試行で始まる市議会政策等説明会

長野市では、重要な政策・施策について、市議会に対し月1回のペースで報告説明を行ってきていますが、従来、市議会会派ごとに説明してきた方法を改め、全議員を対象に一括説明する「市議会政策等説明会」(略称・政策説明会)として行うこととなり、1月10日初めての政策説明会が、全員協議会用の第1・第2委員会室で開かれました。非公開です。

他の議会における、理事者側からの政策・施策にかかわる報告・説明がどのように行われているのか、詳細を把握している訳ではありませんが、全員協議会を活用しているケースが多いようです。改革ネットとしては、協議と調整の場である全員協議会を活用した報告説明会を提案してきた経過があります。

重要政策等の監視・評価の職責を如何に果たすのか

二元代表制の下において、市長等の事務執行や重要政策等の監視・評価という市議会側の職責を如何に果たしていくのかという観点から、「政策説明会」をキチンと位置付けることが重要であると考えます。

これまでは、秘書課が窓口となり、会派ごとの会派総会で報告説明をしてきましたが、会派総会における説明件数が増加傾向にあり、部課長ら理事者の待機時間を含めた拘束時間が長くなってきていることから、全議員への一括説明に変更したいとの申し出を受けた形です。

市議会側が、市側の政策情報等について統一的に共有できるという意味で、一括説明方式は受け入られるものではありますが、大きな問題があります。

質疑無しは見直すべき

全体会は説明のみで質疑の時間を設けないということです。
質問がある場合は、会派ごとに補足説明会を別途行うというものです。
これでは、理事者の拘束時間の緩和にはつながらないと思うのですが…。

因みに、改革ネットとしては、初回ということもあり、9つの報告事項に対し、「全て質問あり」と通告し、午後、補足説明会を行いました。

理事者側からの申し出について協議した議会運営委員会では、「全体会で質疑を行い、質疑を通じて明らかになる補足説明を含めて市議会全体で共有できるようにすべき」、「議会側が進行すべき」と提案してきました。

質疑については、「試行段階であり、実施してみた上で再検討する」、議会側の進行については「議会運営委員長が進行役を務める」ことになりました。

特に質疑に関しては、会派ごとにしっかり対応したいという問題意識が働いていることが背景にあります。市議会全体での情報共有と会派としての問題意識をどのようにバランスをとるのか、なかなか難しいところではあります。

議会基本条例に照らして

私としては、長野市議会の議会基本条例に基づき、「政策説明会」を市長が提案する重要な政策、計画、施策、事業等(以下、重要政策等)の説明を求める場として位置づけ、議長が進行役を務めるべきであると考えています。

望ましい形は、「議長招集による全員協議会における重要政策等の説明・質疑」だと考えます。議事録も作成することになりますから、議会事務局スタッフの増員も合わせて考える必要があるでしょう。

【長野市議会基本条例】
第16条 議会は、市長等と常に緊張ある関係を保持し、市長等の事務の執行の監視及び評価を行うものとする。

第17条 議会は、市長が提案する重要な政策、計画、施策、事業等(以下「重要な政策等」とい う。)について、次の各号に掲げる事項の説明を求めるものとする。
(1) 重要な政策等を必要とする背景
(2) 検討した他の政策案等との比較検討
(3) 重要な政策等の形成過程における市民の意見公募等の実施状況
(4) 総合計画における根拠又は位置付け
(5) 関係法令及び条例等
(6) 財源措置
(7) 将来にわたる効果及び費用
2 議会は、重要な政策等の提案を受けたときは、立案及び執行における論点及び争点を明らか にするとともに、執行後における政策評価に資する審議に努めるものとする。

1月10日政策説明会の報告事項は次の通り

1 (仮称)後町ホールの運用
2 長野市国民健康保険事業第1期財政健全化計画の策定
3 旧松代福祉寮跡地の(社)湖会への売却
4 デンマークの水泳事前合宿に関する覚書の締結及びホストタウン申請
5 市営住宅の入居基準の見直し
6 城山公園噴水広場の基本設計素案のパブコメ実施
7 「まちなか広場」(セントラルスクゥエア)の整備
8 もんぜんぷら座の在り方検討
9 統一的な基準に基づく地方公会計制度による財務書類の作成報告

保険料率の引き上げを含む国保財政健全化計画

特に問題なのが、国民健康保険事業の財政健全化計画です。
今年4月から国保事業が県に一元化されることに伴い、赤字補てんを目的とした法定外繰入の計画的な削減・解消が市町村に求められることになります。

長野市の場合、約10億円の赤字解消計画が必要となり、第1期5年間の計画に保険料率をH31年度とH33年度にそれぞれ0.30%(4,300円)引き上げる内容を盛り込んでいることです。

国の制度見直しに基づき、つくらざるを得ない計画ではありますが、保険料率の引き上げを盛り込まざるを得ない点は直ちに「了」とするわけにはいきません。国は毎年3,400億円規模の基盤強化を行うとしていますが、国庫負担の抜本的な強化が求められるところです。

詳細は、別途まとめて報告したと思います。