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09年12月16日
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12月議会の論点・トピックス(その2)…「生活支援局」構想などなど


15日付の(その1)に続く(その2)です。中山間地域の活性化では新たな提案も。年末年始の生活相談窓口開設も具体化します。関心のあるテーマになってしまいますが、ポイントを報告します。

中山間地域活性化の支援策として「生活支援局」構想

 中山間地域の活性化を3期目の公約に掲げる市長は、支所を中心に住民自治協議会、消防署、郵便局、警察や農協、新聞販売店などを束ね、協議・調整し組織化を図る「中山間地域生活支援局」(仮称)を設置できないか検討する姿勢を表明した。高齢化、過疎化が進む中山間地域での生活維持や活性化が狙いと思われる。具体的なイメージはこれからか?委員会での審議に注目である。
薬草栽培の推進へ

 市内の6割を占める中山間地域で遊休・荒廃農地が増える中、市長は、その打開策として薬草栽培に取り組んでいく方針を改めて表明した。漢方薬メーカーと連携して今春から戸隠で始めた薬草トウキの試験栽培をはじめ、七二会・信里・浅川ではシャクヤクの栽培を来年春から始める計画だ。また市内ではドクダミやオオバコの契約栽培に取り組む農家も出てきているとされる。作業の負担が少なく高齢者でも手軽に取り組め安定収入につながるとされるのだが、中山間地域活性化の「希望の星」になればと思う。年明け1月26日には若里市民文化ホールで「薬草フォーラム」が企画されている。

小麦・そば・大豆の地域奨励作物の支援、さらに3年間継続へ

単価も見直しすることが明らかにされたが、さらに切り下げなのか、引き上げなのかが不透明。当然に引き上げだろうと思っているのだが…。

事業仕分けの影響は「不透明」

事業の縮小や地方への移管と判定された事業における影響をH22年度予算との兼ね合いで考えると、「東口の区画整理事業18億(内国庫補助金4億)、長野駅前A3地区の再開発事業1.5億(内国庫補助金0.7億)、公共交通0.3億(全額国庫)、下水道事業51億(内国庫補助金26億)などがあげられる。「どのように地方に任せるのか、財源がどうなるのかが不明であることが問題。地方自治体の裁量性を高めるべきだ」と市長。
事業仕分けの導入は?
 「概算要求事業から450事業を選定して行われた事業仕分けは政治への関心を高めた効果がある。しかし、仕分け人の選定や削減ありきで進む判定作業に課題を残している。長期的な視点が欠落しているのでは」とし、「市においては行政評価による事務事業評価が有効に機能している。いずれは外部評価を導入することも検討したい」とした。ただし一方で、外部評価について、「外部の位置付けが難しい。市は市民と協働して事業を進めている。例えば審議会でも公募枠をお願いしている。どんな基準でどんな人を、どこまで入れるのか、よく検討する必要があるということだ」と述べた。市民ネットの予算要求で、行政評価に関わり「事業仕分け」を参考にした市民参加の評価システムの導入を求めているのだが、現段階では外部評価制度(市民の参加による事業評価)の導入の方向性はかなりアバウトというか曖昧模糊としている。
廃棄物の適正な処理の確保に関する条例の制定へ
 産廃処理事業者や解体工事事業者への対応が廃掃法の行政指導だけでは不十分なことから、県条例と同趣旨で制定するもの。市独自の規定として、産業廃棄物を一定以上の面積の土地に保管する場合や法対象外の小規模な焼却施設で一定以上の能力の施設を設置する場合に届け出を義務化する考えを示した。法に基づく許可申請に先立つ事前協議や住民説明を義務づける「事前計画協議制度」は県条例と同じとするものの「第三者機関」を設置し対応する方向も示した。

