の規制的手法の検討に踏み込んでいる点を評価します。地球温暖化防止の取り組みを確かにものにするとともに、あわせて歩くことによる健康増進、公共交通の維持確保につながる取り組みとして、便利なマイカーを我慢し公共交通への利用転換を図る突破口になることを期待しています。
 しかしながら、ビジョンがまとまり施策化されていくには、少なくとも1年から2年、或いはそれ以上かかることになります。
「乗って残す公共交通」の目標を市民に浸透させ、成果を上げるためには、2年間の空白を作らず、できることに着手することが重要です。
そこで3点、提案します。
 一つに、県が実施する「県下一斉ノーマイカー通勤ウィーク」を長野市域において主体的に取り組むこと。今年度は年1回となりましたが10月7日から13日の期間で取り組まれます。事業所単位の取り組みですが積極的に参加を促すとともに、来年春の段階で、市独自の取り組みとして展開することを提案しますが、いかがか。
 二つに、例えば、「土日をカーフリーデーに!家族でお出かけデー」というようなイベントを企画し、事業者には土日を平日ダイヤで運行してもらい、家族割引を含めたICカード利用を図るような取り組みを提案します。小中学生にバス利用を体験してもらい、公共交通の大切さを広げるモビリティマネージメントの一環として取り組む視点も必要でしょう。見解を伺います。
 三つに、善光寺表参道・中央通りにおけるマイカー規制の社会実験の実施です。いろいろな課題があることを承知しつつ、マイカーの乗り入れを規制し、公共交通と歩行者・自転車通行を確保し、歩く街通りを検証する実験として提案します。所見を伺います。

4.公設民営方式による広域ごみ焼却施設の建設及び運営管理に係る公共の関与・責任について

(1)長野広域連合が市内大豆島に建設する新しいごみ焼却施設の建設及び運営管理について、公設民営の「DBO(デザイン・ビルド・オペレート)方式が最適」との結論をまとめ、11月の広域連合理事会で決定される予定となっています。
 私は、公設民営方式に絞り込んできた事業手法の検討経過を尊重、踏まえつつ、今日、民営となるDBO方式における公共=行政の関与の重要性、将来的な持続性、住民合意について、4点質問します。

 1点目は、民間に運営管理を委託するとしても、ごみ焼却施設の安全性・持続性の最終責任は行政にあります。行政としての関与・責任はどのように担保されるのか。
 
 2点目は、外部のモニタリングを行うとされるが、専門委員に市民参画も加え、建設段階から運営管理段階まで一貫した安全性確認フォーローアップ委員会等を設置し、日常的な監視態勢を作るべきと考えるがどうか。

 3点目は、DBO方式において契約期間は15年から20年とされている。新しい施設は少なくとも40年は稼働させるもの。20年以降の施設の維持、運営管理についてどのように考えているのか。

 4点目は、新しい施設は灰溶融炉を設置する計画ですが、未だに県内では、溶融スラグの利活用の道、溶融飛灰の処理方法の道は開けていません。このままでは、将来性なき見切り発車となりかねません。最終処分場建設に関わる問題ではありますが、溶融スラグの利活用の道が見えない現在、安全性・経済性の観点から、灰溶融炉の施設の是非について、再検討すべきではないか。

(2)民営化されることから、長野市清掃センター・須坂市清掃センター・北部衛生クリーンセンターの職員の処遇・雇用問題が発生することになります。
 ごみ焼却施設はH30年度稼働計画、あと5年です。
 DBO方式による建設・運営管理を決定する段階で、職員全員の雇用継続を確認するとともに、現在の現業職員の技能・技術が活かされる職員配置に万全を期すことが大切です。対応について明確な答弁を求めます。
 また、運営管理を民間事業者に任せる上で、最終的な管理監督責任を負う行政において、ごみ焼却施設の管理・運営に関する専門的な知見と技術を持った職員を擁し、持続的な管理監督ができる態勢を今から準備していくことが重要です。長野市行政として、そして広域連合の態勢として、どのように対応していく考えかを質問します。

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