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09年2月1日
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議会基本条例検討特別委員会で行政視察…その1・郡山市議会編

1月26日から28日にかけて、副委員長を務める「議会基本条例検討特別委員会」で、議会運営委員会と合同で、議会改革と議会基本条例をテーマに、26日に福島県郡山市議会、27日は三重県議会、28日に三重県伊賀市議会を視察しました。
 この間、長野市議会では議会活性化の一環として、質問席を設けての「一問一答方式」の試行導入、政務調査費の使途に関し透明性と厳格性を高める改善、議会だよりへの質問者の会派・氏名の掲載などの改革に取り組んできています。
 議員の不祥事から、市議会として議員政治倫理条例、議会基本条例の策定に取り組むことになり、前記の特別委員会が設置されました。私としては、「議会基本条例」について都道府県で初めて策定した三重県議会、市で初めて策定した伊賀市議会の取り組みをしっかり勉強することを課題としました。
 以下、3編にわたり報告します。
 視察報告その1・福島県郡山市議会|その2・三重県議会その3・三重県伊賀市議会

福島県郡山市議会の議会改革の取組

1.郡山市は人口33万4,400人の中核市。福島県内ではいわき市に次ぐ第2の都市、県庁所在地である福島市が第3の都市であることから「経済県都」といわれている。郡山市議会における議会運営と議会活性化をテーマとした。議会政務課長らに対応いただいた。【写真は郡山駅前、バスプール(手前)とタクシープールがはっきりと分かれている】

2.議会運営について
 郡山市議会の定数は40人(法定数は46)、報酬額は61万7千円、政務調査費は一人月額13万円である。議会費は7億1980万。議会運営に関する特徴点を整理すると…

(1)予算案を審議する3月定例会では、議案調査日を4日間設け、全議員出席の全員協議会方式で常任委員会ごとに議案を説明、質疑応答する。これは長野市議会にはない仕組みである。また、補正予算案を先議・採択後に本予算案などの議案を審議・採択する流れとなっている。

(2)質問方式は代表質問と市政一般質問に分けられ、代表質問は原則3月定例会のみで、4人以上の交渉会派は40分、2人から3人の非交渉会派は20分で質問時間のみの設定である。市政一般質問では、年度ごとに1人当たり60分(答弁含まず)を割り当て、4定例会に個々で時間配分できる制度となっている。会派内での質問時間のやりくりは認めていない。関連質問ができることとされ、質問者が再質問または再々質問した事項に限り延べ5分以内で2回までと定めている。

(3)決算特別委員会について、決算審議での提言・意見等を予算編成に反映させるため、9月定例会の会期中に報告できるよう審議期間等を定めている。9月議会会期中に「決議議案書熟読日」を実質1週間設定、決算特別委員会は3日間の自由審査方式となっている。因みに長野市議会は9月議会後閉会中に約7日間をかけて部局ごとに審議し、12月定例会に報告する仕組みである。

3.議会改革について

(1)夜間・休日議会の試行、そして中止

郡山市議会の議会改革(「活性化」といわず「改革」としている点を強調)の取り組みは、H12年9月の「議会改革特別委員会」に始まる。まず夜間・休日議会を2回試行。夜間議会は35人の傍聴で47万円のコスト。休日議会は74人の傍聴、内「休日だから」とする市民は15人で、コストは223万円に上り、費用対効果を検討し、結果的に中止したとする。H17年6月議会から「一問一答式・対面式」を採用、前記の持ち時間制の質問方式となっている。

(2)本会議のインターネット配信

H19年6月議会から「本会議のインターネット配信」を実施。生中継と録画中継方式。アクセス件数はライブ11,748件、録画が18,830件、合計30,578件で、内10%の3,000人が「きちんと見ている」に相当するらしい。このことからも「夜間・休日議会については再検討しない」とされている。


(3)議会改革検討委員会の設置と議会改革の実施
 H19年9月から任意の「議会改革検討委員会」を設置、1年後のH20年9月最終報告、結論が得られたものから順次実施されている。主なものをあげる。

①政務調査の使途に関し郡山市議会が「改革事項」とする点

ア)「市の区域内の旅行の費用弁償」をH20年度から廃止。長野市議会の「調査旅費日当」に相当するもので、既に廃止している。

イ)領収書添付の義務付けの条例化。長野市議会は既に実施済み。

ウ)使途基準の詳細を「政務調査費の手引き」として決定。長野市議会もほぼ同様の基準・マニュアルを定めている。

エ)鉄道のグリーン車利用を片道200km以上とする基準。長野市議会は原則廃止である。

オ)飲食経費については、「飲食を主目的とする会議の出席に要する費用」「懇親会だけの出席に要する費用」は政務調査費の充当を不適当とする。長野市議会も同様の基準をもつ。長野の場合は3000円を限度とし領収書の添付を義務付けているが、郡山の場合は「必要額」とされ上限規定がない。

②政務調査の使途に関し長野市議会の基準と異なる点

ア)まず自家用燃料費である。「37円/kmの燃料代換算」を採用せず、満タン方式の全額支給とする。「37円/km」の考えは、市の旅費規定では公用車がない場合の自家用車利用の換算であり、議員は公用車がないのであるから準用できないとするもので、公訴されないための基準とする。長野市議会は距離換算方式を採用している。市民に理解される許容範囲との考えに立っているが、全国状況等を見ながら、今後、検討を要することになるのかもしれない。

イ)二点目は、自家用燃料費の支出にあたり、政務調査活動の按分率を4分の1とし、かつ月額上限1万円としている点である。私的生活割合を2分の1とし、さらに議員活動4分の1、政務調査活動4分の1とする考え方である。今日、広がっている考え方で、長野市議会も検討を要する事項となろう。

ウ)会派が発行する広報紙について、発行者を会派とするものの「○○議員特集号」として会派所属議員の個人版を事実上「可」としている。一人会派の課題として長野市議会も検討してきた課題である。一つの方法として参考にしたい取り組みである。

エ)切手などの郵券の管理について定めている。これは未検討の項目である。

③決算特別委員会の9月定例会開催(前記)

④市議会だよりへの質問者の氏名表示(H21年度から実施)。長野市議会は既に実施。

⑤委員会記録の検索システム化。委員会の議事録をホームページに掲載し、かつ項目で検索できるシステムの導入である。これは長野市議会においても検討したい課題である。

⑥その他、議会基本条例の制定に向け、H21年度に特別委員会を設置し検討すること、議会事務局の議員へのサポート体制の充実などが挙げられている。

(4)検討委員会で合意に至らず現状維持とした課題として、①海外行政視察、②本会議の運営(質問時間や採決の電子化など)、③委員会の運営、④交渉会派の4点が指摘されている。

4.総括的に
 こうした視察は自らの議会改革を検証する良い機会となるのだが、長野市議会の議会改革・活性化の取り組みはなかなかのものであることを再確認できた視察調査になったといえるのではないか。むろん、郡山市議会の先進性に着目し、引き続き長野市議会の議会改革に取り組む必要があることは言うまでもない。

【右の写真は、議会事務局に案内いただいたデコ屋敷彦治民芸の十代目・橋本高宜さん。デコとは人形のこと、伝統民芸の三春駒やちょっと細長いダルマなどで知られる】

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