長野駅善光寺口整備の方針
が明らかになった。1月7日の会派合同総会で都市整備部都市計画課から示されたもので、12月議会の建設企業委員会で概要について説明を受けていたものである。これまたパブリックコメントが2月1日から26日の期間で実施されることになっている。
長野駅善光寺口の整備方針は、H20年9月から「長野駅善光寺口整備計画検討委員会」で審議されてきたもので、昨年11月の第6回委員会で「地上広場と歩行者デッキの方針」を決定、景観計画(長野駅前の顔づくり)は引き続き検討するとしている。
善光寺口駅前広場整備の経過と必要性(都市整備部の説明より)
?長野冬季オリンピック時に暫定整備となっている長野駅善光寺口の整備をする。
?H26年の新幹線金沢延伸、JRの駅ビル整備計画に歩調を合わせ、駅前広場の整備を行う。
?長野駅及びその周辺の機能充実と利便性の向上及び「長野の顔」にふさわしい特色のある駅景観の創出を図る。
計画の骨格は、デッキ接続と広場整備、地下整備の3本柱
?ペデストリアンデッキ(歩行者用デッキ)は、ウェストプラザ(平安堂のビル)から長野駅に接続させる1方向のみで完結させる。駅からデッキを3方向(ウェストプラザ・ホテルサンルート・東急方面)に伸ばすとしていた都市計画決定は変更する。
?駅前広場は、現在配置通り、広場空間を中央に配置し、北側にバス・プール、南側にタクシープール・一般車乗降場所及び駐車場を配置する。
?地下での長野電鉄との乗り継ぎや東急方面への行き来を円滑にするため、既存の東西連絡地下道を利用・拡充して新しい地下空間の整備を図る。
JR駅ビル整備方針が固まらないことがネック
JRは新幹線金沢延伸をにらみ、新しく駅ビルを整備する計画を予定しているのだが、その内容は未だに固まっていないようだ。このことが、駅前整備の具体的なイメージが煮詰まらない要因ともなっている。ホテル・メトロポリタンから駅ビル・MIDORIまでの間が新駅ビルの想定範囲のようだが、長野駅正面にどんなビルが建つのかで、交通結節点機能のあり方、広場の役割、そして景観を大きく左右することになるからだ。市では、H23年度には着工し、新幹線金沢延伸のH26年までに完成させたいとする。JR東日本、そして長野支社には、一日も早く構想を明らかにし、長野市行政との調整に乗り出してもらいたいものである。
総事業費は40億円強になる見通し
今回示された整備方針で、総事業費は40億円強になるとの見通しも示された。国の「まちづくり交付金」等を充当させたい考えだ。将来的な確実性に不安が残る。
限定的整備で完結させる発想に賛同はするが、事業費が重い!
中途半端なペデストリアンデッキ、屋根・シェルターのない駅出口、上りしかないエレベーター、わかりづらいバス乗降場所・バス停、一般車の停車スペース不足、無機質な駅正面などなど、機能と景観、やさしさに大きな課題を抱える駅前広場だけに、整備は必要である。デッキや広場のあり方では、それぞれ複数の案で検討され、今回の方針案となっている。検討経過そのものには経緯を表したいと思うし、現況を基本にしながら限定的に駅前整備を完結させようとする発想には賛同するものである。
問題は事業費である。さらに、交通結節点機能の拡充を考えた時の東口で計画する「複合交通センター」(当面、観光バス専用の乗降場所として平面整備するとされる)との役割分担、さらには東口と善光寺口の役割分担、バスターミナルとの連携、顔としての駅舎、人のスムーズな流れ、人の集える広場、地下空間の整備の方向性など、具体的に検証する課題はまだたくさんある。バリア・フリーがどのように徹底されるかも注視する必要がある。
検討委員会では、「デッキなしや平面整備でよい」とする意見もあったようである。議事録等を読んで内容を把握してみたい。「最少の費用で最大の効果」のヒントがあるかもしれない。所属する建設企業委員会の所管事項となるため、十分に検証したい。
▲広場の配置の検討案・2案⇒A案に。
▲デッキ整備の検討案・4案⇒A案に。
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