保育園の民営化、こう考えます

　市立保育園の民営化が大きな話題となっています。保護者会の強い不安と反対で「来年度実施」は先送りになりそうですが、市側はあきらめていないようです。
　私は二つの問題があると考えています。一つは保護者の皆さん、保育士さんとの合意作りの問題です。「市民との協働による街づくり」を掲げる市長さんにしては、あまりにも唐突で強引さが目立ちました。なぜ公立のままで維持できないのか、民営化するとどうなるのかが十分に説明され、納得・合意のうえで決定されることが大切です。
　二つは、民営化そのものの問題です。子育て支援の柱である保育は「安心」が一番重要です。民間活力・競争原理の導入で「安心して預けられる保育園」に本当になるのでしょうか。保育の質は維持されるのでしょうか。子どもを育てる上で最低必要な保育の質は、市場原理・競争原理を超えて確保される必要があります。これが行政の責任です。経験ある保育士さんの存在が「質」を担保しています。
　確かに延長保育、ゼロ歳児保育、夜間保育など保育に求められるニーズは多様化しています。多様化に応えることも行政の責任です。市と保護者と園が協働して、市立保育園のままで維持し多様なニーズに応える道を探ることが必要だと考えます。

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