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06年11月1日
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市民ネット、2007年度(H19年度)予算要望書を提出

 10月30日、会派・市民ネットで鷲沢市長に「2007年度予算編成における重点施策の要望書」を提出しました。「箱もの」は最大限抑制し、市民サービスの向上に向け、ソフト面での充実に重点をおいたもので全部で104項目。市長は「市民ネットの要望は、原則的に大きな違いはない。限られた財政状況のもとで、どこまでできるかが課題だ。要望を尊重し十分に検討したい」と述べました。
 今回の予算要望に沿って、重点施策を実現できるよう全力をあげたいと思います。なお、予算要望書を区長の皆さんに郵送する準備をしています。ご意見を賜れば幸いです。写真は、申し入れの様子。手前が鷲沢市長(右)と酒井助役(左)、向こう側・左が布目です。
     
 市では既に平成19年度予算編成方針を発表しています。
来年度は、地方交付税の抜本的な改正が予定されるなど、一般財源は一定程度の減少を見込まざるを得ない状況にあり、引き続き、厳しい財政状況の中での予算編成となるとし、重点分野として「子育ち・子育て環境の整備」「防災対策の推進」「魅力ある教育の推進とスポーツの振興」「中山間地域の活性化」「地域産業の振興と観光交流の推進」の5分野を掲げています。現在、各部局ごとに重点事業のヒアリングを行っていますが、基金(=貯金)を取り崩してもなお60億円ぐらいの圧縮・削減が余儀なくされる状況だとしています。「声域なき1割カット」を基本にするともされています。福祉や教育など市民生活に直結するサービスが後退しないようチェックしていかなければなりません。


2007年度予算編成における重点施策の要望書

  ■はじめに
  ■総務部関係
  ■企画政策部関係
  ■財政部関係
  ■行政改革推進局関係
  ■生活部関係
  ■保健福祉部関係
  ■環境部関係
  ■産業振興部関係
  ■建設部関係
  ■都市整備部関係
  ■教育委員会関係
  ■水道局関係
  ■防災及び消防局関係


はじめに
 世界は中近東情勢が緊迫化している中にあって、イラク戦争から3年半余を経た今日、戦後処理がまま成らない状況に加えて、10月9日の北朝鮮による地下核実験実施の発表は、世界平和を踏みにじる行為として世界各国から非難を浴びている。既に国連安保理においては国連憲章第7章第41条に基づく制裁決議が満場一致で採択され実施に移されつつあり、北朝鮮は国際社会からますます孤立を深める状況となっている。
 特に我が国は、世界で唯一の核被爆国として、北朝鮮の核放棄を実現させなければならない重大な使命をもっている。
 発足間もない安部新内閣はこの他拉致問題・靖国参拝など外交課題とともに、内政でも行財政改革・教育基本法改正・国民投票法・防衛省法などさまざまな問題を抱えている。
 経済面では米国の経済成長鈍化を除き、世界各国とも好調な伸びを示している。日本でも原油価格の乱高下の中、GDP8月の月次で3ヶ月ぶりに0.5%プラスに転じ、企業の設備投資の拡大や輸出の増大などで、景気は上昇傾向が見られている。
 一方、国政では、05年の合計特殊出生率1.25となり、深刻な少子高齢化が急進して、このまま推移すると国内の労働人口不足や、国の社会保障制度の根幹を揺るがす事態となることが予想されている。
 国は700兆円余の債務を抱えその打開のため、郵政民営化に見られるごとく行財政改革の徹底と、合併促進による地方分権、三位一体改革による地方交付税削減や歳出削減の徹底など、財源確保に向けた税制度の見直しを進めている。
 このような状況下にあって、長野市は村井新知事誕生のもと、滞っていた県との連携行政の修復とともに、多様化する市民要望と合併地区を含めた、中心市街地と山間地域との均衡ある発展の実現を図り、少子高齢化の進行や更なる広域行政を考慮した市政の運営に迫られている。
 市民ネット市議団は市民の付託に応えて、ここに平成19年度予算編成にあたり、市民が明るく豊かに安心して住める地域づくりを求めて、市行政全般にわたる重要事項の対応と予算措置を次の通り要望する。


