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図書館に防犯カメラ、プライバシーは大丈夫か?(その2) |
◆経済文教委員会、開かれる
市民ネットの申し入れに応える形で4月19日に経済文教委員会が開かれ、長野市立図書館の防犯カメラ設置問題について審議しました。この日はもともと委員会として戸隠支所管内の視察を予定していましたが、時間を繰り上げての開催となりました。委員会の開催には委員長に感謝です。さて、市教育委員会は従来の監視カメラ(白黒・4台)の老朽化による更新という認識にとどまり「個人情報保護の観点での議論はしていなかった」として論議不足を認めたうえで、委員会に対し「陳謝」しました。また、市側は犯罪防止と本の盗難防止のためにカメラを設置したこと、データは2秒に1コマのペースで約3週間分が保存、データを処理加工する機器は持っていないことなどを説明、情報の漏洩については地方公務員には守秘義務が課せられていること、記録情報は市個人情報保護条例によって保有目的以外への利用が原則禁止されている現状を示し、理解を求めました。今後は、全市的な問題として、カメラの設置状況の調査を4月中に行い、情報の管理基準について5月中に制定する考えを示しました。因みに博物館、少年科学センターに設置されているカメラは監視用で記録装置は無いとのことです。
◆管理運用のルールできるまで、記録保存を停止するよう求めたが…
委員会全体では不十分な予算審議に終わったことへの批判が相次いで出されましたが、防犯カメラの設置の是非については「犯罪防止の観点からやむを得ない」とする空気が支配的でした。私は、ここで指摘してきた二つの問題を改めて提起、「防犯カメラの設置には光と影があること、監視社会になりかねない危険性をはらんでおり、運用管理の厳格なルールをつくるべきだ」と強調しました。その上で、ルールができるまでの間、記録保存をやめるよう求めましたが、市側はこれに直接答えず、現状への理解を求める姿勢にとどまりました。図書館で緊急に行ったアンケートでも意見は少なく、市民の皆さんの関心が声となって表れてきていないことも市の対応を後押ししているようです。
◆検討進む「防犯条例」も光と影を見極めたい
長野市では現在、「防犯条例」策定の検討を進めています。全国で制定が進む「生活安全条例」がペースになると思われますが、この条例については人権の観点から専門家らからは「監視社会」を助長する危険性が指摘されています。犯罪の防止は必要です。しかし、犯罪の背景にある社会的な問題、犯罪が増える社会全体の病にメスを入れなければ、本当の犯罪抑止にはならないとも考えます。今後、防犯カメラの管理運用ルール作りをチェックするとともに、「防犯条例」制定の動きにも光と影を見極めながら注視していきたいと思います。
◆市民の声
吉田に住む長野市図書館をよく利用するという市民の方から電話をいただきました。「防犯カメラはやっぱり撤去してもらいたい」「図書館には正規の職員を十分に配置し、犯罪等の抑止を図ってもらいたい」との意見で、また「県立図書館の状況はどうなのですか」と聞かれました。県立図書館の現状については調べて、後日、報告したいと思います。
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