9月8日に行った一般個人質問の当初原稿を掲載します。1週間も経ってしまいましたが…。15分間の質問時間で、時間を考えながら質問したため、原稿通りには質問していないことをお断りしておきます。なお、最後の消防の広域化については質問できませんでした。質問の趣旨としてこんなことを考えていたという風にご理解いただければ幸いです。質問の速報は8日付の「徒然日記」に掲載しました。あわせてご覧ください。
【写真は本会議での冒頭の質問より、9月議会はクール・ビズです】
《発言通告》
1.長野市民会館の建設について
2.「無縁・絶縁社会」における命のホットライン、見守りネットワークの拡充について
3.がん検診受診料見直しの凍結について
4.北信地域の消防広域化と住民の安全の向上について
今後、行政側の答弁を含め、まとめて報告したいと思います。
なお、質問の様子は、長野市ホームページ《市議会・過去の中継放送》で見ることができます。先はこちらです。
23番、市民ネットの布目裕喜雄です。通告に従い一問一答で質問します。
◆学校給食への異物混入で緊急要望
質問の前に要望を一件、学校給食の異物混入について、今朝方、新たな事故が議会側に報告されました。幸いにして健康被害がないとのことで安堵していますが、7月以来、立て続けに6件発生している異物混入は異常な事態です。どこかタガが外れてしまっているといわざるを得ません。食の安全を揺るがす大きな問題であり、食材納入業者への徹底をはじめ、再発防止策を早急に確立されることを強く要望しておきます。
1.最初に、《長野市民会館の建設について》質問します。
(1)市長は8月26日の定例記者会見で、「東街区に建設することがベストな選択である。現在地と比較したときに文化や歴史、公共交通の集中などを考えれば、東街区案の方がより市民の理解を得られるのではないか」と述べました。しかし、建設検討委員会では「基本構想に盛った理念が実現できない」などとする異論が相次いだとされ、市民説明会のアンケート結果からも賛否両論が渦巻いています。
地域から聞こえてくる声はこんな意見です。「そもそもイトーヨーカドーが再開発事業に参加できないとした時点で、権堂での計画はご破算なんじゃないの」「どうして、こんなに権堂に固執するのかね」「飲み屋街・繁華街に文化施設をつくるよりも、現在地でいいんじゃないの」「なんか大型店のための文化施設みたいで本末転倒なんじゃない」「でもいろいろ言っても、権堂で決まりなんでしょう。何を言っても変わらないのでは」などなど、疑問やあきらめの声です。
市長、市行政と市民との間に大きなかい離があるといわなければなりません。このかい離はどこから生まれてきているのか。それは期待される効果、文化芸術拠点としての創造性・発展性とまちづくりへの効果が不確実・不透明だからに他ならないのではないでしょうか。
(2)まず、最初に総括的に見解を問いたいと思います。
私は、東街区案は当初の再開発事業を大きく変更したものであり、基本構想段階で示した再開発事業とは別の計画になっていることを踏まえ、また、イトーヨーカドーの営業継続を含め、権堂の活性化、まちづくりへの効果は「期待」、「願望」であって確実性が不透明なこと、さらに市民にとって将来負担となる事業費は、現在地の方が東街区案より18億円も少なくて済むことから、権堂地区の活性化と市民会館建設を切り離し、次善の策としてきた「現在地」での建設を速やかに決定し、市民ワークショップの活動を活かし、文化芸術拠点としての規模・機能、コンセプトの実現の検討にシフトすべきであると考えます。見解を伺います。
(3)再質問事項(以下は再質問で準備した課題です)
*まちづくりの効果が見込めるのか
①ヨーカドーの営業継続の見通しは確実なのか?
②シネコンである長野グランドシネマズ、パティオ大門、トィーゴなど、権堂地区周辺に整備された観光・文化・教育施設の権堂地区への効果はどのように検証されているのか。
*権堂の活性化について
①権堂地区の活性化を考えるのであれば、地区周辺の整備よりも地区の真ん中から、すなわち映画館・相生座のあるA地区、旧富貴楼のC地区の再開発を進展させる方が、活性化への効果が期待できると考えるがいかがか。
②権堂商店街の個店の魅力の回復こそが先決。商店街活性化条例を活かし、個展の魅力、ひいては商店街の魅力を磨き高めることに力を注ぐ必要があるのではないか。
*現在地の検証・可能性について
①現在地は、面積が限られていることから自ずと制約はあると思う。しかし、庁舎と一体で文化芸術施設が整備されることで市民の利用度を高める効果は大きい。そもそも基本構想に示した1500人規模のメインホールが必要なのか。1000人位の規模とすれば、制約条件を大きく緩和できるのではないか(文芸協会長発言)。駐車場の整備や周辺道路の整備ももっと検証し、優位性を高めることができるのではないか。
*「わかりやすい行政」について
①市長は「分かりやすい行政」をモットーの一つにしているが、「分かりやすい行政」とは市民の常識にマッチしていることが必要条件。この間の経過は大変わかりにくく強引との印象を受ける。100億円を超える資金を投入する大規模事業を「やってみなければわからない」期待感、願望だけで進めてよいものなのか。市の行政執行責任とは、そんなにいい加減で曖昧なもので良いのか。
②十分ではない市民の理解と合意について、さらに市民説明会を開くべきである。見解は?