■総務部関係
 本市は少子高齢化の進展、景気の回復遅延の中、多様化・高度化する市民要望の達成に向けて、限られた財政のもと市民との協働によるまちづくりに迫られている。

 冬季オリンピックなど国際イベントを通じ蓄積された財産の有効活用をはじめ、職員研修の徹底とともに全職員の創意工夫による提案制度の活用や信賞必罰などで、綱紀粛正に心がけ市民に信頼される市役所づくりが求められている。

 また、本市は1,400名余の臨時、嘱託職員を抱えるほか、任期付一般職員の採用制度実施にあたっては、職務の伝承や市民サービスの低下とならないよう慎重を期するとともに、研修の徹底を図られたい。

 他市に比較して正規職員数が少ないため、特に技術職にオーバーワークが見られることから、職員の適正採用と配置を進めるとともに、資質の向上・全職務のマニュアル化・電子化を進められたい。

1.  市民全体の自治協働意欲を高めるため、市行政にかかわる全ての会議・行事・審議会等に女性代表を増員し、男女共同参画社会の形成に努め、一般公募者の委嘱など広く市民総参加の市政運営を進めること。
2.  各種市民会議や移動市長室、出前講座など広く市民の声を反映させるとともに、情報サービス向上のため地上デジタル化に対応したテレビ受信体制と、市政・市議会情報を全戸に伝達できる体制を早急に確立すること。
3.  市民の国際感覚育成のため、国際交流協会を設立するとともに、既設の団体に対し助成措置を図ること。
4.  連絡所を早急に支所に格上げして、危機管理や防災対策を徹底して実施し、災害を未然に防ぐとともに、災害に際しては支所権限を強化し、市民に即応できる体制づくり、常に市民が安心して住める都市づくりに努めること。
5. 職員研修は、公務員としての資質の向上と信賞必罰制度を徹底し、国際化と市民ニーズの多様化、高度情報化に対応できるよう、次代を担う職員の国内外での研修、民間企業での研修等の対策を講じること。
6. 職員定数と臨時・嘱託職員の定数を見直し、全職場にわたり業務の伝承がスムーズに出来るよう、全職務のマニュアル化を図るとともに、自己申告制度や能力評価制度を進めること。また、一般職の任期付職員の採用にあたっては、採用枠の設定や市民サービスの低下をさせないよう慎重を期すること。
7. 個人情報保護条例の改正にあたっては、市民の「知る権利」と「個人情報を自己コントロールできる権利」を保障する見地に立脚するとともに、情報漏えいが無いよう厳しく対処すること。また、災害時等における救援救護活動のための個人情報の提供は、事前に本人の承諾のもとに柔軟な対応を図ること。
8. 「犯罪防止に関する条例」施行にあたっては、人権擁護の観点から慎重を期すとともに、防犯に関する自主的な活動に対する財政支援を拡充すること。



■企画政策部関係
 少子高齢化と厳しい財政状況のもと、第四次総合計画スタートの年となるが、市民要望に応え積極果敢な行政執行とともに、長野広域連合の関係市町村との連携を蜜に、大学誘致や新幹線長野以北の整備についても促進されたい。
 また、合併に伴う都市内分権を促進する年となるが、住民自治協議会の在り方として、区長会などの屋上屋とならないよう配慮するとともに、合併建設計画を促進されたい。

1.
政令指定都市への展望を踏まえた第4次総合計画は平成19年3月市議会の承認を得て新年度よりスタートさせること。また、計画実施にあたっては、毎年、市民や市議会の意見を十分尊重すること。
2.
都市内分権の推進のあり方については、審議会の答申だけでなく、市議会の意見を尊重して進めること。また、住民自治に根ざした地域コミュニティづくりを基本として、支所単位に設置する「住民自治協議会」は区長会等の屋上屋とならないよう配慮するとともに、活性化を柱として、各種団体の縦割りのあり方について十分な検証を加え、横断的活動のあり方についても検討し具体化を図ること。
3. 長野広域連合の関係市町村と連携を密にし、広域ごみ処理計画や斎場などの場所の設定にあたっては、早めに住民対話を深め理解を得て進めること。また、ふるさと市町村計画の策定、環境美化計画など広域的課題の促進とともに、利用者本位の老人福祉施設運営と需要に応えた施設の拡大とともに、老人介護認定審査や障害者程度区分認定審査の充実に努めること。
4. 大学立地については、4年制大学の立地に向けて多面的にあらゆる方法を検討するとともに、実現に向けて早急に推進すること。
5. 公共交通網は都市インフラであるとの認識に立ち、総合的な交通体系や道路網づくりを確立し、積極的な交通安全対策を講じるとともに、市民の足を守り維持するために策定された「バス路線網再編基本計画」に基づいて実施計画を早期に策定し、着実な具体化を推進すること。
6. 北陸新幹線長野以北の促進と、しなの鉄道、電車、バスなど他市町村に及ぶ公共交通機関の利用促進と、それに関わる駐車場や駐輪場の整備拡大を図ること。


■財政部関係
 景気はやや明るさを取り戻しつつあるが、依然として個人消費が伸び悩み、更に少子高齢化の進展は、国・地方財政に大きく影響して厳しい財政状況が続いている。

 国は徹底した歳出削減と構造改革を進めるとともに、合併による地方分権と三位一体改革で受け皿づくりを促進している。

 地方自治体としては財源の適正配分と自主財源の確保が不可欠であり、国に向かって強く求めていくべきである。

1. 地方自治体財政充実強化のため自主財源の増大を図り、当面は地方交付税の適正配分を確保するとともに、国の公共投資に伴う地方自治体の負担転嫁を避けるため、税源委譲を国に強く働きかけること。
2. 少子・高齢化社会に適応した財政の配分及び起債制限比率の適正維持、市有財産の有効的な運用、冗費の節約などに留意すること。
3. 市税等の収納率を高め、滞納者対策を強化し、税や保険料等負担の公平を図ること。
4. 財政構造改革のプログラム実施にあたっては、市民サービスを低下させないよう特に留意すること。
5. 談合のない公明正大な入札制度に心がけ、随意契約を極力減らすとともにチェック体制を強化し、透明度を高めること。また、電子入札制度について導入に向けて検討すること。



■行政改革推進局関係

 合併や市民要望の多様化に応えて行政事務は肥大化の一途を辿る傾向にあるため、組織機構や事務事業は常に見直し、簡素で効率よい体制を維持することが求められている。
 また、指定管理者制度の導入では、市民サービスの動向が危惧されており、運営情報の開示とともに、制度の評価・検証が不可欠となっている。


1. 行財政執行には透明性に留意し、市民や民間企業のよりよい発想と役割分担を考慮して効率よい運営を図ること。
2. 常に制度改革に努め、職員定数の適正化とともに、職能資格制度の導入などにより職員の意識改革を行い、効率よい運営を促進すること。
3. 指定管理者制度の施行にあたっては、市民サービスの向上、経費の節減、運営組織の効率向上に主眼を置き、公の施設における新たな管理制度の意義を広く広報するとともに、選定過程の情報開示を進め、サービスの向上と雇用の確保に万全を期すること。また、施行後1年以上経過した施設は検証制度を設け、定期的に実施すること。
4. 「行政評価システム」は事務事業評価から施策評価、政策評価へと拡充するともに、市民にわかりやすい情報開示に努め、また第三者評価制度と検証制度を導入すること。



■生活部関係
 男女が対等なパートナーとして、社会のあらゆる分野で共同参画できる社会を目指すため、意識啓発や社会環境整備の推進が必要である。
 また、市民の医療需要に適切に対応するため市民病院の充実や他の医療機関との連携、救急医療体制の充実を図ることが重要である。

