今日の話題
今日の話題
08年11月18日
トップページに戻る トピックス・長野市議会に戻る 次のトピックス
県護憲連合で「国民保護訓練の中止」を求め、県に申し入れ

 県護憲連合で、国と長野県、長野市が共同して今月26日に予定する国民保護法に基づく「国民保護実動訓練」の中止を求め、県に申し入れをしました。私が事務局長を務める県護憲連合では、「県の国民保護計画策定」にあたり意見書を提出、また1月に行われた「図上訓練」に対しても、「武力攻撃事態等を未然に防ぐために普段の外交努力を国に働きかけるとともに県民の基本的人権が侵害されないよう厳格に対処」するよう求めてきました。
 今回の武装グループ・テロリストによるビッグハットでの化学剤散布、JR長野駅での武装グループ立てこもりを想定した訓練は、国民保護訓練の名称とは裏腹に、「戦争に準ずる事態に対応するための訓練で、戦時訓練、軍事訓練にほかならない」「国民の安全より国家の安全を優先する訓練は必要ない」との認識から「中止」を求めたものです。(詳細は下段の申し入れを参照)【写真上は申し入れ書を手渡す高橋博久・県護憲連合代表委員】
 ?これに対し、松本有司・県危機管理部長は「国民保護計画に基づき、あくまでも県民の避難、救援、被害の最小化が目的で、現場レベルでは軍事訓練との認識はない。危機管理上、必要な訓練である」としました。
 ?また、出動する自衛隊は災害派遣出動に始まり、国での事態認定後に「自衛隊法77条の4による国民保護等派遣」に移行する、銃火器等の武器は携帯せず、いわゆる「丸腰」で出動するとの認識も示しました。
 ?さらに、住民参加が目標の3分の1にとどまったことについて、県護憲連合としては「県民・市民の良識の表れ、静かな拒否」との認識を示したことに対し、「平日の昼間、寒い時期であることでなかなか参加につながらなかったのではないか。自主的な参加をお願いした結果だ」と述べるにとどまりました。
 ?参加住民や通行市民に対する安全確保では、特にJR長野駅では一般通行客の通路を確保し支障の無いように対応する、参加住民には保険に加入してもらうとし、安全確保に万全を期しているとしました。
 ?なお、今後の取り組みについては「26日の訓練の反省点に立って必要に応じ検討していきたい」としました。
 国民保護訓練=軍事訓練との認識は、訓練の根拠である国民保護法、さらに武力攻撃事態法が、他国からの武力攻撃、侵害行為を想定しているからです。「大規模テロ」という「緊急対処事態」は「武力攻撃事態に準ずる事態」として定められていますし、「9.11テロ」以降、「対テロ戦争」時代に備える訓練となるからです。

 県護憲連合では訓練前日の25日午後6時から南千歳公園で反対集会を予定。また当日も訓練の監視行動を計画しています。また、長野地区護憲連合では20日に総務部長や危機管理防災監宛に同趣旨の申し入れを行うことになりました。
 因みに私は市議会総務委員会でバス視察を計画したことから、これに便乗し、訓練の全会場を監視の視点で視察することにしています。写真上はSBC放送インターネットニュースから拝借したもの(著作権違反かも、出典を明らかにしておきます)、テレビを見た方々から「布目さん、忙しいね。でかく映ってたよ」と冷やかされ?ました。「冷やかし」はさておいて、訓練の狙いと実態を多くの市民の皆さんに知ってもらいたいと思います。

11.25「国民保護」訓練反対集会を呼びかけるチラシ[PDF版]
 
県に対する申し入れ書[PDF版]

2008年11月17日

長野県知事     村 井    仁  様

県危機管理部長  松 本 有 司  様

                                      長野県憲法擁護連合[県護憲連合]
                                             代表委員 清 水   勇

国及び長野市と共同で実施する

国民保護実動訓練の中止を求める申し入れ

 