③9月末までに結論を出したいとするのは性急過ぎる。もっと時間を設け市民の意見を聴く必要があるがどうか。
2.「無縁・絶縁社会」における命のホットライン、見守りネットワークの拡充について
(1)社会問題となっている高齢者の所在不明問題で、「両親の所在を知らないとする家族の声」「いつの間にか分からなくなったとする近所の声」は、私たちが生活を営むこの社会で、家族の絆、地縁・血縁の絆が急速に壊れ失われ、孤独な市民が増えている、無縁社会・絶縁社会の深淵を私たちに突きつけています。熱中症による犠牲もまた、孤独な低所得者層への対応を問いかけています。
(2)無縁死、孤独死をゼロにしたい、そんな思いから質問します。一人暮らしの高齢者の緊急通報システムは、まさに「命のホットライン」です。このホットラインが、来年1月から、65歳以上の独り暮らし高齢者に加え、75歳以上の高齢者2人以上世帯も対象者に拡大して、またコールセンターから月1回の安否確認コールを取り入れ、月額500円の利用者負担を導入するとされています。委託事業者も決まり、利用料について約400円に縮減する努力がされていると聞き及び、その努力は多としたいと思います。現在の利用者は1356人ですが、約2割、270人余りの利用者は有料となれば利用しないと答えているわけです。この層への対応が必要です。
災害時要援護者台帳に登録されている一人暮らし高齢者は8025人、今後、ますます増えていくとともに、いろんな理由から登録を拒否されている、残念ながらつながりを拒絶されている高齢者の存在にも着目が必要です。セーフティネットからこぼれてしまう層をいかに支援するのかが問われています。
(3)大切な「命のホットライン」となる緊急通報システムについて、無償で事業の拡大を求めたいと思います。検討の余地はないのでしょうか。新たに安否確認コールという安心感を広げるサービスを取り入れるわけですから、3カ月から6カ月の間、希望者に現行通り無償貸与し、効果と定着を見極めたうえで有料化を再検討する、実証実験期間をおくことを提案したいと思いますがいかがでしょうか。その上で、少なくとも経済的理由から利用をあきらめざるを得ない高齢者、要援護者台帳から漏れる高齢者に対して、無償で貸与することを検討できないか。見解を伺います。
3.がん検診受診料見直しの凍結について
(1)市では、保健所運営協議会に、がん検診など10の生活習慣病検診の利用者負担の見直し原案を提示し、来年4月からの受診料値上げ実施を計画しています。利用者負担の基準に基づく見直しの一環で、原案では肺がん検診や乳がん検診の一部では引き下げになるものもありますが、子宮がん検診では2000円が2500円に、前立腺がん検診では2000円が2600円といった具合です。
(2)がん検診等の受診率は、無料クーポン券を導入した子宮頸がんや乳がんのマンモグラフィ検診は前年度比で1.5から1.7ポイント増えているとはいえ、全体的には低迷し、H23年度までに受診率50%の大目標の達成はなかなか難しい現状にあります。問題は、受診料の値上げが受診率の低迷に拍車をかけ、市民の健康度合いが後退するのではないかという危惧です。目標年度に向けて、啓発活動をさらに充実させ、受診率を向上させることがカギとなっています。
今後、パブリックコメントを実施し、最終的に判断するという見通しですが、パブコメ総体に対する市民の参加度の課題も残っています。ここは、市民の健康増進の重要性に鑑み、値上げをぐっとこらえる決断を求めたいと思います。見解を伺います。
*エムウェーブに太陽光発電システムを導入する計画では、123万円の省電力効果を得るために3億円かけて施設整備するとされている。どちらに税金を投入することが市民に歓迎されるか、明らかではないか。
*厚労省は概算要求で、子宮頚がんのワクチン接種に150億円。市町村負担は3分の1とされているようだが、速やかな完全実施を。
4.北信地域の消防広域化と住民の安全の向上について(質問していません)
(1)消防の広域化は、現在、東北信での一本化を先送りし、北信地域5つの消防本部の一本化・広域化を検討、8月には検討結果がまとめられ、この10月にも一定の結論を得たいとしています。「住民サービスの向上が図れる広域化」「住民の理解が得られる広域化」「職員の士気の高揚が図れる広域化」をめざすとされている広域化について、4点、まとめて質問します。
一つ目は、「住民サービスの向上」についてです。長野市消防局は「住民サービスを低下させない広域化」を主張されたと聞いています。「広域化でサービスの向上を図ることは困難なのでは」との問題意識と思われますが、本意と所見を伺います。また「住民の理解が得られる」こともポイントになっているわけですが、議会にも市民にも公式な情報提供は全く行われていません。どういうことでしょうか。今後の対応について伺います。
(2)二つ目は、消防と救急の兼務、すなわち人員削減の問題です。消防の人員の適正化計画によって、消防と救急の兼務を図るとされた中山間地域の3分署、鬼無里・飯綱・七二会での人員削減問題は、住民の生命と安全にかかわる重大な問題であり、現在も「棚上げ状態」となっているわけですが、北信地域の長野市消防本部を除く4つの本部は兼務制を既にひいています。私は専任制を維持し住民の生命と財産の安全に尽力することが不可欠であると考えますが、今後の方向性、考え方を伺います。
(3)三つ目は、専任制と関連し、救急体制の充実についてです。高規格救急車及び救急救命士は11分署の内、まだ4つの分署でしか完全配備となっていません。何処に住んでいようと命の重さに変わりはありません。救急車の現場到達時間目標5分、病院への搬送時間の短縮を図るとともに、早期に全救急隊に高規格救急車及び救急救命士を配備・配置することを最優先してもらいたいと考えますが、計画を伺います。
(4)四点目は、北信地域での広域化は、現状として消防本部毎に運営方式や勤務体制が異なり、大きな温度差があることから、また広域化に対する国や県の推進方がやや見えなくなってきていることなどを踏まえ、拙速に進めず、住民の声を聞き、慎重に対応されることを求めたいということです。以上、見解を伺います。
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