6月定例会…本会議質問

6月15日午後、本会議における一般質問を行いました。時間の都合で(4)の地域公共交通の存続維持の課題は割愛するとともに、再質問をしたため時間がなくなり、他の質問も原稿通りとはいかず端折ることになりました。答弁を用意いただいた理事者の皆さん、ごめんなさい。

取り急ぎ、用意した質問原稿をアップします。

インターネット議会中継で質問の様子を録画でご覧になれます。アクセスは👇。【6月16日追記】

1.青木島遊園廃止問題の検証と「青木島こども未来プラン」の実効性について

(1)住民を巻き込み、住民の期待を裏切る顛末となった青木島遊園地の廃止問題。住民本位の市政運営、こども真ん中社会の実現の観点からの当事者である子どもが主体となった子ども本位の市政運営、市行政の意思決定と説明責任、市民との合意形成に極めて大きな禍根を残しました。何よりも子どもたちに寄り添えなかったことが心底悔やまれます。

(2)なぜ、市は迷走し住民の期待に応えられなかったのか、何を教訓とするのか、真摯な反省と今後の対応が求められるところです。

副市長をトップとする検証委員会を立ち上げ、検証を進めていくとのことですが、何をどのように検証していくのかが重要です。市長は、反省点として「区長会に任せすぎた」「住民自治が課題」とし、「行政が仕事を進めていく手順の明確化」にも言及していますが、三つの観点からの検証が必要と考えます。一つに、行政内部の意思決定プロセスに何が欠けていたのかといった視点で検証すること、二つに、「住民自治」を深め広げていく観点から、十分な説明責任が果たせなのか、区長会や住民自治協議会における十分な住民合意形成の在り方と市行政のサポートの在り方を検証すること、三つに、子どもに関わる施策決定において、当事者である子どもの意見を反映していくプロセスをいかに保障していくのか、三つの観点から検証が必要であると考えますがいかがですか。

また、検証委員会においては、専門的知見を有する第三者委員を交え検証を進めていくと答弁していますが、私が指摘する3つの観点全てに第三者が入ることを求めます。見解を伺います。

(3)次に、青木島こども未来プランを実効性あるものにする観点から質問します。プランの決定に向けて学校区を中心に広く意見を求めているところです。同じ轍を踏まないためにも、広く十分な意見反映による合意の上に進むことを願いますが、一方でスピード感も求められます。以下、5点質問します。

➊遊び場として小学校の中庭使用を可能とする職員配置は十分なのか。

➋児童センター職員の協力体制は十分か。

➌プールを廃止し保護者駐車場と新たな車動線の整備確保は今年2学期以降となりますが、それまでの間の騒音等の抑制を図る代替措置はいかようなのか。

➍ぷらざとの統合に向けた工程表はどのようになるのか。

➎老朽化した青木島保育園の移転新築プランの実現に向けた現在の到達点はいかようか。

(4)青木島児童センターの遊び場の確保の問題に関連して、市内の児童センターで園庭=屋外の遊び場がない施設が3カ所(箱清水・加茂・吉田)。子どもたちがのびのび遊べる遊び場の確保ができていません。どうするのか。ぷらざとの統合を見据え、学校施設内で確保していく見通しを示すだけでは「放置状態を容認する無責任な姿勢」の誹りを免れません。早急な対応を求めますがいかがですか。

※児童センターでは、独自の遊び場・園庭ありが11施設。園庭はないが隣接する学校グランド・公園等が利用可能が20という状況。。園庭については設置基準無し。

2.「こどもまんなか社会」、子ども権利条例、子どもの意見表明権について

(1)子どもの権利条例について質問します。私は、子ども達に「意見表明することができるよ。守られているよ」というメッセージを届け、権利の主体としての子どもの育ちを支えていくために市独自の権利条例の制定を求めてきた一人ですが、市長は前市長と同様、「県の未来を担う子どもの支援に関する条例で十分、子ども達の権利は守られる」と一貫して条例制定を否定してきました。

ところが一転、3月定例会で「条例の制定に向け議会と相談していきたい。積極的に進める」との姿勢に転じ、今議会冒頭でも「議員と協力して制定をめざす」と強調しました。条例制定に前向きな転換は評価するものですが、今日なお具体が見えていません。

市独自の条例制定が、子どもの権利条約に明記される、子どもの「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」の4つの権利を守り保障するとともに、さらに権利内容を豊富化し、家庭・学校・地域における権利保障、子どもの参加機会の保障、独自の相談・救済機関の設置、具体的な行動計画の策定などを明記し、子どもたちへのメッセージ性を重視するとともに子ども真ん中社会におけるまちづくりの指針となることを求めますが、市長の条例制定に向けた転換の真意と、「議員と協力して制定」とは、議会に対し具体的にどんなアクションを想定しているのか、見解を伺います。

 *共同のプロジェクトチーム・研究会の設置/市議会への特別委員会の設置のアプローチ等の手法は?