国民保護法第42条及び長野県国民保護計画に基づき、国及び長野市と共同で、国民保護実動訓練が26日に予定されています。

武装グループ・テロリストによる化学剤散布という「緊急対処事態」を想定した訓練は、「武力攻撃の手段に準ずる手段を用いて多数の人を殺傷する行為が発生した事態」(国民保護法)に対応する訓練であり、国民保護法の根拠法である「武力攻撃事態対処法」に照らせば、住民の避難・誘導を主たる目的としているといえども、「戦争」または「戦争に準ずる事態」に対応する「軍事訓練」に他ならないと考えます。

そもそも「テロ」は犯罪であり武力行使及び戦争行為ではないとされる国際法上の常識を逸脱し、「9.11テロ」を戦争行為とみなし「対テロ戦争」を正当化し戦争を継続する米国の世界軍事戦略に追随し制定されてきた一連の有事法制を根拠とする「訓練」です。「対テロ戦争」時代における人為的な戦争被害を「武力攻撃災害」または「テロ災害」と読み替え、あたかも自然災害に対する防災訓練と同義語であるかのように県民に周知し、軍事訓練であることの本質を覆い隠すことは許されないといわなければなりません。

災害対策基本法における自治体の役割・責務とは異なり、基本的に国の判断が最優先される「国民保護法」のもとでは、一連の有事法制の基本法である武力攻撃事態対処法が「武力攻撃が発生した場合には、これを排除しつつ、その速やかな終結を図ること」(法3条)を目的とする以上、侵害排除が優先され、国民の生命及び身体、財産の保護はないがしろにされかねない、基本的人権の侵害に及ぶ深刻な矛盾をはらんでいることは、日弁連をはじめとする法専門家からも指摘されているところです。住民の生命及び身体、財産の保護に責務を持つ自治体としては、国民保護法がその名称とは裏腹に「国家の安全」を「国民の安全」に原理的に優先させるように制度設計されていることに無頓着であってはならないと考えます。

「対テロ戦争」下にあるイラクやアフガニスタンの今日の現実が、このことを明白に証左しています。

私たちは、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」とした我が国の最高法規である日本国憲法の理念に照らし、今次の「国民保護実動訓練」は「対テロ戦争」を想定した「軍事訓練」に他ならず、武力の行使、県民の安全を真に確保し保障するものとならないことから、訓練は必要ないと考えます。

県及び長野市が公募した参加住民は、最大規模を意図したものの予想を大きく下回ることになりました。県民・市民の良識の現れであると思います。県民の声なき声、静かなる「拒否」に謙虚に向かわれ、民意に基づいた行政執行に心を砕かれることを切に求めつつ、国民保護実動訓練について、下記事項により誠意ある対応をとられるよう要請します。

1.「県国民保護計画」の基本理念に盛り込まれた「…武力攻撃事態等について、わが国の平和と国民の安全を確保するには、政府の平常時からの不断の外交努力により、これらの発生を未然に防ぐことが何よりも重要である…」との認識に基づき、「国家の安全」を優先する「軍事訓練」となる国民保護実動訓練を中止されたい。

 

2.「訓練」参加住民の予想を下回る結果について、その要因及び評価、いかなる民意の表れと考えるかを明らかにされたい。

 

3.「大規模テロ」「対テロ戦争」を想定する「緊急対処事態」において、県知事が要請する自衛隊出動は、治安出動にあたるのか、警護出動にあたるのか、自衛隊法に基づき、その根拠を明らかにされたい。

 

4.自発的意思のもとに参加するとされる住民の安全、指定地方公共機関等における業務上の安全をどのように確保されるのかを明らかにされるともに、自発的意思の名のもとに基本的人権が侵害されることのないよう厳格に対応されたい。

 

5.JR長野駅周辺300メートルを立ち入り禁止区域とする設定の実効性はどのように確保されるのか、通勤・通学をはじめとする市民の安全確保はどのように行われるのか、明らかにされたい。

 

以  上


このページのトップへページトップへ