1.  男女共同参画社会実現に向けて、各種審議会等の政策方針決定の場や区長会等地域社会活動の役員に一定割合で女性が参画するよう目標を数値化して取り組むこと。ファミリーサポートセンターの一層の充実、男女共同参画センターの相談機能と講座の充実を図ること。
2.  国民健康保険財政の安定的な運営に向けて、疾病予防・早期発見・適正受診等による医療費の適正化を図り、保険料の適正な賦課と収納率の向上に努めること。
3.  長野市民病院は、市民の医療ニーズに即応した良質で効率的な医療を安定的に提供するため、更なる診療体制及び診療機器の充実を図るとともに、インフォームドコンセントの徹底、医療過誤等の対策には万全を期すこと。
 また、外来患者の待ち時間の有効活用と一層の短縮を期すとともに、人間ドッグの受け入れ増について努力すること。
 更に、最新の医療機器を計画的に導入するとともに、医療技術と医師の力量の維持に努めること。
4.  不当請求や悪質な通信販売等による被害が急増している中、相談窓口の充実と市民への適切な情報提供等により消費者支援対策を推進すること。
5.  消費生活センターのもんぜんぷら座への移転に伴い必要となる駐車場料金については無料とすること。
6.  市民法律相談については、希望者の増加に伴い、相談回数を増やしたり、相談時間を延長するなどの充実策を講じること。
7.  大峰・松代斎場の老朽化に伴い、松代地区に建設予定の新斎場については目標年次に沿ってより積極的に取り組むこと。



■保健福祉部関係
 多様化する保育ニーズに対応するとともに、子どもが健やかに生み育てられる環境づくりを推進し、高齢者・障害者も等しく社会参加でき、健康で生きがいある安心して過ごせる地域社会を築くことが重要である。

1. 地域福祉計画に基づき、市民との協働体制を整備し、地域福祉活動を推進すること。
2.
「福祉のまちづくり条例」を制定し、高齢者や障害者の住み良い、やさしいまちづくり事業の推進を図ること。また、高齢者・障害者が社会参加できる移送手段については、リフトバスや低床バスの導入を更に進める等、バリアフリー・ユニバーサルデザインの街づくりを推進すること。
3. 在宅の高齢者・障害者の食生活安定のため、配食サービスについては更なる工夫をこらして推進させること。
4. 児童館・児童センター・児童クラブの利用希望児童の増加に伴い、希望しても利用できない「待機児童」が出ないように施設整備を行うこと。また、厚生員の待遇改善を図ること。
5. 育児24時間ネットワーク事業等、「子供、家庭の110番」により保育・医療・教育・法律等の専門家チームによる相談事業の取組みを進めること。また、子育て支援センターの一層の充実を図ること。
6. 私立の保育園・幼稚園への助成を強化し、事業所内保育への運営費助成をはじめ、延長保育・夜間保育・障害児保育・乳児保育・一時保育、病後児保育等の保育ニーズを充実させること。
7. 市立保育園の民営化については、民営化方針に基づき民営化に向けてのスケジュールが示されたが、保護者をはじめ地域の十分な理解が得られるように最大限の努力を行うこと。
8. 新たに「子ども認定園」が制度化されるが、混乱を招かないように、保護者に充分な説明を行うこと。
9. 保険・医療・福祉を一体とした総合的な高齢者保険福祉施策の推進を図ること。また、1月から6ヶ所増設され民間委託される地域包括支援センターについては専門職を確保するよう指導するとともに、混乱を招かないよう万全を期すこと。
10. 介護保険料については、給付費推計の精査などにより、市民への負担増を極力抑えること。
11. 障害者自立支援法の施行に伴う1割負担がサービス利用者に大きな負担になっている。また、地域生活支援事業は実施主体が市である。障害者が「住み続けたい街ながの」をめざし、市単独の補助を行うこと。
12. 「人権を尊び差別のない明るい長野市を築く条例」の理念に基づき、部落差別をはじめとするあらゆる差別の根絶に取り組むとともに、人権侵害に関する法制定に向け積極的に取り組むこと。
13. 市民健康診断の各検診の受診率を向上させ、疾病の早期発見になお一層努めること。



■環境部関係

環境問題は、省資源・省エネルギーの推進、ごみ減量・再資源化の取組みを、市民、事業者、行政が一体となって問題解決することにより循環型社会を目指すことが求められている。

1. 循環型社会の実現に向けては、「アジェンダ21ながの−環境行動計画−」を具体的に推進するとともに、「ながの環境パートナーシップ会議」との連携による協働作業を強めること。またISO14001の取り組みを強化すること。
2. 地球温暖化防止対策として、アイドリングストップの推進、クリーンエネルギーの利用促進、新エネルギーの推進、特に小水力発電や太陽光発電への補助金を増額すること。また、省資源・省エネルギーのための運動を体系的に展開すること。
3. ごみ減量化のために、細分別収集とリサイクル運動の徹底、特に生ごみの分別収集と再資源化に取り組むこと。
4. 廃棄物の不法投棄防止対策を立てるとともに、ポイ捨て条例を制定すること。
5. 環境問題は市民が自分の問題として捉え、具体的行動を起こしていくために、環境学習等の推進や環境教育指導者の養成に取り組むこと。
6. ごみ焼却施設建設については、建設予定地の住民の理解を得るため十分な説明を行うこと。
7. 産業廃棄物処理については、公社又は財団法人を設立して、国や県の補助のもとに広域処理場の建設を進めること。また廃棄物処理業者の指導体制を整え、健全育成を積極的に推進すること。
8. アスベストに対する市民の不安を解消できる相談体制を整えるとともに、市有施設の安全対策に万全を期すこと。また、灌漑用水に一部使用されているアスベストを含むエタニットパイプについては早急に改修すること。


■産業振興部関係<農林業>

市内で生産された安全で新鮮な地元農産物を地元で消費してもらう「地産地消」を更に推進することにより、生産者と消費者の信頼関係が深まり、農業の活性化も図られると確信する。

合併により中山間地域が拡大し優良農地も増えたことから、地域の特性を活かした支援策を一層進める必要がある。

都市部と農村部の均衡ある発展の観点からも、また農林業の後継者不足など危機的な農林業分野に積極的な対策が求められている。

1. 合併により中山間地域が市域の5割から7割に拡大された中、「中山間地域等直接支払制度」については制度の一層の充実を図り、対象指定地域のすべての農地に適用させること。
2. 地域奨励作物支援事業については、平成19年度以降も更なる普及に努め、遊休農地の拡大防止と農地の有効利用を図ること。
3. 農業経営基盤強化事業の積極的な支援を講じるとともに、更なる強化促進基本構想を具体的に達成させ、認定農業者制度の普及・促進等により「担い手」等、農業後継者への支援措置を講じること。
4. 後継者不足や過疎の進行による遊休荒廃農地の活用については、設立準備を進めている農業公社や農業振興条例の制定など具体的な施策を積極的に提案し地域農業の支援体制を強化すること。また、いわゆる花嫁・花婿対策を講じること。
5. 都市部と農村地帯の交流(グリーン・ツーリズム)については、魅力ある農山村の体験内容及び県内外に向けた積極的なPR等の支援で参加者の拡大を図ること。
6. 治山・治水のための施策を進め、林道の整備、造林育成、間伐、松くい虫の撲滅を図ること。河川の排水機場(ポンプ場)の整備により農地や流域内の内水被害を防止すること。
7. サル・シカ・クマ・イノシシ等の有害鳥獣被害対策に対しては積極的な援助と指導を進めること。また、各地区の有害鳥獣対策協議会の活動については、区長会など地域と一体となった活動展開により、野生動物と共存する集落(里山)づくりを目指すこと。



■産業振興部関係<雇用・商工・観光>

新産業創出のため大学等との連携を強めることは重要である。一方、依然として中小零細企業にとっては厳しい経済情勢の中、市の支援は欠かせないものになっている。

観光面では合併地域を含め各地域の特色を生かした観光資源の活用など、1,200万人観光交流を推進し、近隣市町村との広域観光、上越市などとの都市間の観光交流を有機的に連携させる戦略が重要である。

