「何とか電車を残したい一心で今日は来た。屋代線の廃止はまさかの結論で極めて残念だ。なんでこんな簡単に電車が廃止になるのか」…星沢重行・若穂地区住民自治協議会会長の憤りの声だ。
長野電鉄屋代線の今後の方向性を決めるために開かれた第12回長野電鉄活性化協議会は、屋代線を廃止しバス代替に転換する方針を多数決で決めた。会では「鉄道による実証実験の継続」、「鉄道の一時休止」、「鉄道の廃止」の三つの案について、会長を除く26名の委員による無記名投票が行われ、「廃止」が14票、「実験の継続」が11票、「白紙」が1票の結果に。過半数ギリギリの14票を得た「廃止」に決められた。
今後、バス運行の本格稼働まで活性化協議会は継続し、まずバス路線やバス停などについて調査研究し、バス運行計画を素案としてまとめ、次回2月24日の活性化協議会に諮り決定するとされた。また、長野電鉄は「廃止届がむやみに伸びるというのは好ましくない。早急にバスの路線を協議会で決めてもらうことが望むところ」と述べ、屋代線の廃止届をバス運行計画の決定後に提出する考えを示した。廃止届提出から原則1年後に鉄道は廃止となる。
「実証実験の継続」は、沿線の若穂・松代地区の両住民自治協が連名で要望し、長野市議会公共交通対策特別委員会としても意見をまとめ要望してきた案である。千曲市議会も同様の態度決定をし、昨日1日には「屋代線を考える議員連盟」としても実証実験継続を協議会会長に要望してきた。投票になれば厳しいであろうことは予想していたものの、沿線の真剣な想いと決意が、協議会委員の心を突き動かし、実験継続への活路を切り開けることに一縷の望みを託していただけに、愕然たる重い失望感が募る。極めて残念な結果だ。しかも、「一時休止」がゼロで、1回目の投票で「廃止」に決定することは全くの想定外であった。
「屋代線は自分たちの鉄道。自分たちの鉄道だから自分たちで守っていきたい。地元の負担も検討し、存続への知恵を出し合いたい」とする沿線の訴えは、「廃止」票を投じた委員の心情には響かなかったようだ。また「いすみ鉄道の取り組みに学び利用促進策以外で収益を上げる取り組みなど活性化策を見直すべき」との学識委員の意見も顧みられなかった。存続を訴え続けてきた古平委員は委員を辞任した。筋を通した行為であると思う。
「廃止」票を投じた委員の皆さんに問いたい。今までの協議会の中で「廃止やむなし」と意見表明した委員はいらっしゃいましたか? 本当に真剣に活性化策を検討されたのですか? 事務局提案を黙って追認してきただけではないですか? こんな形で、沿線住民の想いに責任を持てるのですか? 住民の意見や議会の意見はどのように顧みられたのですか?
しかし、活性化協議会が「廃止」を決めたとしても、これで終わりではないはずだ。鉄道の廃止届が出されてから、沿線の住民運動によって再生された事例も多くある。沿線住民の皆さんが悔しい思いとともに行政への不信感を募らせているであろうことは容易に想像できる。しかし、これで終わりにしてはならない。あきらめないでほしいと心から願う。
そもそも、地域公共交通活性化再生法に基づき、屋代線の活性化を協議するための組織で「廃止」を決めてしまうことが適法・適正なのか。「11対14」という僅差での決定が果たして「協議会の総意」と言えるのか。沿線住民の合意なき方針決定は、「市民・行政・事業者の協働による公共交通の再生」の必要条件を満たしているのか。協議会の委員構成に問題はなかったのか。バス代替で本当に移動手段が確保できるのか、マイカー利用への回帰を一層助長するだけに終わってしまうのではないか。「駅」なき屋代線沿線のまちの活性化に展望はあるのか。根本的な疑問を数多く残しているといわなければならない。
2月4日には公共交通対策特別委員会が開かれる。活性化協議会の結論が全てではない。議会=「政治の次元の議論」となる。論点整理を急ぎたい。

