条例改正案の修正案可決でまとまる
何かと注目を集めてきた長野市議会の政務調査費は、市長提案の月額9万円を5千円減額修正することで「あっけなく」まとまりました。市議会では私も委員となった「政務調査費検討委員会」では合意に達せず、すったもんだの末、議会運営委員会の場で議長あっせん案に近い形で、現行の1カ月9万7千円を1万2千円減じ8万5千円でまとめてきたものの、特別職報酬等審議会からは7千円減の9万円を答申、市長はこれを尊重し12月議会に条例改正案を提案しています。11日の条例改正案を審議した議会運営委員会では、「1年間議論してきた結論を優先すべき」との考えから、条例案から5千円を減額する修正案が全会一致で可決、18日の本会議で採択されることになりました。
第三者機関である特別職報酬等審議会の答申をどう位置づけるのか
議論のポイントは、審議会の答申をどう受け止めるのか、そして政務調査費の額を誰が決めるのかにあると思います。私としては、率直に言って議会の議論は何だったのかという割り切れなさを残しながらも、「もっと議員は勉強しろ」との第三者機関である審議会の意見を尊重した対応が必要であると考えていました。減額修正の動きは出てくるだろうと予想はしていましたが、「9万円を上限額とする考え」(鷲澤市長)をベースにすれば、議会の意思と答申の差額5千円の活用方について議会として工夫できないのか、例えば、条例上は9万円の額で決定し、もともと政務調査費は会派からの申請に基づき交付される調査費であり、議会の意思として8万5千円を交付申請し活用するという方法がとれないのか、さらには差額5千円分をそれぞれ会派が拠出し、市議会全体での政策の調査研究活動に充てることはできないのか、との問題意識を持ちつつ、会派の中で相談してきた経過があります。政務調査費の活用は、現在は返還金が生じているものの、将来的にはもっと活用方を広げていける要素があるとも思うからです。
実際にはこうした観点からの議論を深めることはできませんでしたが…。なぜ、このことにこだわるかというと、政務調査費の額は第三者機関の答申なり提言により決定したほうが、理にかなっていると思うからです。現在、「特別職報酬等審議会」で審議されているのですが、「名称」故に「第2報酬」的な誤解を広げる余地を残しますから、適当だとは思いませんが、第三者機関という意味では必要条件を満たしていると思います。十分条件ではないと思います。
修正案にどう対応するか
とはいえ、市議会全体の議員の活動にかかわることですから、全会一致でまとまって対応することも大切であると考えています。修正案でまとめた議会運営委員長は市民ネットの池田市議ですから、なおさらです。9月議会から始まった議会基本条例の検討の中においても、政務調査費の決定方法、使途、情報公開についてさらに精査する議論が必要だと考えます。
月額8万5千円の政務調査費でも、中核市とはいえ、県内の他市に比べ格段に多い調査費であることは事実。もっとも他市が低すぎるとは思いますが…。政策立案の調査研究に資する使い方を徹底しなければなりませんし、市民の皆さんにとって「議員に必要な調査研究費」であることを広く認知してもらえる取り組みが必要です。
政務調査費の使途基準見直しも進んではいるものの…
この間の「政務調査費検討委員会」では、使途基準の見直しの検討を進めてきて、行政視察等の旅費・宿泊費等の経費は旅費規定ではなく実費精算とすること、旅費でグリーン車は原則利用しないこと、資料等図書の購入は、会派購入で原則自由とし図書目録を作成し会派において管理すること、市内調査日当3000円を廃止することなどで合意してきました。飲食を伴う会費(例えば区長会の会合や各種団体の行事)については、上限を3000円とし当該団体の発行する領収書添付を義務付けることにしました(現行から透明化を強める措置です)。飲食を伴う会費に政務調査費を充当することについて、「一律禁止」する議会が出てきていますから、今後の検討課題ではあります。私(市民ネット)としては、議会全体で一致して対応することが肝要であるとの認識のもとに、意見は意見として述べた上で全体がまとまるという観点から議論してきています。
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