1. 中小零細企業に対する資金融資など、金融貸し渋りによる倒産などを未然に防止する対策を早急に確立するとともに、金融機関に対し融資条件の緩和、金融商品の周知を図るなど積極的に働きかけること。
2. 雇用の拡大・確保、情報提供、共同・協業化を図るなど積極的支援の具体化を図ること。特に若年労働者の雇用確保、フリーター・ニート対策を強化すること。
3. まちづくり3法の改正を踏まえ、市商業環境形成指針を厳正に施行するとともに、大型店の進出については、産業全体の調和ある発展、地域商店街の活性化の見地から土地利用を基本に対応すること。
4. 人口減少や少子高齢化社会の進展及び地球環境問題を踏まえ、車優先のまちづくりから人優先の安全安心の歩いて暮せる魅力的な賑わいあるコンパクトなまちづくりを進めること。また、空き店舗や歴史的建造物等の活用など、住民が意欲的に取り組む地域おこしや賑わいづくりに対しては積極的な支援策を講ずること。
5. 工業団地については地理的特徴を生かし、積極的な地場産業の育成と企業誘致を図ること。また、国際化・高度情報化時代に相応しい新産業の創出のため、信州大学を始めとする研究機関や先端企業との連携をより深め、インキュベーション施設などの有効利用を促進すること。
6. 情報発信都市としての性格を積極的に打ち出し、知的クラスター創生事業を踏まえ、情報・研究などのソフト産業の積極的な育成を図ること。
7. 北信地域や河東文化圏及び千曲川ベルト地帯等の関係市町村と連携して、観光資源の具体的売出し施策を構築すること。平成19年はNHK大河ドラマ「風林火山」の放送や善光寺再建300年祭の年であり、大幅な観光客が見込まれることから、今後一層の観光客拡大と滞在型観光への転換に向けた具体的な対策を講ずること。信州北回廊プロジェクトの進展を図ること。また、長野コンベンションビューローと連携し、多様なコンベンション誘致・開催を積極的に行い、より経済波及効果を高めるまちづくりを進めること。
8. 飯綱高原・戸隠・聖山パノラマの各スキー場については、利用増加に向けた対策を促進すること。


■建設部関係

市道を中心とする生活道路の整備、自然と調和した安全な市民生活を確保するための治水を柱とする河川整備、良質で快適な住宅の建設整備は、いずれも都市の重要なインフラである。このことは広大な中山間地を擁することとなった新長野市にとっては、より喫緊の課題となっている。

1. 生活道路の確保・整備という観点から、市道・県道・国道の改良整備の促進を図ること。特に合併した中山間地の生活道路の整備を強力に進めること。また市街地においてはセル方式、トランジットモールの早期導入のための関連道路整備を計画的に進めること。
2. 拡幅、右折車線、ゼブラゾーンの増設等の道路部分改良をはじめ、歩道・自転車道の整備、段差の解消など、ユニバーサルデザインの観点から、人に優しい安全で快適な道路環境の改善を進めること。また、急坂、急カーブの危険道路やブロック塀の倒壊、樹木の張出しなど常に点検と維持管理には万全を期すこと。
3. 千曲川、犀川をはじめ、あらゆる河川の危険箇所については、早急な築堤、護岸、河床の整備など国、県への働きかけを一層強め、水害対策には万全を期すこと。また河川の改修、築堤にあたっては、水草や水辺の植生に配慮するとともに親水公園や桜堤など自然を活かした美しい景観を取り入れること。
4. 浅川流域の治水対策は、県の責任において、基本高水毎秒450トン、治水安全度100分の1を基本とした河川整備計画が、可及的速やかにまとめられ実施されるよう強く働きかけるとともに、流域住民の合意のもとに内水対策をはじめとする具体的な対応策を確立し、早急に治水対策を講じること。
5. 都市型水害には、あらゆる方法を用いて河川流域の保水・遊水機能を発揮し、特に公共用地などの利用による遊水池の設置、貯留施設の建設、堪水排水機場の完備に努めること。また、雨水処理については、貯留タンクの普及、空浄化槽の活用などへの補助など指導とPRを行い、宅地内処理を積極的に行うこと。
6. 住宅の耐震診断及び耐震補強工事補助事業を拡充し、住まいの安全度を高めること。
7. 老朽化した市営住宅の計画的な建替え事業を推進するとともに、高齢者・障害者が安心して居住できるバリアフリー化、三世代同居住宅・ケア付住宅など市民要望に応えられる住宅建築および居住水準の向上を図ること。また、入居基準の緩和と共に、困窮度や特に入居抽選もれ回数を考慮した制度をつくること。さらに、子育て支援の観点から、子育て世帯に対する優先入居制度を設け対応すること。
8. 市営住宅への指定管理者の導入にあたっては、日常的な指導・監督を徹底し、市民サービスのより一層の向上を図ること。
9. 建設リサイクル法に基づく処理及び指導体制の充実を図るとともに、施設・建物の解体等にあたってはアスベストの飛散防止策を厳重に講じること。
10. 公営施設において太陽光発電システムの導入を図るとともに、個人住宅への導入についての補助を拡充すること。


■都市整備部関係

まちづくり3法の見直しや「景観法」の制定等を踏まえ、第4次総合計画の策定と並行し、都市計画マスタープランを抜本的かつ着実に見直し、環境、景観、利便性、機能性、快適性等に配慮したまちづくりを進めること。

1. 都市の開発計画にあたっては、歩いて暮らせるコンパクトな街づくりを基本に、住環境・自然環境・産業振興にバランスのある土地利用を図ること。都市計画道路は、その必要性について時代に即応して検証・見直し、必要度の高い道路については計画的な整備を図ること。
2. 長野駅周辺第二土地区画整理事業は、市民の合意のもとに、長野駅東口の新しい顔と街づくりに向けて一層事業を推進し、長野駅東西の均衡ある開発を進めること。
3. 住区基幹公園において、近隣・地区公園の整備を重点的に進め、市街地における緑の街づくりを推進すること。また、災害時の避難場所として整備、維持、管理に努めること。
4. 長野中心市街地活性化は、善光寺周辺の世界遺産指定を視野に入れるとともに、「ぱてぃお大門」、もんぜんぷら座の利活用拡大、さらに銀座A−1、D−1の再開発事業の完了を踏まえ、これらの「核」施設を生かし、商店街や地域住民の意見を反映しつつ、歩いて楽しい歴史のまちづくりを進めること。さらに街中居住の一層の進展を図ること。また、松代地区については、歴史の街として進められている事業を一層推進するとともに、篠ノ井地区については計画に従って個性ある開発に進めること。



■教育委員会関係
 将来の長野市を担う児童・生徒が整った教育環境の下で健やかに、逞しく成長するために教育行政は最も重要である。課題は山積しているが、保護者や地域住民の理解と協力が不可欠であり、話し合いのための十分な時間をとることが重要である。

