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2012年10月2日 まちづくり・公共交通対策特別委員会の委員長報告より

 9月24日、1年間にわたって調査・研究に取り組んできたまちづくり・公共交通対策特別委員会の報告を委員長として行いました。これまで2つの特別委に分かれていた「まちづくり」と「公共交通」がテーマとして合体する中、山積する課題に追われがちな調査となり、まとまった提言にまで深めることはできませんでしたが、課題ごとにおいて必要な指摘は不十分ながらもできたものと考えています。新しい特別委では、まちづくりと公共交通はそれぞれの委員会となり、公共交通対策特別委には引き続き所属することになりました。今度は役職に就いていませんから、委員会をまとめることに腐心する(?)必要がありません。とはいえ、決して無責任な発言をするつもりはありません。自分自身でしっかり研鑽し、意見を展開し、議論を深めたいと思います。
 報告内容が議論のすべてではありませんが、これからの調査・研究につないでいくため、報告を掲載します。長いですけれど…。

三十三番 布目裕喜雄でございます。私から、まちづくり・公共交通対策特別委員会の報告をいたします。

 本委員会は、中心市街地活性化やコンパクトなまちづくりの推進、公共交通の整備拡充などについて調査研究を行うため、昨年十月に設置されました。以来、先進地の視察、市内の現地視察、関係地区の皆さんとの意見交換会なども実施しながら、調査研究を重ねてまいりました。 

初めに、まちづくりに関する事項のうち、中心市街地活性化基本計画について申し上げます。

第一期長野市中心市街地活性化基本計画は、本年三月、約五年に及んだ計画期間を終了いたしました。この間、計画に掲げた様々な事業の実施により、一部でにぎわいの回復や交流人口の増加が見られるなど、一定の成果を上げてきました。しかし、まちのにぎわいの創出や空洞化した商店街の再生など、中心市街地全体の活性化には至っておらず、いまだ道半ばの状況にあります。

そこで市では、これまでの事業効果を検証する中で課題を整理し、中心市街地の更なる活性化を目指して、第二期長野市中心市街地活性化基本計画を策定し、本年三月二十九日に内閣総理大臣の認定を受けたところであります。

今後は、施設整備などのハード事業だけではなく、商店街の活性化、魅力ある個店の展開、中心市街地における地域コミュニティの再生などのソフト事業の成否が成功の鍵を握っております。第二期計画に掲げた事業の着実な推進とともに、地元住民主導の魅力ある商店街づくり、まちづくりをしっかりと支援していくよう要望するものであります。

また、長年の懸案である、善光寺の参拝客を門前に誘導する方法を検討するため、セントラルスクゥエアの一角を大型バス駐車場として利用する実証実験が、今月十二日から来月十九日までの予定で行われております。

地元では、この実証実験を権堂地区の再生に生かそうとする動きがある一方で、付近の歩行者優先道路を大型バスが通行する矛盾も指摘されております。今後は、中央通りの歩行者優先道路化を軸にしながら、車両の通行についても多角的に検討していくことが重要であると考えますので、実証実験の結果を注視していきたいと思います。

さらに、この第二期計画には、都市計画道路県庁緑町線の整備に関連して、沿線地区の計画調査事業が盛り込まれました。過去に、用地買収が困難となり事業を中断した経緯を踏まえ、街路事業ではなく、未整備区間を含んだ沿線地区を対象に面的整備手法の検討が行われます。

今後は、平成二十五年度をめどに事業案を作成し、平成三十三年までに県庁緑町線の整備工事を概成するとのことであります。課題は山積しておりますが、早期開通に向けた一層の取組を強く要望する次第であります。

次に、権堂地区の再生について申し上げます。

権堂地区の再生に向けた具体策を官民協働で見いだし、具現化を目指すため、本年二月、長野市権堂地区再生計画が策定されました。提案された九つの事業のうち、重要度と優先度が高い三つの事業を核事業と位置付け、他の事業と連携させながら先行して推進するとしております。

こうした中、本委員会は本年四月、権堂地区の現状と課題を調査するため、実際に核事業予定地などを歩いた後、権堂まちづくり協議会の皆さんとの意見交換会を実施いたしました。

意見交換会を通じて、権堂地区再生に向け取り組む地元関係者の熱意を実感いたしました。また、新たに子育て世代が商売を続けられる環境整備が必要であるという課題も明らかになり、人が集い交流する拠点づくりだけでなく、人が生活するための拠点づくりも重要であるということを改めて認識したところであります。

核事業の一つである、権堂B1地区市街地再開発事業は、既にスタートしております。しかし、多額の市費を投入する再開発事業の在り方や公益施設の内容を疑問視する声もあることから、市には、事業効果などについて説得力のある説明が求められます。そして、再開発事業の参加者には、自己の利益を追求するだけでなく権堂のまちづくりのため、それぞれの責任を果たすことが求められますので、この点をきちんと理解した上で、事業に臨むよう強く要望するものであります。

 一方、アーケードを滞留空間として活用することが提案されておりますが、多額となる維持管理費の負担が課題となっております。アーケードは、権堂商店街の個性であり大切な財産であります。これを、今後も有効に活用していくためには、商店街の皆さんが主体となって設置した設備であることを踏まえた上で、その維持管理について、市としてどのような支援が可能なのかを検討する必要があると考えます。

 また、権堂地区では、若者を中心に土蔵を改装して起業し、まちに活気を生み出している取組など、活性化に向けた熱意あふれる取組が確実に芽生えてきていると感じます。先月二十三日に、第一回ごんバルが開催され大きな話題となったことは、記憶に新しいところであります。さらに、これまでの努力により、アーケード通りの空き店舗数は減少傾向にあるとのことであります。

引き続き、地元の皆さんによる、権堂地区再生に向けた取組をしっかりと支援していくよう要望する次第であります。

  次に、長野駅善光寺口駅前広場整備事業について申し上げます。

 本事業は、新幹線金沢延伸を前に、暫定整備状態となっている長野駅善光寺口を再整備し、交通結節点としての機能充実と利便性の向上を図るとともに、長野市の顔にふさわしい特色ある景観を創出し、回遊の基点としての魅力づくりを進めるものであります。

 この駅前広場の利活用については、市民が主体となって広場を活用したイベントや飾り付けなどを企画し、実践する組織である、長野駅善光寺口利活用ネットワークが、先月九日、発足いたしました。本市を訪れた方々に、また来たいと思っていただけるような、市民意見を生かしたおもてなしの実践に大いに期待するところであります。

工事については、今月下旬から仮設バス停や仮設バスロータリーの設置が始まります。しかし、工事の実施に当たっては敷地に制約があり、通行に支障が出る中での長期間の工事となることに加え、JR東日本が建設する駅ビルの建設工事とも工期が重なることから、適切な案内表示により人の流れを誘導し、利用者が混乱なく安全に通行できるための対策が不可欠であります。

そこで、利用者に対する事業の周知徹底と善光寺口周辺の案内表示を初め、歩行者、バス利用者などの安全確保、路線バス待機場の確保などの対策に、万全を期するよう要望するものであります。

また、JR東日本の駅ビル建設に伴って、長野駅前に新たな商業スペースが生まれることになり、長野駅前一極集中を更に加速することも懸念されます。今後、JR東日本に対し、周辺の商店街の理解と合意をきちんと得るよう働き掛けるとともに、中心市街地全体をふかんしてバランスのとれた商業の発展、回遊性の向上が見込める施策の展開を要望する次第であります。 

 次に、長野駅周辺第二土地区画整理事業について申し上げます。

 本事業は、平成五年の事業開始以来二十年目の節目を迎え、本年八月末の事業の進捗状況は仮換地指定率が八十三・五パーセント、建物移転率が七十七・九パーセントなど、着実に事業が進んでおります。しかし、いまだに事業に対する理解が得られない権利者がいることや、移転補償交渉に時間を要する事案が発生したことにより、平成二十八年度までとしていた施行期間を、平成三十年度まで延長する予定とのことであります。

多くの住民の皆さんは、一日も早く事業が完了することを望んでおりますので、理解が得られない権利者に対しては、直接施行の実施も視野に入れざるを得ない状況でありますが、今後も引き続き粘り強く丁寧な交渉を続け、円滑に事業が進展していくよう要望するものであります。 

 続いて、公共交通に関する事項のうち、新交通システムの導入可能性調査について申し上げます。

市では、昨年十二月定例会での請願採択を受け、市内の基幹的公共交通網の整備を図るため、新交通システムの導入可能性について交通対策審議会に諮問し、現在も審議が進められております。

本調査は、将来のまちづくりを見据え、市内一円を対象とするものでありますが、旧長野電鉄屋代線の須坂・屋代間における既存鉄道施設を活用したLRT導入の可能性については、早期対応が求められる跡地活用と密接に関連することから、優先的に審議されてきたものであります。

審議会では旧屋代線の施設状況を把握し、概算事業費、需要量、費用便益などを算出して導入の可否について審議した結果、七月三十日には、現時点では導入は困難であるとの中間報告がなされ、その報告を受け、市においても同様の決定をしたところであります。

 この調査結果自体は、やむを得ないものであると受け止めますが、今後、市内一円の調査を進めるに当たり検討すべき事項もあります。

新交通システムの導入に向けては、公共交通を軸としたまちづくりと連動した施策を展開していくことが必要となります。費用対効果を見極めることは重要でありますが、超高齢社会を見据えた公共交通網の在り方、公共交通への利用転換、歩いて暮らせるまちづくりといった観点から、議論を深めることも求められるところであります。

 また、地域公共交通の再生には、利用者、事業者及び行政の役割分担を考慮した取組が必要であります。今回、市が鉄道及び軌道の資産を保有する上下分離方式に基づいて、事業推計が行われたところでありますが、利用者の運賃負担、事業者の経営努力による負担、行政の赤字負担について、それぞれが受容できる在り方を提示し、市民合意を得るよう努めることを強く要望するものであります。

 さらに、この度の調査の中で示された費用対効果、利用者予測、公共交通分担率などは、十年前に行われたパーソントリップ調査の結果を基に推定されていますが、今後の新交通システムの導入、公共交通ビジョンの策定を見据えたとき、現時点でのパーソントリップ調査は欠かせないものでありますので、長野都市圏域におけるパーソントリップ調査の実施を県に働き掛け、早期に実施できるよう要望するものであります。

今後行われる、四つの路線への新交通システム導入の検討に当たっては、こうした点を踏まえ、検討手法を見直し、事業費だけをもって導入が困難であると市民の目に映らないように、将来のまちづくりのビジョンと一体で多面的に検討し、今後策定される長野市版公共交通ビジョンに反映させるよう要望する次第であります。  

次に、ICカードくるるの導入について申し上げます。

 利便性の向上と多様なサービスの提供などにより、路線バスの利用促進を図ることを目的として導入の準備が進められてきたICカードくるるが、本年十月二十七日から本稼働いたします。

 ICカードの運用に当たっては、まずは利用者に具体的なサービスの向上を実感していただくことが必要であります。その上で、今後もサービスに改善を加え、将来的には地元商店街と連携したポイント制度や電子マネー機能の導入など、更なる多機能化を図ることにより、単なる交通カードから生活に欠かせないカードへと発展させる取組を要望するものであります。

また、ICカードくるるの本稼働に合わせ、おでかけパスポートについてもICカード化されます。

今後は、ICカードへの移行を円滑に行うため、市内各地で交換会を開催し、ポイント制などの付加サービスも含めた利用方法について説明するとともに、実際にICカードを使用しての体験会を開催する予定とのことであります。高齢者には、制度が変わることによる不安や戸惑いもあることから、その点に十分配慮して、きめ細かな対応に努めるよう要望する次第であります。 

次に、長野電鉄屋代線の廃止代替バスについて申し上げます。

 長野電鉄屋代線の廃止代替バスの運行開始から、間もなく半年が経過いたしますが、大きなトラブルもなく順調に運行されております。四月に行われた乗降調査結果でも、屋代線からの移行率は目標に近い状況であります。

今月は、乗降調査及び利用者アンケートが実施されておりますので、これから迎える冬季の降雪等による影響も把握し、目標とする年間利用者数の達成に向け、引き続き利用者の要望に応えた更なる利便性の向上と利用促進に取り組むよう要望するものであります。 

 次に、長野以北並行在来線の利用促進と新駅設置調査について申し上げます。

 平成二十六年度末の新幹線金沢延伸に伴い、JR東日本から経営分離される信越本線長野以北の長野・妙高高原間の経営を、しなの鉄道株式会社が引き受けることになりました。

厳しい経営が見込まれておりますが、日常生活や地域経済に欠かせない大切な路線であることから、将来にわたって維持できるよう長野県及び沿線地域が一体となって、利用促進に取り組んでいくことが必要であります。

 このような中、今年度、市では長野・豊野間における新駅設置調査を実施しております。新駅設置は、市民の利便性を向上させ、並行在来線の利用促進に有効であることに加え、地元の住民自治協議会などからの要望も踏まえて調査しているものであります。

新駅設置については、競合する既存の公共交通機関への影響にも配慮しつつ、正確な需要予測により、公共交通への利用転換につながる事業とするため、総合的に検討していくよう要望するものであります。  

最後になりますが、こうした状況を踏まえ、総括的な意見を申し上げます。

本委員会は、議会特別委員会として初めて、まちづくりと公共交通を一体的に調査研究してまいりました。

中心市街地の活性化、長野駅善光寺口駅前広場の整備、権堂地区の再生、旧長野電鉄屋代線の代替交通、新交通システムの導入可能性調査など、本市の重要課題に位置付けられた施策が着々と進行する中では、進捗状況の把握に追われがちで、対処療法的な要望にならざるを得なかった点が反省点として残ります。しかし、新幹線の金沢延伸、その後の善光寺御開帳も見据え、市民との意見交換も行いながら、公共交通を軸としたまちづくりについて調査研究を重ねてきたことは、意義深いことであったと考えます。

今後、調査研究の場が別々に分かれたとしても、まちづくりと公共交通を一体として考える視点は重要であると、改めて申し上げておきます。

合併により、市域の七割が中山間地域となった本市の中心市街地活性化には、市民の日常的な生活圏域を拠点とするまちづくり、いわゆるコンパクトタウンの発想が必要であると考えます。そのためにも、生活圏域と中心市街地を結ぶ、また生活圏域間を結ぶ地域公共交通ネットワークが、社会基盤として整備されなければなりません。その意味で、公共交通網の整備は、正にまちづくりそのものであります。

本市の中心市街地活性化の今後の課題は、それぞれの拠点を面的に展開できるようソフト事業にシフトしていくことであると考えます。具体的には、既に種としてまかれている、善光寺表参道まち歩き事業、まちの見どころ再発見事業などを育て定着させるとともに、まちなか居住を推し進め、活性化の鍵を握る商店街の自立への支援及び若者の創業への支援を拡充し、さらに空き店舗対策を具体的に形にしていくことであります。

中心市街地活性化には、巨額の市費が投入されることから、事業そのものの費用対効果、特に施設整備の費用対効果の検証が厳しく求められるところであり、それらの情報を公開した上で市民合意を得ることが不可欠であります。さらに、権堂まちづくり協議会の活動や、長野駅善光寺口利活用ネットワークへの市民参画の試みなど、市民が主体となるまちづくりを醸成し、市民による市民のためのまちづくりを体現する取組にしていくことが重要であります。

 市当局におかれては、これらの点に十分留意し、今後も着実に事業に取り組まれるよう切に要望いたしまして、本委員会の報告を終わります。