水道料金の値上げの行方?
 14年間据え置いてきたことを強調し(これはこれで良いのだが)、「3年に一度の見直し年にあたり、審議会の答申を十分に検討し対応する」と繰り返し答弁。「先送りは累積赤字を増大させ、多くの料金負担を招くことになる」と、値上げ強行を示唆か?
給食費、一部返還へ
 新型インフルエンザによる学級・学年閉鎖に伴う欠席分の給食費を緊急特別措置として一部を返還する方向で検討していることを明かし、年内に結論をだし対応するとした。市教育委員会では、小中学校の給食の変更は学校から1週間前に給食センターに連絡することになっているが、実際は主食であるパンや米飯は2日前に、牛乳は3日前にキャンセルでき、副食でも可能なものがあることから、事前にキャンセルできた食材分についての返還を考えているとのこと。
年末年始、失業などに備え「生活相談窓口」を開設へ
 市厚生課が中心に対応するもので、生活保護や住宅手当の申請をはじめ、生活費を貸し付ける「生活福祉資金」や、離退職者の市営住宅への入居、生活保護支給までの生活費を貸す「つなぎ生活資金」などの相談も受け付ける。市役所閉庁となる29日・30日は第2庁舎の1階の厚生課に開設。31日から年明け3日までの間は、市役所の警備員を窓口に自宅待機する市担当職員が相談に対応するとしている。問い合わせは?026-224-7529へ。
 また、中小企業の資金繰りが懸念される中、国の緊急保証制度(セーフティネット保証)の申請を受け付ける臨時融資相談窓口を29日・30日、市商工振興課に開設し対応する。問い合わせは?026-224-8342へ。
ハローワークでのワンストップサービス試行実施へ
 ハローワーク長野で就労支援に生活・住居などの支援をワンストップで行うサービスの実施について、県の実施方針に基づき、積極的に支援対応していく。
談合抑止で「期間入札」の導入へ
 市では来年度から電子入札方式への移行を準備しているが、これに先立ち、公共事業の入札に応札業者が郵送か持参で入札書を開札日より前に提出する「期間入札」を12月18日から試行するに。随意契約を除くすべての入札に適用される。業者が一堂に会することがなくなり談合などの抑止効果が期待されるとしている。

公契約条例には否定的
 公契約条例の制定は、公契約法の制定に関わることで国政の問題だとしたうえで「最低賃金法と労働基準法の法令順守によりカバーできるとする」と答弁。公共事業の下請け構造の中で最低賃金が順守されていないから条例化が必要だと考えているのだが、道険しと言ったところだ。
 また、知的障害者の就労確保に関し、シルバー人材センターと競合することが課題とし、「指定管理者の選定基準に取り入れることを検討したい」とされた。障害者の雇用については法定枠があるのだが、ペナルティを支払って終わりで人の雇用につながっていない現実がある。法定雇用の実際の取り組みを基準とすべきでは思うのだが…。
子育て支援、子ども部の創設は「多面的に検討」にとどまる
 次世代育成支援行動計画の後期計画策定にあたっては、仕事と生活の調和が図れない、親の負担感の増加している、子どもを取り巻く環境が悪くなっている、この三つを課題とし、22の事業を計画、成果指標を設定し子育て支援を推進する。
 子ども部の創設に対し、多面的に検討するにとどまる。
児童館・児童センターの利用時間の延長へ
 H22年度に試行で実施し、利用状況を見てH23年度に本格実施を検討する方針が明らかに。お母さんたちの強い願いの一つ、格実施を急ぎたい。試行の実施方法について確認しなければ…。
消防の広域化は「実現困難」と見通し示す
 東北信地域は32市町村、7消防本部があり、東北信で1本部ではスケールメリットが見いだせず、実現は難しいと判断している。ただし、消防広域化検討調査委員会の正副会長会議では、①消防無線のデジタル化は一本化して取り組む、②当面は県が対応し広域化について出来るところから進める方針を確認している。年明け1月に正式に確認する予定。このことは市民ネットの予算要望の折に明らかになっていたことだが、長野市としては「2交代制の勤務体系の維持」が必須条件としている。3交代制では人員増が必要になるからとのことだが、3交代制は、多くの市町村で取り入れられている勤務体系だ。この辺りが今後の一つの課題となろう。
新田町地区の優良建築物等整備事業が取りやめに
 まちなか居住を促進する観点から優良建築物等整備事業に位置付けてきた、ホテル三景園跡地の計画がとん挫したことが明らかに。ホテル三景園を買収した大成建設が総事業費10億2500万円(うち補助金1億5500万円)で事業化を図ったものだが、折からの不況の影響で撤退したようだ。市費がどこまで投入されているのか、今後の事業見通しなどについて建設企業委員会で市としての経過と対応を明らかにしたい。

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