地方自治・分権を壊す…国の指示権拡大図る地方自治法の改悪

国の指示権を拡大する地方自治法の改定案が衆議院で自民・公明・維新・国民民主各党などの賛成多数で可決されてしまいました。「対等・協力」と定められている国と地方の関係を壊し、自治・分権の流れに逆行するものといわなければなりません。

駒ケ根市や辰野町、小海町、栄村の市町村議会では議員発議で慎重審議や見直しを求める意見書が採択されています(5月31日付の信濃毎日新聞)。

長野市議会でも議員発議で異議ありの声を上げてもらいたいものです。

地方自治法改定案の問題点を社民党の”主張”より紹介します。

地方自治体は政府の下請け機関ではない。

日本国憲法第92条は、地方自治の基本原則を明記し、政府から独立した「団体自治」と住民の意思に基づく「住民自治」を保障している。政府と地方自治体は対等な関係だ。

ところが、この地方自治を根底から侵害する地方自治法改正案が今国会で審議されている。同改正案を何としても廃案にしなければならない。

同法案は、「大規模な災害、感染症のまん延その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生し、又は発生するおそれがある場合」に、閣議決定によって、住民の生命・財産を守るために「必要がある」とすれば、自治体に指示を出し義務を課せるようにする内容。

第1の問題点は、現行法では、国の指示権は災害対策基本法などの個別法に規定がある場合のみ、国は地方自治体に指示できるが、改正案では非常事態時には個別法に基づかずに国が指示でき、指示権が事実上無制限になりかねないことである。

第2の問題点は、改正案が地方分権の理念に逆行することだ。2000年の地方分権一括法で、国と地方は「対等・協力」の関係になった。それが「上下・主従」に逆戻りし始める危険性があること。

第3に、「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」に災害や感染症を例示しているが、「その他」「これらに類する」など「事態」の範囲は不明確だ。「おそれがある」などの判断は全て政府に一任され、恣意的運用になりかねない。

第4に、歯止めがかかるかという問題だ。法案には事前に自治体の意見を聴く手続きが盛り込まれたが、努力義務にすぎず、実効性が担保されていない。見切り発車の閣議決定で発動できてしまう。

法案の真の狙いは何なのか。それは沖縄県民の意思を無視して辺野古新基地建設が強行されたように、住民の意思を顧みずに地方自治体を「戦争する国」づくりへ強引に隷従させることである。社民党は廃案にするため全力で闘う。

Related Images: