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06年6月26日記
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安全は大丈夫か?シンドラー社製エレベータ、市内に21基、人利用は10基

 東京都港区の共同住宅で死亡事故を起こしたシンドラー社製のエレベーターが長野市内には21基あることが市の調査で明らかになりました。


■公共施設に5基、民間に5基
 人が利用するエレベーターは10基で、公共施設に5基、民間施設に5基。

公共施設は長野ふれあいセンターの2基、法務局南事務所に1基、長野労働局に2基。民間施設では工場3基、店舗1基、飲食店に2基、それぞれ設置されています。残りの11基は荷物の搬送用です。

 長野市ふれあい福祉センターでは4月に5階から降り始めたエレベータが4階と5階の間で停止し、女性一人が約5分間閉じ込められるというトラブルが起きています。自動的に5階に戻り、床より20〜30センチ低い状態で扉が開いたといいます。シンドラー社長野支社は「(トラブル当時は)なんらかの異常を感知し急停止したと考えられる」と報告しています。今回、同社の点検では異常が見つからず、使用を継続しています。


■「今のところ異常なし」…6月末までに点検結果まとめる
 市内に設置されているエレベータについて、シンドラー社が点検したところによると「今のところ異常なし」という状況だそうです。

 6月9日県が発表したところによると、県内に設置されているシンドラー社製エレベータは46施設に62基。人が利用するものは38施設に47基、内16基に延べ19件のトラブルがあったとしました。県では全施設管理者に対し6月末までに緊急点検を実施し、報告を求めています。市では、この結果を待って対応をしたいとしています。

■国土交通省の工事では、3年間の占有率1割、低価格で食い込む
 国土交通省が発表した、2005年度までの3年間の同省発注エレベータ新設工事の入札状況調査では、全259件の内1割に当たる25件を受注していて、民間を含めた国内の占有率1%を大きく上回り、また平均落札率(予定価格に占める落札額の割合)は87.1%で平均より2.8ポイント低く、シンドラー社が低価格で官公庁に食い込んでいる実態が浮き彫りになっています。


■保守点検にも危うさが…

 また、毎日新聞は、港区の共同住宅で事故機の保守点検を請け負っている「エス・イー・シーエレベータ」の技術系社員が「メーカーからの製品情報がほとんどなく、部品の調整が怖くてできない」と証言したことを報道しています。エレベータの保守点検はメーカー系(例えば、シンドラーエレベータ、三菱電機、日立製作所、東芝エレベータなど)とエス社のような独立系に分かれています。メーカー側が設計図やマニュアルなどの情報提供をしないのは、両者間の激しい受注競争があるからです。さらに、エス社は06年度の保守点検を約115万円(前年度比43万円減)で落札しましたが、シンドラー社が随意契約で請け負っていた03年度に比べると3年間で4分の1の価格になっているそうです。安値受注についてエス社の社員は「メンテナンスに限界がある。5年、10年と継続受注して初めて部品代も捻出できる。入札で1年ごとに業者が替わるのでは部品交換もままならない」とも証言しているそうです。今回の事故から、業界の持つ情報の閉鎖性と保守点検業務の危うさが浮かび上がってきます。


■「人命の安全」最優先に!企業は社会的責任果たせ!
 シンドラー社エレベータの問題では、JR西日本の列車事故や耐震強度の偽装をあげるまでもなく、利益優先で安全性が二の次、三の次にされている問題が再び明らかになっています。社会的責任を果たそうとしない民間企業のモラルが根本的に問われていると同時に、民間企業の法令順守を監督する行政の責任もまた問われています。

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