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08年6月30日
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学校の耐震化、最優先で前倒しを

 中国・四川省の大地震で多くの小中学校が倒壊し子供たちが生き埋めになりました。また・岩手・宮城内陸地震でも200を超える学校に被害が出ました。こうした事態を目の当たりにするにつけ、学校の耐震化は悠長なことが言ってられない緊急かつ切実な問題となっています。

 学校は、子どもたちの学び舎であり、日中の生活の場となっています。また地域にあっては災害時の避難所でもあります。財政が厳しいからと言って学校の安全を先送りすることがあってはならず、備えを万全にしなければなりません。

全国で約1万棟の学校施設が倒壊等の危険性あり

 6月20日文部科学省が公表した「学校の耐震改修状況調査の結果」では、全国で約1万棟が倒壊等の危険性ありとされ、県内では小中学校2719棟(木造を除く)の内、震度6強で倒壊の危険のある「耐震性のない」建物は694棟、25.5%に上りました。また、耐震性がないか、耐震診断を受けていない建物のうち、緊急対策が必要な「倒壊の危険性が高い」建物は、18市町村の42校、58棟が該当するとしました。

市内の学校施設、耐震化率は58%、耐震診断化率は100%

 長野市の学校施設の耐震化率は58%で、全国平均の62.3%、県平均の71.0%を下回っています。H20年度の耐震化事業で62%にはなる見込みだそうです。
 市内の学校施設(校舎・体育館)は377棟、内、新しい耐震基準に適合するS58年以降に建設され、耐震化が図られている建物は165棟、残り212棟の施設は第1次耐震診断が100%実施され、耐震性があると診断された建物が30棟、H19年度までに耐震対策が完了した建物が23棟、すなわち212棟のうち53棟は安全な施設になりました。問題は残りの159棟で、詳細な耐震診断(2次診断)を実施し、必要に応じ耐震対策を講じる必要がある建物ということになります。

 現在の市の学校耐震化の計画は、H18年度から15年計画で総事業費約600億円を見込んでいますが、完了するのはH34年度です。計画の前倒しが必要なことは明らかです。

震度6強で倒壊の危険性ありは159棟のうち38棟、公表されず

 市は、今議会の中で震度6強の地震で倒壊等の危険性が高い建物が38棟(体育館4・校舎34)あることを明らかにしました。専門的に言うと「構造耐震指標」であるIs値(イソ値)が0.3未満の建物ということになるそうです。しかし、具体的な施設名をまだ公表していません。国が新しく施行した「地震防災対策特別措置法」では、市町村の取り組みを促進させるため、耐震診断の実施と結果について公表することを義務付けました。法に基づき、長野市も早急に公表することが求められています。合わせて、個々の施設についての耐震化計画もセットで公表できるよう、検討を急ぐよう求めてきました。

国の補助特例を活用して、3年間で38棟の耐震化を

 国は先の「地震防災対策特別措置法」で、H22年までの3年間の時限措置ですが補助特例を決めました。耐震補強工事では現行2分の1の補助率を3分の2に、改築工事では現行3分の1を2分の1にかさ上げするものです。3年間の時限措置いう点で、国の本気度を疑いますが、この補助制度を活用しない手はありません。

 新しい国の補助は、2次までの耐震診断完了施設を対象としています。長野市の場合、38棟のうち2次診断完了は12棟にとどまっているとのこと、早急に2次診断を全部完了させ、国の補助特例で危険な38棟すべての耐震化を完了させる計画をつくり、着実に実行し、学校施設を安全にすることを最優先すべきです。


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