1. 平成20年度開校を目指す「市立長野高校」について、「市立高等学校改革モデルプラン」・「高校改革宣言」を基本としながらも、県下唯一の市立高校であり、全市域が通学区であることから、議会や市民の意向が反映できるシステムの中で魅力ある学校づくりを進めること。
2. 中心市街地等の小学校の統廃合や通学区の見直し、限定隣接学校選択制度については、保護者及び地域住民の意向を尊重しながら進めること。
3. 30人学級の実現と教職員定数増を関係機関に要望し、クラス担任の複数化を行い「不登校」「いじめ」「学級崩壊」をはじめとする様々な児童生徒を取り巻く諸問題に対し、組織的な体制を整備すること。
4. 図書館サービスの格差の解消に向け、歩いて行ける範囲に図書館分館網等を確立する基本計画を策定すること。また、学校図書館を含めた司書の配置をはじめ、職員の資質向上とともに、利用しやすい体制づくりをすること。
5. 有害図書類の販売及び自動販売機の設置の規制などについては、「長野市青少年保護育成条例」を踏まえた地域の自主的な運動、学校・家庭・地域連帯事業の推進など地域ぐるみの運動を行なうとともに、県条例の制定に向けて県及び他市町村への働きかけを引き続き強めること。
6. 学校を拠点とする「放課後子どもプラン」の実施にあたっては、地域子ども教室の経験を生かし、地域におけるアドバイザー等の人材の育成・確保を急ぐとともに充実した助成を行うこと。また、児童センター等の運営の拡充と整合性ある施策とすること
7. 市職員が配置されている市立公民館の本館(27館)については、住民自治協議会への支援体制を確立し、地域住民のまちづくり活動の拠点とすること。



水道局(上下水道部)関係

 水は命である。森林・農地の保全、健全な水循環の確保、「節水と再利用」を基本とした水利用の確立を図る観点から、施策を講じることが重要である。

1. 水道事業は公営が基本であり、安全で良質な水をより安く市民に供給することが水道事業の使命である。犀川浄水場の運転管理業務の民間委託にあたっては、「水の安全」を最優先する監督指導態勢を確立するとともに、浄水場業務の民間委託拡大は安易に行わず慎重に検討すること。
2. 地域水道ビジョンの策定にあたっては、市民参加と情報公開を徹底し、安全・安心・安定を基本としたビジョンとすること。
3. 水道水源の安全確保には万全を期すとともに、水環境保全条例の地域指定水源の保全整備を推進し、水質管理体制の強化に努めること。
4. 飯綱高原における無給水地域への上水道整備を促進すること。
5. 送・配水管の老朽管の布設替えを進め、破裂、漏水を未然に防ぐこと。
6. 汚泥処理については法令基準を上回る独自基準を確立し、より環境に配慮した適正な処理を図ること。
7. 千曲川流域関連公共下水道の上・下流処理区、及び農業集落排水事業、合併浄化槽補助事業を促進し、全戸水洗化の早期実現に向けて事業の促進及び前倒し実施を図ること。
8. 民間委託された検針・徴収事務について、その効果を厳しく検証し、市民サービスの向上に努めること。



■防災及び消防局関係

度重なる風水害、地震被害を教訓とし、防災対策、消防体制について市民の生命と財産を守りぬく視点から、現在の体制について常に厳しいチェックと対策の再確立が求められている。

1. 「長野市地域防災計画」に基づき、災害の危険区域箇所の総点検を実施し、災害に強い都市づくりのために自然環境保全を基本とした総合防災対策及び体制を確立すること。また、県と協議し「長野市地域防災計画」の中に原発事故等による原子力防災対策を盛り込み、対策をすすめること。
2. 災害に強いライフライン(水・食糧・道路・交通・GPS通信)の確保と防災施設の充実、災害等に向けて本庁・支所における指揮、命令、情報の一元化を図ること。
3. 幼児・園児・児童・生徒・高齢者・障害者・傷病者など災害弱者対策に万全を期すこと。
4. 危険物災害の予防策として、施設の保安・保守・管理の徹底を図るため、査察体制を確立し、指導に万全を期しつつ、災害を想定した訓練を実施し、即応体制の整備と市民への情報提供を行うこと。
5. 消防局の機能強化を生かし、さらに消防・救急・救助活動機能を向上させるため、通信施設や装備・車輌等の適正配置を計画的に行うこと。また高規格救急車の増車を図るとともに、救急救命士の養成を計画的に進めること。
6. 耐震性防火水槽の整備を図るとともに、既設消火栓の早期完全点検と交換並びに消防分団各班に可搬車載ポンプ車の配置を積極的に進めること。
7. 救命率の向上を図るため、医療機関との連携を深め、救急高度化事業を積極的に推進すること。
8. 自主防災会単位の訓練を強めるとともに、助成措置を講じること。


以  上



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