長野県交通運輸労働組合協議会(議長=竹前茂雄・運輸県連委員長)で、長野県に交通運輸政策、地域公共交通の再生・活性化の具体化に向けて申し入れを行いました。交通運輸労働組合協議会(略称=県交運)は、鉄道やバスの民間交通産事業者の労働組合、運輸・運送に関わる事業者の労働組合、タクシーの労働組合などで構成する連絡協議体で、議員として私も参画しています。
具体的には、県民の交通権=移動権を明確化し、県内地域公共交通を「公共サービス」として位置づけて、高齢社会への対応、地球温暖化の防止、まちづくりの観点から、総合的な交通政策を策定・確立すること。新幹線の金沢延伸に伴う長野以北の並行在来線の存続について、厳しい経営状況が予想されることから、「経営をJRから分離する」とした政府・与党合意、基本スキームの見直しを図ること。三セクで運行する「しなの鉄道」は、安定した経営策、車両・施設面での安全対策を講じること。入札にあたり「国交省のガイドライン」を周知徹底し順守させること。長野市のお出かけパスポート事業など高齢者の生きがい対策に県としての支援策を講じること。規制緩和策のもとで進む人件費の圧縮、労働条件の切り下げなどに対し、労働基準法・改善基準の順守を指導徹底することなどなどです。さらに県内の交通渋滞個所における道路改良・信号改良を具体的に求めました。
約3時間半に及ぶ県行政との意見交換となりました。ポイントの総合交通政策の策定については、「公共交通は重要な社会基盤である」としたものの、「中期総合計画に交通政策を主要施策に位置づけている」とし、市町村の個々の施策の支援で精いっぱい、環境もめまぐるしく変化する中で、「新たな総合交通政策の策定は困難」としました。引き続きの課題です。
並行在来線問題では、現行制度を見直し「新たな仕組み」が必要であるとの認識のもとに、「地方負担の軽減」「運行の在り方」について、より良い解決策を見いだせるよう取り組むとしました。
しなの鉄道については、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」に基づいて沿線市町の理解のもとに「しなの鉄道活性化協議会」を2月16日に設立し、安全対策や経営改善、利用促進策を盛り込んだ総合連携計画作りに乗り出すことがわかりました。
新年度では「公共交通利用促進県民大会」を飯田市で開催を予定、ノーマイカーデーを実践し公共交通の利用促進に寄与した企業等を認定・表彰する考えを示しました。
長野市を含め県内地域公共交通は課題が山積。県とのやりとりを踏まえ、長野市における公共交通の再生・活性化に臨む所存です。
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