(2)独自の条例制定を待つまでもなく、子どもの意見表明権の保障は待ったなしです。4月に施行された「子ども基本法」は子どもに関わる政策に子どもの意見を反映させるよう国や自治体の責務としました。しかし、青木島遊園地閉鎖の局面では児童センターの子どもの感謝の意を表す機会が大人の的外れで間違った考えで奪われました。子どもの意見表明権に対する認識、問題意識の欠落が招いた悲しい事態といえます。そもそも、遊園地の廃止に関し、遊園地を使用するこどもの意見を直接聴くことはありませんでした。

国は新制度として「子ども若者いけんぷらす」の取り組みをはじめ、県内からも62人が登録され、また東京都は「こども都庁モニター」に取り組むとのことです。

本市における具体化、少なくとも、子どもに関わる政策決定プロセスにおいて、当事者である子どもの意見表明の機会を保障する仕組みをつくることが必要です。政策・施策の実効性を高めることに確実につながります。見解を伺います。

(3)子どもの心の声をくみ取ることは、決して容易ではありません。自分自身で声を上げられない子どもは少なからず存在しています。虐待などの傷を受けている場合はなおさら声を挙げにくい状況にあることは言うまでもありません。

現状の日本社会では、子どもを権利の主体としてではなく、保護の対象として見る傾向が根強く残ります。大人社会の「こども感」から脱却、転換しなければなりません。。こうした中で、子どもの意見を聴いて代弁する仕組み「子どもアドボカシー」の整備など、子どもの意向を把握し権利を擁護する態勢の構築が急がれます。福祉環境委員会で視察した尼崎市でも取り組みが模索されていました。取り組み姿勢を伺います。

(4)また、視察先であった奈良市(中核市)では独自に児童相談所を開設、同じく中核市である尼崎市ではR8年の開設に向け準備をしています。本市においても、先見の明を持ちながら中核市として独自の児童相談所の開設に向けた準備に着手することを提案します。いかがでしょうか。

場所や専門スタッフの確保など課題が多いことは承知しますが、市内の子ども達のSOSに一貫して切れ目なくサポートできる意義を重視し、決断を求めたいと思います。

(5)子育て支援に関して

子どもの福祉医療費の18歳年度末までの対象拡大を評価したうえで、受給者負担金の段階的廃止の具体化を求めたい。「段階的な実施を含め、さらに検討」とした答申の趣旨を、市側が棚上げ・先送りすることなく前向きに受け止め、対応を急ぐことが重要でしょう。特に「段階的実施」について、「未就学児」を「第一段階」として具体化することを求めます。見解を伺います。

3.母子生活支援施設の「今後」について

(1)子育て支援を進めながら母子の生活と自立を支援するため、児童福祉法に基づき設置される母子生活支援施設は、老朽化対策が喫緊の課題であることから、4年前に早期の移転・改築を含む抜本的改修を質問で取り上げてきました。

今日、母子生活支援施設はDV被害者の一時保護施設として、さらに困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の施行を控え、女性保護・支援が特段に求められていることからも、より緊急性を増しており、広域的な役割も担う施設です。

 3月定例会では「(当該)母子生活支援施設について、老朽化に伴う建て替えや機能強化について、早急に結論が導き出せるよう検討していく」と答弁しました。

(2)検討が進められているものと推察しますが、明確な方向付けを具体化してもらいたい。現在地で、隣接し社会事業協会により一体的に運営されている障害者福祉施設と連動させ、公設民営方式を見据え、施設は市の責任で早期に建て替える方針を確立し、事業化を図っていただきたい。見解を伺います。

4.地域公共交通の維持存続の課題について

(1)交通・物流業界における2024年問題は、公共交通の維持存続を考えるうえで避けて通れません。2024年問題とは、働き方改革関連法によって2024年4月1日以降、自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限されることによって発生する問題の総称とされます。

今日、交通産業の構造的問題である長時間労働・変則勤務・低賃金を余儀なくされるバス運転手の不足がコロナ禍でより深刻化する中、さらなる収入減、離職に拍車がかかり、路線バスが運行できなくなることが懸念されます。バス事業者は回復しつつある収益性の高い貸切バスや高速バスにシフトし、路線バスの減便・廃止、或いは運賃値上げに動きかねず、負のスパイラルを加速しかねないことも懸念されます。

この事態を回避していくためには、路線バスの公設民営化により、バス車両・更新経費を軽減し、市の関与による、より最適なバス路線網の構築に着手することではないのか。さらに、バス運転手の雇用、大型2種免許取得にあたり、県と連携し支援策を講じていくことが必要ではないかと考えます。見解を伺います。

(2)スイカなどが使える地域連携交通ICカードへ「くるる」の更新がR7年度にスタートします(更新経費に6億~7億円)。県は地域連携ICカード導入支援事業をR5年度から予算化し、システム開発費や設備整備費などの導入に要する経費について1/3を支援することになります。国が1/3を補助することから、残り1/3を市及び事業者が負担するスキームが想定されます。。

前述したようなバス産業・事業者の状況に鑑み、事業者負担を軽減し、市が支援する財政スキームを求めたい。利便性を高め利用しやすい公共交通網を再編・再構築させていくことを前提においたうえで見解を伺います。

Related Images: