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2013年5月19日 3月議会の質問から➍…サッカースタジアム整備、巨額な随意契約の課題を質す

 新年度予算などを議決した3月議会、一般質問で質したことを中心に報告します。

 80億円の総事業費を見込んだサッカースタジアム整備は、設計・施行一体型のプロポーザル方式で、「竹中・東畑・北信・千広・アーキプラン共同企業体」と71億4千万円で契約することになりました。しかも、4面屋根付きで、事業期間が8カ月短縮され2015年シーズンから利用できるとのことです。80億円が刷り込まれてきたことから、71億円と聴くと思わず「安い」と思ったりするのですが、2位となった「鹿島・安井・北野・飯島・宮本共同企業体」の提案は、風対策や芝管理、トイレの数、事業期間の短縮で課題や疑問が残るとされたものの、事業費は58億3,700万円で一番低価格でした。価格と技術・機能、工期、何にウェイトを置くのかで判断が分かれたものと伺えます。【写真・右は最優勝賞となった竹中共同企業体案】
 サッカースタジアム整備には賛成してきていますから、市民から愛される総合球技場になることを願う一人です。
 とはいえ、公共工事の契約には、透明性・専門性・客観性が強く求められます。私が問題視した点は、競争入札を経ず巨額な随意契約となること、そして随意契約の決定が6人の限られた選定委員に委ねられていること、技術提案であることから、俯瞰図などを観た印象が強く、選定に主観が入ってしまうことにあります。透明性や客観性に課題を残していると考えるからです。
 こうした観点から、❶事業の決定・契約の透明性はどのように担保されるのか、➋事業者の提案やヒヤリングが非公開となったことは市民に開かれていない。公開する工夫が必要ではないか、➌選定委員に利害関係者はいないのか、専門性をもった学識経験者を増やすべきではないか、などを質しました。
【参考】◎2013/2/13南長野運動公園総合球技場整備事業設計者及び施工者選定に係る提案競技 選定結果報告書
    ◎2013/2/12南長野運動公園総合球技場整備事業設計者及び施工者最優秀案の説明資料
    ◎2012/10/24「スポーツを軸としたまちづくり」市民会議資料

「事業者に不利益だから非公開」
 透明性の確保については、「提案の募集にあたり、事業者に不利益を生ずるものについては公開しないと定めている。また事業者の独自の技術や知的財産に関わるものが含まれているため非公開とした。選定の経過や選定委員会の議事要旨は市ホームページに公開している」との答弁に止まりました。非公開がやむを得ないとしても、契約後に、第1次審査、第2次審査、ヒヤリング段階で、それぞれコスト面やグレード面で、どんな意見が交わされたのか、議事録として公開するよう強く求めました。

「選定は最良の結果に」
 「選定委員会の人選で、利害関係者はいない。より多くの学識経験者を選任する考え方もあるが、今回は最良の結果が得られたと考えている」との答弁。国交省は「建設公共事業におけるプロポーザル方式には透明性や専門性、客観性の面から課題はある」としています。特定企業と親しいとか、いわゆる選定委員の「身体検査」は、行政に委ねられています。”行政を信じるしかない”というのは何か釈然としません。【写真・右は次点となった鹿島共同企業体案】

「主観が入らないというのは嘘になる」と教育長
 選定委員を務めた黒田副市長と堀内教育長に所感と課題を尋ねました。黒田副市長は「第1次審査で事業費の安い2社が残った。第2次審査では、芝の育成方法や観戦環境、照明設備などを審査し、価格面でいえば割高になったが、コスト、グレード両面からバランスのとれた案に落ち着いた」とし、今後の課題として「維持費をいかに抑えるか、工期通りに進むのか、寄附をどうやって寄せてもらうのか、パルセイロがJ2昇格を果たしてもらえるのか、そして何よりも立派な建物ができて良かったと市民から思ってもらえる仕上がりにすることが最大の課題」と答弁しました。
 堀内教育長は「(選定に)主観が入らないというのは嘘になる」が「いろんな情報を集めて、公正な観点で判断した」と率直に答弁しました。

価格と技術を重視した「総合評価落札方式」の採用を提唱
 国ではプロポーザル方式の課題を解決する一つの方法として、技術と価格双方を評価し入札で決定する「総合評価落札方式」を提案しています。
 私は、透明性・客観性を確保する観点から「総合評価落札方式」の採用を提唱しました。市側は「数値化が困難な項目が多く、同方式の採用は難しい」としましたが、第四学校給食センター建設もプロポーザル方式としていることから、契約の透明性を求め、さらに取り組みを強めたいと考えます。