来年4月から値上げ…受診率下がり、市民の健康の後退につながらないか
市では、来年4月からがん検診等の受診料を値上げする予定です。これまた、利用者負担の基準に基づく見直しの一環で、原案では肺がん検診や乳がん検診の一部では引き下げになるものもありますが、子宮がん検診では2,000円が2,500円に、前立腺がん検診では2,000円が2,600円といった具合です。
がん検診等の受診率は、無料クーポン券を導入した子宮頸がんや乳がんのマンモグラフィ検診は前年度比で1.5から1.7ポイント増えているとはいえ、全体的には低迷し、H23年度までに受診率50%の大目標の達成はなかなか難しい現状にあります。
受診料の値上げが受診率の低迷に拍車をかけ、市民の健康を後退させることが心配されます。市民の健康増進に鑑み、値上げをしないよう強く求めました。
「値上げで受診率が低下するとは言えない」と答弁
保健福祉部長は、市民健診を無料から1,000円に有料化した際に受診率が大きく低下しなかったことから、「値上げで受診率が低下するとは一概に言えない」とし、「今後行うパブリックコメントの結果を踏まえ、個々の受診料の見直しは慎重に検討したうえで、新たな受診料を決定したい」としました。
値上げを止めるハードルは高いのですが、市民の生命、健康に関わることだけに市長の政策的判断が求められるところです。
エムウェーブに太陽光発電で3億円、がん検診3億円と比べ、どっちが市民から歓迎されるか?
がん検診等の事業費は現行負担で3億円です。エムウェーブに太陽光発電を導入する計画があるのですが、設置経費に何と3億円、しかし省電力効果は123万円とされます。太陽光発電も大切な施策ではありますが、費用対効果の見極めが必要です。日常の暮らしに明るい兆しが乏しい今日、どちらに税金を投入することが市民に歓迎されるのでしょうか。
市長はエムウェーブへの太陽光発電の導入で費用対効果を考えると「疑義は残る」と述べつつ、「補助金があり将来的な投資効果を考える必要がある」として、「単純に比較できない問題」と明確な答弁を避けましたが、政策優先度をどちらにおくのかという点に市長のスタンスが見えて来るのではないでしょうか。
利用料の一律的な見直しは、市民負担の増加を招くだけに、慎重な対応が必要です。とりわけ、健康福祉に関わる分野、子どもたちに関わる教育分野では、政策的判断がされるべきだと考えます。放課後子どもプラン=児童センター利用料は無料継続、少年科学センターや博物館の入場料は据え置きといった政策判断がされてきているのです。
新しい議会構成で今度は福祉環境委員会に所属しました。がん検診等は所管事項となりますから、厳しく対応していきたいと思います。
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