今日の話題
今日の話題
04年3月15日
トップページに戻る トピックス・長野市議会に戻る 次のニュース
04年3月議会(3月1日〜24日) 2回目の一般質問
●04年度の予算を審議する議会です。3月9日に2回目の一般質問をしました。質問原稿をアップします。

[2004年3月9日・一般質問]
  発言通告  1.民間活力の導入と「情報公開・説明責任」のあり方について
          2.住民参加・合意によるゴミ処理施設建設について
          3.「消費者の権利」と消費生活行政の拡充について
          4.安茂里地区の水環境の保全について
          5.その他

質問の内容 04.03.09

38番、市民ネットの布目裕喜雄です。発言通告に基づき、質問いたします。

一つ目は、《民間活力の導入と「情報公開・説明責任」のあり方について》です。
(1)市長は施政方針の中で「現場主義に徹すること」「情報公開を充実すること」を強調し、行政のトップとしての説明責任の重大さを指摘しました。このことには賛意を表明しますが、「説明責任」に加え「説得責任」を強調されると、「ちょっと違うのではないですか」と考えます。政策の計画立案・決定・実行のそれぞれの段階で、市民に対し「説得する」とのスタンスで行政責任を貫こうとすれば、それはおのずと「結論ありき」の押し付けの合意形成にしかなりません。市民会議の討論もパブリックコメントも、あらかじめ用意された「結論」に向けての形式的なプロセスとなってしまいます。これでは、トップダウンであり、真の市民合意、市民自治とは対極にある政治スタンスだといわざるを得ません。市民とのパートナーシップ・協働によるまちづくりを信条とする市長にあって、都市内分権や、学校給食センターの民間委託、保育園の民営化の問題をはじめ、これからの重要な施策決定において、計画段階からの十分な情報公開のもとに、市民に対し真摯で謙虚な姿勢で市民合意を形成されること、市民のニーズ、意思を第一義に方針変更あるいは方針転換に柔軟に対応されることを強く求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
(2)このことと関連し、市長は12月議会の中で「行政のすべてが安全であるというのは神話に過ぎない」という趣旨の発言をしました。民間のノウハウ、民営化・民間委託の優位性を語りたいがための論理だったのでしょうが、競争と生き残りに目を奪われ、本来の企業としての社会的責任に背を向ける企業不祥事が相次ぎ、重大な社会問題となっている今日、極めて一方的・一面的な論理といわなければなりません。何よりも、安全な水、安全な学校給食、安全な市民生活に日々心を砕いている市職員の皆さんは、どのように受け止めたでしょうか。今日、民間活力の導入という公共サービス分野の規制緩和は、確かに流れとなっています。だからといって、民営化・民間委託を結論ありきで急ぐ余り、公共サービスの担い手である市職員のノウハウ、言い換えれば「公」として蓄積されてきたノウハウを最大限に発揮することを忘れてはなりません。公務労働者の可能性と献身性に依拠し、安全で質の高い公共サービスを充実させるということを出発点にすべきです。公共サービスの社会的な役割や「公」が担うべきものであるものの根拠と理由を明らかにし、そしてそれが市民に支持されるよう働きかけていくということに、行政としての情報公開と説明責任の重大さが問われているのだと考えます。見解を伺います。
(3)市長は、地方自治法の改正を受けた「公の施設における指定管理者制度」の創設について、民間活力導入の追い風になると指摘しました。公の施設の管理を使用の許可権限を含めて民間企業等に開放する制度ですから、確かに指摘の通りでしょう。この制度は、当面、3年以内の経過措置をもって運用され、それぞれ議会の議決を経て実行に移ることになりますが、自治体の役割と責任、公共サービスの質と水準の保障を基本にすえ、市民ニーズに即したノウハウを持つNPO等の参入など、分権市民自治、協働の視点で指定管理者を選定するとともに、指定管理者への切り替えにあたっては、雇用の継続と賃金・労働条件の確保等についてしっかりと対応することを求めたいと思います。単なる民間開放とせず、ましてや首長裁量による利権の発生につながらないよう強く留意されたいと思います。

二つ目は、《住民参加・合意によるゴミ処理施設の建設について》です。
(1)循環型社会をめざしたゴミ処理のあり方については、拡大生産者責任制度の導入を国に求めつつ、第1に廃棄物の発生を抑制すること、第2に廃棄物とせず再使用すること、第3に分別してリサイクルすること、第4に廃棄するものは適正に処理すること、この4つの原則によってゴミ行政を推進していくことが重要であることを改めて強調したいと思います。
(2)残念ながら「迷惑施設」といわれるゴミ処理施設ですが、現実問題として必要な施設であることは論を待ちません。最大の課題は、ゴミの発生抑制、減量を進めながら、自治体「公」の直営のもとに、環境負荷を最小限に抑える模範的な施設を整備し、管理運営が行われることにあると思います。無論、市民の合意と納得が絶対必要条件です。そこで、4月から全市で始まるプラスチック製容器包装の分別収集についてです。完成間近の圧縮梱包施設においては、市民の間で、異物混入による化学反応、有害物質の発生をはじめとする複合汚染が懸念されています。モデル地区における事業では、いわゆる異物が重量で約12%、汚れを落としていないプラ容器包装が約7%、プラ商品が約2%あったとされています。素材別の分別に向けた取り組みが徹底されないと、複合汚染の不安は解消されません。全市実施により年間で約4200トンと見込まれる大量の廃プラの処理について、住民の不安を除去し安全を確保していく方策をどのように具体化するのか、お答えいただきたいと思います。さらに現行の容器包装リサイクル法における自治体の財政負担は大きなものがあり、本来、事業者が負担すべきところを税金でリサイクルするという大きな矛盾を抱えています。昨年11月、全国市長会においても現行法の改正を求める決議がされていますが、長野市の基本的な考えはどうなのでしょうか。
(3)今日、長野広域連合におけるごみ処理施設の建設計画は多くの市民の知るところとはなっていません。新しい処理施設の建設にあたって、その候補地は、これから設置される「検討委員会」のもとで、長野市全域を対象に白紙から検討することになると受け止めていますが、いかがなのでしょうか。清掃センターをはじめとするごみ処理施設は大豆島・松岡への一極集中から、分散させていくことが求められていると思います。当該地区の住民の切実な声でもあります。清掃センター内における新たな増改築、新規建設はしないとの方向のもとで検討されるべきであると考えます。また、計画段階から環境調査を行う戦略的環境アセスメントを導入し対応することを求めるものです。考え方を示していただきたいと思います。さらに、建設される処理施設は日量450トンの処理能力を持つ大型処理炉とされ、1箇所とされていますが、市内に分散して複数の処理施設を建設する方策は検討されたのか、検討する余地がないのか、うかがいます。また、建設地住民との信頼関係、合意は不可欠な課題であると同時に、市民一人一人の課題として責任を分かち合っていくことが大切です。検討委員会には公募委員枠が設けられていますが、この枠を拡大し、住民参加を保障するとともに、検討委員会とは別に、十分な市民合意を図っていくために「ゴミ問題市民会議」的なテーブルを設けることを提案しますが、いかがでしょうか。

三つ目は、《「消費者の権利」と消費生活行政の拡充について》です。
(1)今日、社会経済状況の著しい変化の下で消費者を取り巻く環境も急速に変化しています。利便性が増し豊かな消費生活を享受する反面、情報力や交渉力の格差から、ヤミ金融問題をはじめ「オレオレ詐欺」や架空請求、不当請求など、悪質な業者の発生を許し、こうした消費トラブル・事件が急増しています。市の消費生活センターにおける相談件数が年毎に倍増し、今年度では4000件近くに及ぶと聞いています。消費者行政の今日的課題を端的に示していると思います。
(2)現在、国では21世紀にふさわしい消費者政策を再構築するため、消費者保護基本法の抜本的見直しの取り組みを進めています。昨年5月に内閣府・国民生活審議会がまとめた「21世紀型の消費者政策のあり方について」では、「消費者の権利」を消費者政策の基本理念とし、法の抜本的改正と消費者団体訴訟制度の必要性が明記されました。市において消費者政策を進めるにあたり、「消費者の権利」を確立し、そのもとに消費者政策を推進する体制を整備することが必要であり、長野市が先進的なモデルを確立していくことが重要であると考えます。既に東京都では「消費者の権利」として「生命及び健康を侵されない権利」「適正な表示を行わせる権利」「不当な取引条件を強制されず、不適正な取引行為を行わせない権利」「不当に受けた被害から救済される権利」「情報を速やかに提供される権利」「消費者教育を受ける権利」など6つの権利を確立し、総合的な消費者支援政策を展開しています。
(3)市では平成11年3月に「長野市市民生活緊急安定条例」を廃止し「消費生活の安定及び向上に関する条例」を定め、今に至っています。この条例は、時代を反映した一つの到達点ではありますが、消費者の利益を擁護するための市の基本姿勢を宣言するに留まり、消費者の権利を定め、保障するという観点には立っていません。私は、今日、市の消費者行政に、「食の安全」の問題等も含め、積極的に「消費者の権利」を位置づけ、権利を侵す事業者に対し適正な規制をかけ、よって権利を回復する措置等を盛りこんだ条例にいち早く改正し、市民の参加と協力のもとに、消費者の安全を守り、被害の防止と救済を図るとともに、消費者の自主的な行動を支援していく消費者支援体制を築きあげることを提案します。主体的な取り組みを求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
(4)また、悪質な業者による消費トラブルにおいて、適正な情報と正しい知識がないばかりに泣き寝入りせざるを得ないケースが増えている中で、消費者を支援する教育・啓発の徹底が求められています。例えば、中・高生への携帯電話トラブル対処の「出前講座」や、老人クラブへの悪質商法に乗らないための「出前講座」など、消費者教育の徹底をさらに強めるとともに、各種行政委員の皆さんの協力も得ながら支所単位での最低限の対応、例えばクーリングオフや不当請求に対する消費者支援の対応ができるような体制整備を図られるよう求めるものです。

四つ目は、《安茂里地区における水環境の保全について》です。
(1)持続可能な循環型社会の形成は、自治体のみならず、地球市民としての課題となっています。河川法や土地改良法においても、「環境との調和」を新たに位置づけ、法改正が行われてきています。市においても、環境保全・環境教育に力点がおかれ、水環境の保全についても「ほたるが生息できる水辺」、「景観に配慮した用水路の整備」が進められています。
(2)しかし、残念ながら、こうした考え方が一貫して施策展開されているかというと、はなはだ疑問なところがあります。例えば、小市用水路の清流をいかに守るかという課題では、安全と利便性を理由に、用水路にふたをし、ふさいでしまうという事態が発生しているからです。安茂里小市地区は、かつては自然豊かな農村地域でした。長野市の都市化の進展により大きな変貌を遂げてきました。この急速な変貌は、快適で便利な都市生活をもたらした反面、生活環境の悪化や自然破壊を招いてきたといえます。その一つが宅地化による水系の人為的な改良、そして浸水被害の不安の増大です。現在、小市地区における沢の改良工事、小市用水の改良工事がすすめられていますが、傾斜地という地形に規定される住民の不安要因を除去し、安全で快適な生活環境の確保を図ること、先人たちが多くの苦難を乗り越えて維持してきた貴重な遺産とも言うべき小市用水の清流を守ることは大切なことです。そこで、自然環境の再生保全、水系の抜本的な見直し、環境に配慮し、自然と共生する水路の整備が求められていると思いますが、いかがでしょうか。小市用水の改良等においては、少なくとも用水路をふたでふさぎ安全だとする手法を直ちにやめ、市民の理解を得ながら豊かな水環境の再生を図るべきだと考えますが、見解を伺います。

[再質問]4項に関連し要望
(1)犀川流域において小市橋上流に群生していたニセアカシヤの林が県による善光寺平用水など四水系の取水工事関連で、伐採・破壊されるという事態が起きました。地元住民の働きかけによって、県による復元作業が始まり、その上で、「親水公園」的な改良・整備の方策が模索されています。国も理解を示しています。市民の間に水環境の保全再生に向けた独自のかつ地道な活動が進められている現状にかんがみ、環境の再生・保全、さらに環境教育の一助として、市において国・県と共同し、また地元区とも協議し、住民に親しまれる親水公園として拡充されるよう、地元の取り組みを積極的にバックアップされるよう要望します。

このページのトップへページトップへ